いつまでも覚えているヤツ。
謙介の周囲には、文系の友達も
理系の友達もそれぞれいるのですが、
理系の友達というのは、自分と全然違う
思考をするので眺めていて飽きません。
なんだか知らないけれども
次々と新しい機械を買っては、
据えつけて、試しています。
栄養士の友達も、一時は簡単に計測できる
体脂肪計というのを集めるのに熱中していました。
そんなに体脂肪計5台も6台も買って
どうするの? ということで、
うちの家に1台レンタルで来てたくらい
だったのですが、、。
結局6台くらい買ってました。
結果、なにが分かったのか、といえば
市販の体脂肪計では、正確な値というのは
計測できない、ということだったようで。
あれは、体内に微電流を流して、
その抵抗を測って数値化してるだけだから
本当に脂肪がどれくらい、なんて
わかんない、のだそうです。
えええええ、そんなのだったら
買ったってしかたないじゃないかぁぁ、と
言ったら、
「ただまぁ一台の体脂肪計を、ずっと使い続けていたら
その人の脂肪の傾向は分かるけど。」ということでした。
まぁその程度の話で。
だから脂肪計を見て、私は脂肪が少ない、たって、
ほんまに少ないかどうかは分かりませんし、
多いから、と言って悲観することもない。
計測して出てきた数値がその人の正確な体脂肪、
ということには、、ちょっと違ってるかも、、
ということなのだそうです。
で、栄養士の友達、
その体脂肪計のコレクションが終わったら
今度は自分の車にカメラを取り付けて、、って
また機械を買って
あれこれとやっています。
謙介はよくもまぁ、次から次へとあれこれと機械を
買いまくるなぁ、と思うのですが
本人は飽きるところを知りません。
それから、理系の人って、前にもお話しましたが
それまでの考えが自分の中で決着したら、
さっ、と方針を転換できるみたいです。
それまでは「こう」だったけど、
これからは全然新しいこれ、とか、いうふうに
どんどん変化をしていきます。
それが普通みたいです。
新しい数値、最新のものが大切で、古くなったデータとか
以前のものには全然注目が行かない、ようです。
ところが文系の、しかも文学部の人間っていうのは、
過去にさかのぼって、(っていうか歴史なんか
過去そのものが研究対象(笑)だったり)
その人の言ったそれまでの言動全てを
分析して解釈しようとします。
なので、そんなふうに唐突に方向転換されると
なんで急にそうなるんだよ? って思うわけです。
あんた、こないだまで、全然違うこと言ってたじゃないか
どうしてさ? こないだまでああ言ってたのは嘘なの?
と聞きたくなるわけです。
一度どうしてそう変わるのか、を理系の人に聞いたことが
あります。
そうしたら、理系の人の言うには
別な実験とか、データを見たら
それまでのことが違っていた、ということが
分かって変更になった、と。
科学は日々進化しているんだよ、
昨日これが正しかったことが今日はもうそれは
ウソかもしれない、ということでした。
まぁ、そう言われたらそうなんですが、、
そういうことを文系の人間から見たら、
急に発言変えちゃって節操が無いやつ(笑)とか
なんでもかんんでも新しいものばかり追って、、
今までの、論理の構築はどうするのさ?
何でもかんでも中途半端に拡げ散らすばかりで、
ちっとも収拾がついてないじゃないか。
まったく意見のコロコロ変る
信用できないヤツって思ってしまうわけです。
でもまぁ、相手にそのことを質問して
これこれこういうデータが出た、と。
それによると今までの推論を覆すような
ものであった、ということが新たに分かった、と
それで方針変更になった、というふうな
納得できる説明であれば、謙介も
前言と違うじゃないか、とは言いません。
ただ、世の中にも結構そういう180度違うことを言う
なんてことはありまして。
こんな記事があります。
1948年1月1日の朝日新聞には「5千万人で理想日本」
という記事があって、
当時の日本の人口は約8千万だったのですが
「8千万人に近いものがひしめきあっていたのでは夢も浮かぶまい」
とありました。
1974年の日本人口の動向という資料に
なんて書いてあるのか、といえば
「出生抑制にいっそうの努力を注ぐべき」とあります。
この年には、日本人口会議というものが開催されて
子どもは二人まで、と抑制方向への結論が出た
とあります。日本中から人口学者が集まって
人口がこれ以上増えたらあかん、ってやってた、って。
今の世の中、みんな口を開いたら、
やれ人口が減るのが問題、
少子化が問題だのというのですが、
40年前なんて、このまま人口が増えたら、
将来は大問題になる、なんて
みんな心配して言ってたわけです。
それが今じゃぁ、、、ねぇ。
一体何なのでしょう。この豹変は。
まぁねぇ、今のこの人口減ってなにが問題なのか、といえば
経済的なこと、なんだとは謙介も認識しています。
人口が減っていくと、今までの経済発展の規模とかテンポを
維持できないとか、経済的な側面から社会保障制度が
維持できないとか。
日本の国って長期的なビジョンが全く無い、って
よく言われるんですが、40年経ったらこんなふうに
全く逆のことを言ってるような国です。
そんな国が、100年の計とかいうふうな
長期的なビジョンを立てたって仕方がないじゃ
ないですか。(笑)
またどうせ変るんでしょ?
前にも言いましたが、俺がまだ小さかった頃、
世の中はやがて氷河期が来て、寒くなるのだ、
ということがいわれていました。
えええええ、世の中寒くなるの???
っていわれてて、みんな、ふーん、と思っていたのです。
ところが昨今は、こないだのコペンハーゲンの会議ではありませんが
温暖化ばかりです。
過去の言動にこだわる文系人間は
忘れずにしっかり覚えているわけです。
いつから、そんなに180度変わったんだ?
日本の人口は増えすぎて言って将来困るぞ、
だの、地球は冷えて寒くなってしまうぞ、
って言ってたヤツは、誰だよ。
その言葉の責任を取れよ、って
謙介は思ってしまうのです。
今年も新聞を見ていたら
中国が台頭してきて日本の世界における
相対的な地位が下がるとか、
日本の経済は世界に較べて
全然回復の速度が遅いとか
相変わらずのことを書いています。
なんだか「以前」を知るものとしては
マスコミの報道は一方向からばかりで
やたら騒ぎ立てるばかりのように思えます。
それにどうしてそういう報道って、「結果」ばかりしか
見ないのでしょう?
地位がどうなったこうなった、とか
「評判」なんていうものは、単に「そういうふうに
なった。(もしくは近くそうなる)」ということじゃないですか。
そんな形より、もっと実質とか実態を
冷静に見て、実際にとりかかることですよね。
実質をどうするかが大切なんじゃないのですか?
そんな評価だの国際的なポジションだの
というようなものは、実質的な内容が
備わっていったら、後から勝手についてくるものだ
と思います。
今の日本が気にしているのって、
まるっきり落ち目になったアイドル歌手が
最近、ちっともマスコミの取材がないわね、
って拗ねているのと同じじゃないですか。
なんだかそんな気がしています。
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