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09. 08. 24

紙を買う。 紙を切る。

相も変わらず四国は暑いです。
今日の日中も33度。今も部屋の中の気温は
31度。ということでエアコンが起動中。

明日は多少涼しくなるというので、
疑いつつも少し期待しようと思います。
(最近の天気予報なんてコロコロ変わるんだもん。)

今日は同僚の息子さんがテレビに出るというので
帰ってテレビをつけていました。
今日、こちらにあそうさんが来たようなのですが
結局あそうさんの話は全く出ずに、
ローカルニュースは世界陸上で県出身の○上選手が
槍投げですばらしい記録を達成したニュースをずっと
していました。地元ですから、とうとう○上選手の
おかあさんまで出てきてインタビューに答えていました。

今日のところは、選挙は横において世界陸上、という感じでした。
俺も選挙なんかより○上選手の活躍のほうがずっと
心躍る話題だと思います。

その後、同僚の息子さん登場。
やっぱり親子ですね。顔なんかそっくりやなぁ、と
思ってしまいました。
息子さんも無事に出演を済まされ、めでたしめでたし。

さて。紙を切る、という話をしなければなりません。

謙介、昨日の日曜日は一日どこへも行かずに部屋にこもって、
朝から晩まで紙を切っていました。
朝、6時に起きて、朝食と洗濯を済ませて、
8時くらいから、ずっとカッターナイフを右手に。

以下同僚との会話です。

え? ちょ、ちょっと危ないんじゃない? それ。

え、どうしてさぁ。

だって一日部屋にこもってたんでしょー。

書道の紙切ってたんだよー。

あ、なんだ、書道の紙か。

なんだ、書道か、って。
そういうけどさー紙切るの、
ホント大変なんだよー
1日かかって、切れたのだって何とか70枚。
もうおぢさん、紙切るの嫌になりましたわ。

でもさ、何で紙切ってたの?

字を書いてくれ、って頼まれてさ。

どなたに?


大学のときの恩師から「字を書いてね♪」
5月に頼まれて。

こほん。謙介さん、もう8月ですけど?
しかも、もう下旬ですけど? 

ええい、やかましい。
まだ3ヶ月じゃないか。

3ヶ月って、3ヶ月もでしょ?


たったの3ヶ月じゃあーりませんか。

たった、ですか?

そうです。 たったの3カ月。

いや、もう3カ月も、でしょ。

だってさぁ。今までで一番長いことかかった、って
いうかお待ちいただいたのに、5年っていうのがあるもん。(笑)

5年!?

5年にくらべたら、3ヶ月なんて、、そんなもの、、短い短い。

でもまぁ、あんまり待たせると、こっちもだんだん書くのが
億劫になってきたりしない?

そう、それがあるからさー。もう今月中に仕上げたくて。
それでようやっと、、

3ヶ月でようや、、

ええいやかましい。ホントはさっさと書きたかったんだい。

ならどうしてさっさと書かなかったのさ。

ところがですね。
何ですぐに書かなかったのか、と言うと、
今回のご依頼はは、普通の書道の作品とは紙の寸法が
違っていた、ということがありまして、ですね。

普通は半切とか、聯落(れんおち)とか
(これだって書道なんか知らない人が聞いたら、
何それ? というような名称でしょうが。)なんですが
今回はは一貫代(いっかんだい)、という寸法。
さらに何だ? っていうようなものですね。

正式に言いますと、実はこれは書道の作品の紙の
寸法じゃないんです。
仏教、それも浄土真宗のお軸の寸法なんです。
なので、普通の書道の作品と紙の寸法が
違います。
ですから、当然こんなサイズの紙なんてカットして売ってない。
売っていないのであれば、自分で紙を切るしかない。

切るとなったら、一々紙を切るのが面倒臭い(笑)
遅くなっていた原因その1がこれです。

あ、それで切ってた、って言ったのね。


そう。

それから、もちろん紙を買いにいかなければなりません。
謙介のところは非常な辺鄙な地なので
夕方になったら、砂かけジジイとか、いのししとか
タヌキさんが出てきます。キツネだっています。
そういう妖怪・動物・魑魅魍魎の類をええい! と 言って、
殲滅しないと紙を買いに行けないのです。これが原因その2。

え? まじめに言え?

