川の流れ
俺ね、前から不思議だなぁって思ってたことがあってさ。
こないだ虎○のようかん工場と男前豆○の本社のある
京都の八木のことを書いたよね。
その八木の町を流れている川があって、それは園部川、
っていうんだけどさ。
この川が八木っていうあたりを流れるときは園部川で
それが隣の亀岡市に入ると大堰川(おおいがわ)で
亀岡から京都に抜ける渓谷になったら保津川で
保津峡を抜けたら今度は桂川で、っていうふうに
川の名前がどんどん変わってる。
俺、もうひとつ不思議だな、って思ってたのが
信濃川。
信濃川って、最終的には新潟で日本海に注ぐでしょ。
新潟の川で長野の地名? って思ってたんだけど。
不思議って思わなかった?
だって、言い方を変えたら新潟で長野県川よ。
別に越後川でもいいんじゃないか、なのに信濃なの?
俺、ずーっとどうしてなの、って思ってた。
昨日たまたま本屋で院のときに院生部屋が一緒だった
地理学専攻の友達にあったことがあって
そのときに聞いてみた。
「何で新潟なのに信濃川なの? だけどさ
長野で信濃川って聞かないよね。」
って俺が言ったら、
「信濃川って長野県では信濃川って言わないもん。」
って彼は言った。
「え? 言わないの? 」
「そんなもの、長野側じゃ千曲川だよ。千曲川って聞いたことあるでしょ? 」
「あ、うん。名前は知ってる。え、あ、でも、あれが、、? 」
「そうそう。千曲川が新潟に入ったら、信濃川に名前が
変わるの。」
「でもどうしてわざわざ信濃川なの? 越後川でもいいのにさ。」
「それは信濃の国から流れてくる川だから、信濃川なんだ。」
「あ、そういうことなのか。上流の地名取ったんだね。」
「そうそう。」
「あ、でもさ、川の名前って、そんなふうにころころ変るの?」
そこで俺が前から思ってた、園部の川の話を聞いてみた。
園部川→大堰川→保津川→桂川
ってひとつの川なのに名前がころころ変わるのはどうして?
って聞いた。
「そんなの普通だよ。」
「え? 」
「東京の多摩川だって、羽田空港のあたりじゃ、地元の人は多摩川
なんて言わないもの。六郷川だよ。京急に六郷土手っていう駅だって
あるしさ。大阪だってそうじゃない? 天満の辺の川、大阪の人は
淀川って言う? 言わないでしょ。」
「大川大川。天神祭りの船渡御は大川でないと。」
「ね。大阪の地元の人間の言い方なら大川だよね。
東京の隅田川だって大川だよ。時代劇にほら出てくるじゃないか。
死骸が大川に浮いてた、、、とか。」
「うん。あ、そうそう。 そういえば、大川だった。隅田川なんて
言わないよね。だけどさ場所によって川の名前って変るの? 」
「うん。川の名前って、ひとつの川なんだけど、元々流れている
その場所その場所で名前が変わってたんだよ。
ただね、それでは管理をするのがややこしくてダメだ、って
明治になったときに、明治政府がさ、日本中の川は
ひとつの川でひとつの名前にしろ、って
強制的にまとめようとしたわけよ。
だけど全部が全部はまとめきれずに、
うまくいかなかったのが、そうやって
残ってる、っていうこと。」
「何でそういう名前がいっぱいあるの? 」
「その名前が有効なところで、ひとつの文化圏を作ってたわけよ。
だからその文化圏のところでは、その川は
そういう名前。 だけど同じ川でも、下流に行って、また別の
文化圏になって、文化圏が変わると川の名前も変わる、
っていうふうになるんだよ。」
「あ、それで、ひとつの川なのにいろいろな
名前がある、っていうことなの? 」
「そうそう。だからさ、富士川って静岡では
富士川だけど、山梨では釜無川だし。
さっきの信濃川だって長野では千曲川だしさ。
だからその川の名前の変わる部分がさ、
言ってしまったら同じ文化圏域なわけでさ。
千曲川の場所と、信濃川の場所では
文化圏が異なる、ということだね。」
「じゃあ、川の名前を見ていけば、その川の
それぞれの文化圏が分かるの? 」
「そういうこと。」
川の流れひとつから、結構重要な意味が分かる、
ということを彼は教えてくれたのだった。
話は変わって、こないだこれをいただきましたぁ。

もとちかくんぬり絵帳です。
もとちかくん?
そりゃあなた、長曾我部元親じゃありませんか。
こないだのお休みに、高知県の県立歴史民俗資料館に行った人の
お土産です。
高知県立歴史民俗資料館はこの長宗我部氏の岡豊城(おこうじょう)
跡にできています。
中にはなんとシール入り。
これも武将ブームの影響なんでしょうか。
いやまぁどうだっていいんだけどさ、このぬりえを
幼稚園とか小学校低学年の子にあげるならともかく、
こんなおっさんにあてがうなんて、一体どういうことなんで
しょうかねぇ。
おっさんが持っていても仕方がないので、この撮影後
おともだちのゆりちゃんにあげました。
ちなみにゆりちゃんは「ちょうそかべゆり」というお名前です。
「これあげる。」って言ったら、
笑いながら受け取ってくれました、とさ。
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Comments
うちの地元、滋賀も武将ブームに乗り遅れるな!と頑張ってますよ( ^ω^ )
なんと言っても長浜・彦根・安土と城や城跡がたくさんありますから
今は武将の劇画風イラストを描いたトレーディングカードが人気みたいですヽ(´▽`)/
Posted by: mishima | 09. 10. 15 AM 9:17
---mishimaさん
近江はそーりゃもう、人材には事欠きませんよね。なんたって石田三成、今年は小栗○でしたしね。(笑)武将だって忍者だって、商人だって、職人だって。そう考えると近江はやっぱり人材の宝庫のような場所ですよね。こうして改めて考えてみると、そういうことを思います。
Posted by: 謙介 | 09. 10. 15 PM 8:46