« 「タイトル」の文字を分析してみる。 | Main | なぞ »

09. 10. 26

フェ

今日、がんセンターに行ったら、診察室の前にすごい人が。
主治医が急に病棟のほうに呼び出されて行ってしまって
1時間くらい戻ってきていないのだとか。
だから予約していた患者さんの診察が全部そこでストップ。

前はもっとしょっちゅうだったのですが、俺が診察時間を
遅い時間に変えてもらっていたので、待ち時間の
時にそういう急に、ということも少なくなっていたのですが、、。
久しぶりに、長期戦になるなぁ、と思ったのでした。

待合室は世間話大会が始まっていました。
実は、俺、あんまりこういうところで病気の話を
しあうのを好きではないのです。
いつも言っているように、
がん、というのは、とても個人的な病気です。
同じ薬を飲んだから、と言って、Aさんにはうまく効いても
Bさんにはさっぱり、ということだって普通にあります。
こういうところではお互いの病歴とか、薬とかの話を
することが多いのですが、そんなことを聞くと、
やっぱり人間つい、影響を受けたり、いろいろなことを
考えます。するとやっぱり今やっている治療が
これでええんやろか、と疑ってかかる、っていうことも
あり得るわけで、、。

だからあまり病気の話をするのはちょっとなぁ、、、
と思っていたのですが、、。
隣に来た久しぶりに顔を見た初老のおじさんが
俺に話しかけてきました。
「久しぶりやな。 元気か? 」
うーん。 病気の通院でここにきている俺は
一体どう答えたら、、。
「まぁまぁです。」
と答えておいたのですが。

「実は、ワシなぁ、ホンマ、こないだはひどい目に遭うたんや。」
「どうしたんですか? 」
「いや、それがや、会社の連中と焼肉屋に行ったのよ。」
「はい。」
「それで途中でユッケ食べたい、っちゅうヤツが居ってな。」
「はい。」
「ユッケ、知っとんか? 知らんやろ。」
「生の牛肉を細切りにしたのを
コチジャンとかゴマ油とか生卵とか塩で味付けして
かき回して食べる料理でしょ? 」
「どうしたん。 あんた、くわしいのぅ。」
いやいやどーも。

「そのユッケがや。」
「どうしたんですか。」
「えらい目に遭うたんよ。」
「あ、分かった。 食べて肉にあたって、おなかでも壊したんでしょ。」
「そや。 なんでわかるん? 」
「いや、よくある話ですし。」
「え、それはようあることかな。」
「まぁ、俺も何度か聞いたことある話ですし。、、
それで、おなかを損ねてしまったんですね。
「そうよ。もう、、むちゃくちゃよ。」


おっちゃん、しゃべるしゃべる。
肉は変なにおいもしていなくて、だから大丈夫だと思った、とか
俺は食べてあたったのに、一緒に食べた連れは全然
そんなことなかった、とか 焼肉屋にねじこんでやったわ。あはははは、
とか。いかに自分がそのユッケのせいで、トイレに何度通ったか。
上から吐きそうになるし、下からは止まらんし(失礼)
もう七転八倒、悶絶。 どれだけ苦しみもがいたか、という
ことを切々と俺に話すのです。

ユッケ。 正しい発音は「ユック フェ」ですよね。

ユックは「肉」。
もちろんただ単に韓国で肉、といえば
牛肉です。
豚肉だったらテジ、を頭に付けるし、
鶏だったらタッを付けます。
「フェ」は動物、魚類を切って生で食べる
料理です。魚で言えば刺身、ですね。
釜山に行けば、日本に近いのでサシミ、という言葉も
使うのですが、韓国語の言い方としてはフェ、でしょう。

だから正しい発音はユック フェ なんですが
短く言うと、ユックの「ク」と、「フェ」が
発音しやすいように変化を起こして「ケ」に近い音に
なる、ということです。

フェは、さっきも言いましたが、肉でも魚でもします。
前に俺食べたのでは「タコ」のフェで、ナクチフェ。
それから、イカのフェで、オジンオフェ、という
のを食べました。それからもうひとつ、これは
一度食べろといわれて、いやいや食べたのですが
エイのフェでホンオフェ、というのを食べた、というか
経験さされました。普通にエイの切り身であれば、
大して問題はないのですが、エイの切り身を
発酵させたもので、その、すんごいアンモニア臭が、、
それこそ悶絶するやうなにほひでござひました。
まぁこういうふうに魚のフェ、っていうのは
よくあるわけです。

ただ、このおじさんの言うように
生で食べますから、やっぱり衛生の点が
気になります。


日本でも最近は焼肉屋ではごく普通のメニューに
なりましたよね。
レバ刺し、とか、おっちゃんの食べた
ユックフェとか、鶏の刺身とか。

先週、NHKのラジオのニュースでレバ刺しを食べて
食中毒を起こした、というニュースを
聞いたばかりだったので、おっちゃんの話、余計に、印象が
強かったわけです。
生肉を食べて食中毒を起こす原因は
カンピロバクター
という細菌によるものらしいのですが。