簡単なことです。経済問題。(えらくあっさりしています。)
本当の原因は、紙を買おうと思ったら、お金が結構必要である、
ということです。

紙を100枚買ったら、福沢さんが2人くらいさっと
瞬時にいなくなるのです。
福沢さんが2人、場合によっては
その倍の4人くらいが一気に謙介の
許から去ってしまうのです。

書道用の紙にもいろいろあるのですが
今回の場合は、表装をして掛け軸にする、
という前提があります。

なので、もちろん手すきの紙でないといけません。
練習用の安価なボロの紙は使えません。
そこそこの質の紙でないと、やはり長い年月経ったときに
紙の質の差がはっきり出てきます。
練習用の紙は、安かろう悪かろうで全く
長持ちしないのですが
いい紙だと、何百年も持ちます。

お茶の葉とか海苔とか紙というのものは
本当に値段相応です。
値段の安いものはボロです。
お茶だって値段の安いものなんて味の○が入っています。
それで味つけしてあるんですよね。
紙も海苔も高いなぁ、と思っても使ったら、
あ、そういうことか、ってはっきり分かります。


とてもいい紙だと1000年くらいは保存ができます。
まぁ何百年、まで、とは思いませんが
掛け軸にして、その家のご法事などの
席で使われるのですから、安物の紙では
ちゃらちゃらしていてちょっとなぁ、と思いました。
やっぱり
そこそこの紙を使わないと、、と思ったわけです。

和紙はその作られる原材料、
紙のすき方、厚さなど本当に1種類1種類
千差万別の違いがあります。
おまけにその紙と、今度は墨の種類にも
濃墨、淡墨、青墨、とさまざまな墨があって
紙×墨の種類を考えると
本当に無限と言っていいくらいの組み合わせができる
わけです。

オフィスとかで使うファックス、コピー用紙とか
ティッシュペーパーのような洋紙は、
作り方も簡単です。
外国から木の砕片(チップ)を仕入れてきて
それを機械で煮溶かして紙を作ります。
全部機械がしてくれるし、大量にどんどん
作れるから安く作れます。

でも、和紙はそうはいきません。
楮(こうぞ)とか三椏(みつまた)とか
紙にできる木の枝を集めてきて、
その皮をはいで、皮を蒸して叩いて
繊維を柔らかくして、、、とすべてひとつひとつ
手作業で行います。
紙を漉く作業だって、真冬の空気が冷たく乾燥した時期で
ないと漉いた後の紙がうまく乾燥できません。
もちろん1枚1枚全部手作りです。
ですから紙一枚でさえ、職人さんの
大変な労力と手間がかかった「作品」
と言えるんじゃないか、と謙介は思います。

今回選んだ紙は、やや厚手で、にじみの少ない紙。
同じ墨で、同じ筆を使って同じ人が書いても
紙の種類ひとつで、全然違った作品に仕上がります。


今回は、自分が練習で使うのではなく、
ひとさまに軸装をして、いわば作品として差し上げるものです。

ですから、そこそこの品質の紙が必要、ということになれば、
やっぱり紙、一枚の値段だってちょっと高くなります。
まぁ中の上くらいで1枚180円です。

あ、紙って言っても洋紙、つまり
オフィスで使う紙とは全然大きさが違います。
全紙と言って寸法は あります。
よく小学生が書初めに書いているのがこの紙を
縦に半分に切ったサイズです。
だから全紙の半分で半切、というわけです。

