値段と価値と
さっき、はじめて餃子の王○に行った、という友達から
メールが来ました。
「なんだか、大しておいしくなかった。ちょっとがっかり。」
というのが感想とのこと。
京都にいた人間からすると、王○なんてどこにでも
ありましたしね。なぜ王○に行くのか? と問われたら
そこに王○があるからだ、ということではないか、と
思います。
とはいえ俺の住んでた右京区の常盤にはなくて、、。
一番近かったのが嵐電(らんでん)の
帷子ノ辻(かたびらのつじ)←電車の駅名です。
にあった王○。
右京区民でしたから、京都の西半分の王○各店には
行きました。
府立体育館近くの大将軍の王○(ついこないだ
閉店したそうです。)
太子道の王○、花園の王○。
で、みんなそれぞれの店によって全然メニューが
違っていて、、それがすごくおもしろかった。
太子道の店では、各球団の定食が
あったりね。タイガース定食、とかドラゴンズ定食とか。
花園の店にはそんなのなかったり、、
大将軍の店は近くに高校が3つあったから
高校生が多い、っていうので、やたら大盛りメニューが
充実してたし、、。
で、味も店によって少しずつ違ったし、、。
俺の周囲で一番おいしい、って言ってたのが
花園の店だったかな。
でもね、あの頃、例えば、餃子二人前と炒飯一人前で
500円でお釣りがきてたわけですよ。
餃子が一皿130円で二皿で260円。
炒飯が200円だったから。合計で460円。
まぁその値段で、おなかが一杯になる、と思えば
十分やん、って思うわけです。
謙介も年をとるにつれてあちこちでご飯を
食べた、という経験が次第に増えてきました。
就職してからは中国に住んだりもしたわけで、
だから本場の中華料理だって食べた、という
経験もできちゃいました。
謙介なんて別にグルメでもなんでもありませんから、
蘇州のよく行った一膳メシ屋の名前もわかんない
店のおっちゃんのその日の気分で作った野菜と
肉の炒め物だって好きですし、王○のカウンターに座って
「エンザーキー、イー、ソーハン、リャン リャンガコーテー」
という入ったオーダーを叫ぶ店のにいちゃんの声を
聴きつつ、定食を食べる、というのも
同じように好きです。
今は日本全国、あちこちに支店ができましたが
ラーメンの天下一○も好きです。
俺が京都にいた頃は、まだ北白川にしか店が
ない頃で、、。
学部生の時に、指導教官から、
「謙介なぁ、あんた、芸術短期大○の中国人留学生に日本語を
教えるバイトせえへん? 」と言われて、即座に「しますします。」
と答えたのも、その芸短のすぐ近くに天下一○の本店があって
『毎週天下一○でラーメンが食べられるやんか。』
と思ったからなのでした。(不純な動機でしたけどね。)
中には王○も天下一○もあんなの嫌いやわ、という
人もいますが、俺はどっちも好きですねぇ。(笑)
あのころの天下一○なんて、カウンターのところに
小さなザルがおいてあって、それにネギが入ってて、ネギは
好きなだけかけていいことになっていたのに、、
いつの間にか、ネギが最初から入って出てくるようになって
しまって、、ちょっと寂しいなぁ、と思います。
確かに味覚、というのは個人差がありますし、
生育環境とかでも大きく左右されますよね。
Aさんがこれはうまい、と 思っても、Bさんにとって
みれば、何やの、こんなののどこがおいしいねん、
っていうことだってあります。
とはいえ、王○は、オープンキッチンです。
オーダーが入って、カウンターの中で、ボウボウと
ガスコンロから上がる炎の上で鍋を揺らしながら
いろいろな料理を作るのが見えます。
でも、ホテルなんかだと、できたお料理が
ウエイターさんの手によって静々と運ばれてくる
ということになりますよね。
何度だって言わせてもらいますが
今時のホテルなんて、冷凍食品の袋、ハサミで切って、
皿に載せてチンしてきただけじゃないですか。
ホテルの厨房に今時シェフなんていません。
ホテルの厨房なんて盛り付け係と、皿洗いだけいたら
事足りますもの。
それでいて、ホテルで食べたら、万事すごい値段です。
裏でチンしただけの料理に、アビニョン風、鰆のポアレ、
とか何とかいう「銘」が付けられて、出てくる、と。
