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09. 06. 03

愛の誤解

今日昼休みの話。
うちの仕事場のアルバイトのおねいさん、
「私、毎週欠かさず見てるんです。
つまぶきさん、かっこいいし、すきー。」
話題がNHKの大河ドラマの話になったわけですよ。

「こないださー、○○さん、ってば、
水嶋なんとかさんがすきーって
言ってなかった? 」
「いや、水嶋さんもいいんですけど、
前からぶっきーいいと思ってましたし。いつだったか、涙そうそうの
映画を見て、、。」

さいですか、さいですか。
でもまぁ、かっこいい役者さんを主人公に据えて
視聴率を上げたい、というのはきっと作ってる
NH○の意図でも
あると思うから、そういう意味ではうまく策にはまった、(笑)
ということになるかもしれない。

「愛のかぶとなんてかっこいいじゃないですか? 」
「え? 」(と、そこでブレーキをかけたのはもちろん俺)
「だって、愛のかぶとでしょ。直江兼○。」

あ、とその時、俺、なんとなく思ったの。
で、質問してみた。
「ねぇ、愛、って、まぁ、かぶとにあるわけだけど、
この愛の対象、って誰のことを指しているか、
分かってる? 」
「そりゃ、もちろん、自分が好きな相手のことじゃ
ないんですか? 」
「だから誰? 具体的に? 」
「ぐ、具体的に、って、そんなのわかりません、、、、。え?
じゃあ、誰かはっきり決まってるんですか? 」
「うん。決まってる。」
「へ? 」って、彼女はびっくりしてたんだけどさ。

俺は、あー、って、思ったんだ。
そうなんだ。 好きな相手、って彼女が答えたからさー
たぶん、とは思ったんだけど。

「あのね、日本の古典ではね、愛の対象、って
いうのは自分の親とか兄弟のことを指すの。
つまり自分の肉親。」
「えええええええ。」
「ね、ひょっとして、自分の愛する人って言われて
好きな相手のことを指す、と思ってたんでしょ。」
「もちろん。」
「で、その形だってちょっと違うんだよ。親子とか、
兄弟がそれぞれ仲良くしあうそのありさまが、
日本の古典の中の愛の形なの。」
「え? 」
「思ってたのと違ってた? 」
「はい。全然。」
「ただまぁ家族、という考えも、いろいろ範囲が
あってさ。自分の属している主君のお家。ホラ、お家、
っていうくらいでさ、これだってひとつの大きな
家族、って考える場合もあるし、狭い意味で、自分の
肉親を直接指すっていう場合もあるんだけど、、。
とにかく、自分の家族がお互い仲良く、かわいがったり、
いつくしみあったりしてる、と。その状態を
愛、って言ったんだ。」

「今の愛と全然違うじゃないですかぁぁぁ。」
「そうそう。全然違うの。たぶんね○○さんの
言ってる愛、思ってる愛、っていうのは西洋から
入ってきた愛、の考え方であって、日本の伝統的な
考えの中の愛じゃないんだ。
直江兼○って、それこそ歴史上の人だからさ、
そういう日本の古典文化の中の「愛」っていう
考え方の上で考えないと変なことになってしまう、と
思うけど。」って俺は言った。
「変なこと、ですか? 」
「だから何度も言うけど、日本の愛って、
多分あなたの頭の中にある
西洋式のLove、っていう考えじゃないもの。例えば、
極端な例で言えばさ、「親孝行」だって立派に
日本文化の中では「愛」に入るんだよ。
だって、「親を大切に思いやる気持ち」なんだもの。
親孝行だって愛。」
「おやこうこう、も、あい? ですか。」
「そんなこと、考えもしてなかったでしょ。」
「ええ。」
「まぁね、案外作ってる側だって、「愛」をひょっとして
Love、で捉えてたりするかもしれない(笑)んだけど、、
製作者サイドのコメントをいつだったか俺読んだことが
あって、その時に、なんとはなしに、あ、この人、
こういう考えなのか、って思ったことがあったのだけど。

ということで、彼女の「愛の誤解」について(笑)
解くことができたのでした。


ちゃんちゃん。


(恋のフーガ 歌 ザ・ピーナッツ
音源はCD 1990年盤)


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Comments

 いや,もうあのドラマで「愛」の勘違いは確定されたと思ってます(爆笑)
 愛とか小難しいこと考えずに,去年のように面白おかしく作ってればよかったのにな〜と。

 責任者,出てこーい!(人生幸朗師匠風に)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 09. 06. 03 at 오후 10:18

----Ikuno Hiroshiさん
俺も同感です。大体「愛のかぶと」だから直江兼○がいい、という興味の持ち方からしてそもそも、Loveでしか捉えていない、という証拠のようなものですもんね。ですが、大河ドラマなんて、前にもお話しましたが、「ちょんまげ姿」の現代ドラマに過ぎないわけですから、そう割り切ってしまうと、やっぱり現代風の「Love」でいいのか、と思ってしまいます。
 「このドロガメ~」(生恵幸子師匠風に。笑)

Posted by: 謙介 | 09. 06. 03 at 오후 10:52

大河ドラマ、もう全く見てませんが今年は直江兼〇だっていうのはかろうじて知ってました。
今普通に考える愛って西洋からやってきた概念ですが、西洋では結構言い分けている概念をひとくくりにして愛って言いますものね。聖書が入ってきたばかりの頃、神の愛を神の御大切って訳したとシスターに伺ったようなおぼえがありますが、恋愛の愛となんとか分けたかったのでしょう。
謙介さんのお話を読んでいますと、言葉について考えさせられます。とっても緊張して書き込んでいるんですが(そうは思えないですか…)文章のおかしなところは大目に見て下さい。
愛について考えていましたら、ロッシーニの宗教的合唱曲の第3曲「愛 ラ・カリテ」を思い出しました。アモーレじゃなくてカリテ、昔歌いましたが大好きな曲です。

Posted by: アリクイ | 09. 06. 04 at 오전 9:59

投稿してから間違いに気づきました。
カリタですよねお恥ずかしい。
言葉についてのお話だったのに、私複数にするつもりだったのかしら。本当にごめんなさい。

Posted by: アリクイ | 09. 06. 04 at 오후 7:00

---アリクイさん
 今回の文章、書いてから何度か読み直したのですが、おっしゃるように何かお書きくださるの、すごい緊張を伴わせるような文章でしたね。申し訳ありません。どうぞ、これは、と思われたら、お気のむくままにお書きくださいね。
 それと今、やっぱり直江兼○のかぶとが「愛」だって注目してる人って、どこまでも西洋の愛、という言葉の意味を頭に描いてて、それでわぁわぁ言ってる人が結構多い、って思うんです。でも、やっぱり歴史上の人物を見るときは、その人の生きた時代の考え方に沿って物事を見たり判断しないと、その人に対する正しい理解はできない、と思います。だから愛、っていうのであれば、やはり日本の伝統的な考えの中にある「愛」の解釈で考えないといけない、と思います。モノサシが違っては、いけませんよね。(笑)

Posted by: 謙介 | 09. 06. 04 at 오후 11:53

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