今回は全紙を100枚。 算数の問題です。
180円×100枚に+消費税ですから18900円と
いうことになります。

ただし、これはとりあえず買った紙の値段です。
実際に書いてみて、うまく書けなかったら、
紙はどんどんさらに必要になります。
さらに、と言っているともう100枚くらい
買わないといけなくなるかもしれません。
そうなったら、まぁ18900円×2、ということに
なるわけです。37800円です。
ね。福澤さんが一気にいなくなるって、こういうことです。

手漉きの和紙ってこういう値段のする紙です。
100枚でも、任天○のDSが買えて、おつりが少しは
来る値段でしょ。


まぁ、そういうこともあって、お金の準備ができて
やっと紙を買いに行くことができるようになったのでした。
ふう。

紙は買ってきましたが、まだ包装のまんまだったわけです。
これを拡げて、寸法を測って、あーあ、めんどくさ。
でも、謙介、昨日は一日がんばりました。
(紙を切るのに、がんばる、というのもなぁ、、。)
でも、1枚切るのに7,8分かかるから、1時間で9枚が
やっとです。それで70枚切ったのです。なので1日かかって
しまった、ということです。

なるべく近いうちに、
まぁなるべく早くに仕上げたいと思ってはいます。(笑)

さてさてどうなりますことやら。


(今日聴いた音楽 大橋純子 ペイパー・ムーン
 イッツオンリ・ア、、の曲ではなくて
 彼女のオリジナル曲です。 本当にカッコいい。
 そのうしろで曲を演奏している
 美乃家セントラルステーション
 もなかなかです。ドラムスが突っ走ること
 突っ走ること。疾走ドラムですね。
 謙介は 2番の歌詞の中の
 「生きていこうよねぇ ダジャレのように
  いつか涙流して 笑う日も来る、、」
 っていうところが大好きです。
 作詞は松本隆 作曲は筒美京平)
 
 

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おげいじゅつ」カテゴリの記事

Comments

大量にできた書き損じってその後、どうしているんでしょうね。

裏表を練習として使っても限度があるし、書いてしまったものは
紙の価値が当然なくなって、ゴミ。

他の方に聞いたことがないので、想像の話になりますけど、
一気にまとめて「燃えるゴミ」でしょうか?
それとも素材が上質だから、調理後の油取り
に使ったりするんでしょうか?(一万円が…)

謙介さんはどう処理(再利用?)してますか?

Posted by: ヒシ | 09. 08. 26 at 오전 12:55

---ヒシさん
 一応二つに分けます。書き損じの状態がひどいの(あまりに下手なもの)は別の作品を作る時に余分な墨を吸わせるとか、硯の墨を吸い取るとか、廊下の掃除の時、からぶきの時に使うかしてそれから捨てます。多少マシなものは、折ってタンスの下に敷いたり、和ダンスの着物のたとう紙をそれで巻いておいたりします。そうしたら防虫剤代わりになって虫除けになるし、元が手漉きの上等な和紙ですから、湿気だって吸い取ります。ただし、墨汁ではそれはできません。墨汁はカーボンで化学物質ですから、そんな虫除け効果はありませんからね。それが結構近所のおばちゃんからの需要がありまして、反古紙は捨てずに、そうやって利用されます。ただまぁ一定期間そうやって使われたら後は結局ゴミにはなるんでしょうけど。ただ単にすぐに捨てる、っていうことはしませんが。

Posted by: 謙介 | 09. 08. 26 at 오전 6:11

 旧暦七夕前のエントリだったので,てっきり願い事用の短冊作りかと・・・(笑)

 しかし,用紙の調製だけで既に体力を消耗しそうですねえ;;;

Posted by: Ikuno Hiroshi | 09. 08. 26 at 오후 10:36

---Ikuno Hiroshiさん
いや、短冊みたいに机の上だけでささっと済ませられるような紙切りだったらどんなに楽かと。(笑) 結局91枚切ってもういいや、ということにしました。
後は来週中にかきあげる予定です。

Posted by: 謙介 | 09. 08. 26 at 오후 10:59

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