そうしたら業務用の冷凍食品が、瞬時にして驚愕するような、お値段に
変貌を遂げるわけです。
もっとすごいのはホテルの宴会料理です。
ホテルの宴会料理なんて、ホテルの近くの食堂からの
出前を盛り付け直ししただけだったりします。
ええ。昨今のホテルの料理なんて、
そんな程度です。
それで言うなら、王○なんて、ちゃんと目の前で
作ってくれているではありませんか。
俺、訳のわかんない冷食の解凍品を高い金出して
食べさせられるのだったら、ちゃんと目の前で
作ってくれる王○でごはんを食べたほうが
よほど良心的じゃないか、って思います。
値段と、それにみあった食事と。
今時、店が繁盛するしない、って、
結局、そういう値段と、その料理の質とか内容を
比較して、これなら、この値段で財布をあけて
お金を払っても惜しくはない、と客に思わせた
ところがやっぱり繁盛しているように思います。
そういう点でやっぱり人は、よくよく観察してて、ちゃんと
それなりの値打ちのあるところ、はどこか、と、みなさん
よーく見ていると思います。
こういう時代です。
客の側は本当にそういう部分、シビアに見定めていて
評価を出します。値段と内容がどうか。
誠意のこもったものかどうか。
そういうところで、はかりにかけて
これは、と客が納得した店、っていうのが
やっぱりそれなりに流行っている店じゃないか、
って思います。
こんな文章を書いたら、
なんだか久しぶりに王○に行きたくなっちゃったぞ。(笑)
でも、俺の仕事場の街には、王○がないんだな、これが。
うーん。うーん。
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Comments
先日、幸楽〇というラーメンチェーンに行ったのですが、コンクリートミキサーみたいに回転してる筒状の鍋に、ご飯と具を入れて、チャーハンを作ってたんです。
王〇は中華なべを振ってるので、いかにも厨房って感じですけど、幸楽〇は機械化が進みすぎて工場って感じでした(ノ_-。)
オープンキッチンも良し悪しですよね
Posted by: mishima | 10. 03. 18 AM 11:47
---mishimaさん
そういう店があるんですか。回転寿司でもさすがに機械でシャリを握ってその上に、ちょこん、とネタを乗せる店、最初から全部冷凍でコチンコチンの状態で運ばれてきた寿司を銅版の上で解凍する店、とありますが、さすがにその部分はカウンター内ではやってませんよね。(笑)
でも、そんなふうに機械で作るのであれば、わざわざ外食しに行く、という意味が、、まぁ「自分で作らないで後片付けもしてくれる。」という部分しかないような、、気もするんですけど、、。
Posted by: 謙介 | 10. 03. 18 PM 9:57
チャンポンチェーンのリ○ガーハットも機械化が進んでるそうですよ。
限られた人員でどこの店でも同じ味を提供しようとしたら,そういうことになったんだそうです。
大学時代,○将は自炊するのも面倒な日曜日などにお世話になりました。
「チャーハン,八宝菜,餃子,エビチリ,あと桃饅ね♪」
・・・よくこれだけを一人で食えたな,と(今でも食えたりして 笑)
Posted by: Ikuno Hiroshi | 10. 03. 18 PM 11:39
---Ikuno Hiroshiさん
こないだ、そのリ○ガーハット、こちらの街の郊外にできた、と聞きました。はじめてのものはものめずらしさで連日すんごい人だとか。野菜がたっぷり取れる、っていうのが売りなんだそうですね。王○はチェーン店とかいいながら、各店の裁量が大きくて、ちょっと変ったというのか異色のチェーン店ですが、大抵のチェーン店は、セントラルキッチンというのか、工場で作ったものを各支店に運び込んで、再加熱するだけ、っていうようなことですね。深夜のファミレスなんて、え、これだけの人で? っていうくらい少ない人数でまわしています。それには、そういうすべてにわたって徹底した人数・コスト、両面の削減をやってるんでしょうね。話を聞いてやれやれ、と思うことばかりなのですが、、。
Posted by: 謙介 | 10. 03. 19 AM 6:02