実は韓国にいたときも、
しょっちゅうこの生食が原因と思われるような
食中毒のニュースが出てて、あ、またどうせ
まな板とか包丁とかの洗い方がケンチャナヨ(適当)な洗い方しか
してなかったからじゃないか、って思っていました。
住んでいたときにも、親しかった友達が釜山にいたので
釜山に何度か行って、海辺の市場で刺身を売っている
ところにも行ったのですが、洗い方とか、大丈夫か? 
と思うところもあって、、正直、生のものは
なぁ、、と思って避けていました。

韓国に旅行に行った大抵の人は市場に行くと思うんですけど、
正直なところ、市場は値段が高いです。
特にソウルの南大門とか東大門の市場なんて、
高いわ、ぼったくりだわ、なので、正直行っても見るだけでした。

どうしても市場で買い物、というのであれば、
むしろソウルの南部高速バスセンター
の中の商街(サンガ)なんかのほうが、日本人が来ないし。(笑)
変に観光客ずれもしてないので値段だって
ずっと安いし、さらに「アジュマ、この値段だったら
持って帰る元気が出えへんから、もうちょっと負けてよ。」
って言うと、「にいちゃん、きついなぁ。」 とか言われつつ
結構お勉強してもらえました。(笑)
あ、値段の話じゃなかった。
市場に食べ物の屋台が出てますが
中には結構食品の扱いが適当、という店もやはりありますね。
だってあの人の喧騒というか埃というのか。
まぁおまじないのようにラップをかけてたりはしますが、
それでもちょっとねぇ、、っていうところもしばしばで。

なので俺は、市場で食べることは滅多になくて、
デパートの地下で食べることが結構多かったです。
チャプチェどんぶりとか、パジョンとか
ムルマンドゥ(水餃子)、ポックンパブ(焼き飯)なんかは
デパ地下の軽食を出す店で食べていました。
値段だって観光客値段の市場よりずっと安いですし、何より
一番良かったのは、オープンキッチンだったから、自分の目の前で
注文した料理がつくられているところを全部見ることが
できるので、安心だったからです。

まぁ韓国だから、日本だからというのではなく、
菌もこわいし、魚によったら、
刺身にしようと思って切身にしていたら、
魚の身の中に小さな虫がいて、それが這い出してくることが
結構ありますよね。カツオなんか割とそういうこと
よくあります。


確かに牛肉は生でもオッケー、ということには
なってはいますが、日本でもこのところ
レバ刺しとか鶏の刺身とかいうふうに
肉を生で食べることが増えてきたことで
こうした菌による食中毒が急増している、
と聞きました。
俺はもう最初から恐いので食べませんけど、
栄養士の友達も、あんまり生肉を食べるのは、、
お勧めできないねぇ、ということでした。

「もう死ぬかと思たぞ。」 とは、がんセンターでのおっちゃんの述懐です。
「でも、また食べるでしょ? 」と俺が聞いたら、
「もう絶対に食べんわ。」と笑って言っていました。

俺は、そのおっちゃん、ほとぼりのさめた頃、
絶対にまた誘惑につられて
食べると思います。(笑)

でもまぁ、肉の生食はやはり気をつけたほうが
いいんじゃないかな。ちょっと怖いです。


|

« 「タイトル」の文字を分析してみる。 | Main | なぞ »

おもうこと」カテゴリの記事

Comments

謙介さん
 さっき、ご飯食べたのに
韓国料理のお話し聞くと、食べたくなりました。刺身は別ですが・・・
 衛生管理のお話し、以前オーストラリアの子をお預かりしたとき、違う意味で
びっくりしました。食器を洗剤つけた後、
濯がないんですよ@@洗って、洗剤つきの
まま、かたずけるんです・・
 カムジャタンを食べたあとの、ポックン
パッ食べたいなぁ。謙介さんは、いろんな
韓国料理をトライしてみえるけど、スンデ
も大丈夫ですか?私は、あれと、同じようにイギリスのブラックプティングが駄目
です><

Posted by: yoko | 09. 10. 28 at 오후 9:15

---yokoさん
スンデ、市場の屋台にどーんと積み上げてありました、ありました。(笑) スンデはまだ大丈夫です。多分、ですが。それは大丈夫だったんですが、友達が田舎に実家がありまして、田舎に行くとドジョウのお汁(チュオタン)とか、川の貝なんかを出してくれたことがあったのですが、それはさすがに苦手でした。

Posted by: 謙介 | 09. 10. 28 at 오후 11:00

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91870/46554627

Listed below are links to weblogs that reference フェ:

« 「タイトル」の文字を分析してみる。 | Main | なぞ »