ペイパー・ムーン
今日の昼食は、今月末で退職する人の
お別れ食事会をした。
その人は、こんな変わり者の謙介を珍重してくださって
本当にいろいろなところで
配慮をいただくことも多かったし、折りにふれては
あたたかい言葉をかけてもらったりしていて、
感謝の気持ちをどれほど言ってもいい足りない気がする。
その人は3月31日付けで退職する。
俺同様、この街には仕事をするために来ていた人だったので
「故郷に帰るのですか? 」と聞いたら
「いや、田舎には戻らない。」ということだった。
何でも4月に入っても最初の10日ほど、
こちらの街でいろいろと手続きが残っていて
それを片付けた後、来月の半ばにこの街を出て
神戸の灘に引っ越すのだ、と伺った。
日本の異動の季節も大分分散化の傾向にある、とは
言っても、まだお役所や大部分の学校は
3月が年度の終わりで、4月新年度開始
っていうところが多い。
だからやっぱりまだまだこの時期、卒業とか入学、入社、
それから転勤とか、長かった仕事一筋の生活に区切りを
つけて、、、
という理由で引越しをする、という人も結構多いのだろう。
それから、大きな引越しはないにしろ
仕事場の中でセクションが変ったとか
同じ市内の中で別の支店に配属された、とかで
やはり新しいセクションに遷る、ということも
あるかもしれない。
3月はやっぱりそういう今まで親しんできた人が
いなくなる、というので、ものを想う季節に
なってしまう。
俺は去年、今年と、2年連続で親しかった人が
仕事場からいなくなっていくことになるので
それがやはりちょっと辛い。
今日は大橋純子さんのペィパームーンを聴いた。
この歌の主人公たちは「つきあっていたカップルが別れる。」
という歌なのだけど。歌詞の中に
「生きていようね 駄洒落のように
いつか涙流して 笑う日も来る
淋しくて 眠れぬ夜は
ペイパー・ムーンで
たまに逢えればいいじゃない」
というところがあって、この部分の歌詞が
ものすごく好きなのだ。
生きていたら、これからも大きな波が
次から次へと押し寄せてきて
息つくヒマもない、という生活。
文字通りの「修羅の巷」。
そんな中でも、またいつかお互い何とか生きていて
かつての友達にまた会えたらいいな、
そんなふうに思う。
「別れ」というどうしようもない現実があって
ちょっと寂しくなるこの時期なのだけど、
このからっとしたアップテンポの歌を聴いて
少しはその悲しさを紛らわせたい。
もっと酔わせてね あなたの胸で
生きる辛さをね 忘れさせてね
ペイパー・ムーンは裏街のパブ
ペイパー・ムーンは別れ話に
お似合いね
心配しないで 私なら
明日の行方も ヒラヒラ
紙切れのような 青春だわ
ついてないのよね あなたと私
星のめぐりがね 合わなかったの
でもいつか やるせない日に
ペイパー・ムーンで
たまに逢えれば いいじゃない
ペイパー・ムーンは裏街のパブ
ペイパー・ムーンは淋しがりやの 吹きだまり
いつわりだらけの都会でも
もしも愛が真実なら
銀紙の月も輝くはず
生きていようね 駄洒落のように
いつか涙流して 笑う日も来る
淋しくて 眠れぬ夜は
ペイパー・ムーンで
たまに逢えればいいじゃない
この曲をはじめて聴いてから、30年くらい経った
けれども、こうして歌詞を書きとめてみても
やっぱりかっこいい曲だなぁ、って改めて思う。
お別れの季節。
それまで毎日のように会っていた友達や同僚とも
もう会えなくなりはする。
「随処為主、立処皆真」
こんなところで禅の『臨済録』を出してくるのは
ちょっと場違いかなぁとも思うけど、
どこに行っても、また移っていった場所で、
その人らしさを失わずに、しなやかに生きていって欲しいと
心から願う。
会えなくなっても、俺はあなたのことを
折にふれてちゃんと思い出すからさ。(笑)
いつかまた、とは言うけれど、
俺なんか、病気があるから
先の予定として、「じゃあ、この日にまた会いましょう。」
なんて決めにくいし、
果たして、この次、ったって、、
どうなるか、正直なところは分からない。
それだけじゃない。誰にだって
予想もしなかったことが、急に目の前で起こったり、
本当に生きづらいことだって、もう本当にあり過ぎるくらいあって、
そんな山なす問題の前で、ためいきをついて立ちつくす
しかない今の世の中だ。
でも--------
そう、それでも。
またいつか、最後に別れた時のままの気安さで、
どこかで会えたらいいなぁ。
いつかまた。
その時までお互い、がんばって生きていこうね。
毎年この時期、この曲を聴いては、
そんなふうに思うのだ。
(今日聴いた曲 ペイパー・ムーン 歌大橋純子)
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