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09. 02. 16

むずかしくするんだってさ

朝日の土曜の記事にあったけど。
学芸員と司書の資格を難しくするんだそうな。
難しくして、どうするって言うんだろう?


確かにね、アメリカなんかに行って、図書館に
行くと、司書の立場は全然違ってるんだ。
たいていは大学院を出ていて、修士とか博士の学位を
持っていて資料の構成のしかた、とか、どうやって
資料とか、論文を探せばいいのか、
専門分野を的確に利用者にアドバイスする、という
プロとして仕事をしている立場の人が多い。

ちゃんと司書が専門職として成り立っていて、立場に応じた
待遇があって、それにふさわしい活動もしてる、んだけど
日本はそうじゃないもの。
これを読んでる人だって、ひょっとしたら司書の仕事って
何? って聞かれたら、案外、「知らね。」って
いう人もいたりして。(笑)

司書っていうのも、実はものすごく幅の広い
仕事でね。普通の人は、図書館のカウンター
にいて、本の貸し借りの手続きをする仕事
っていうのが頭に浮かぶと思うけど、

それ以外に、図書館に入ってくる本を
全部分類して、これはこの分野、これはこの分野
っていうふうに分類をして図書館のデータベースに
入力する仕事とか、図書館の全体の蔵書構成を
見て、この分野の本が少ないからこういう本を
入れましょう、とかを考える。

本の分類が難しい。
たとえば「おばあちゃんの知恵と昔語り」という本が
あったとして、どこに分類しましょうか。
おばあちゃんの気楽な話だから、
エッセーに入れる?
それとも、生活の習慣、で民俗学のところに入れる?
家事だから家政学にだって入れられるし、
それとも、個人史のところ? 
ね、こんなふうに、どこで分類したらいいのか
判断に迷ったりする。どれかに判断しなきゃ
いけないんだよ。
ほらね、自分で分類するとなったら、結構難しいんだから。
これも司書の仕事。


それから利用者さんがこれって
何を調べたらいいですか? って質問があったら
この本を見たらいかがでしょう、とかいうような
仕事をする。もちろん、利用者が使って
ぐちゃぐちゃになってしまった本棚の整理整頓とか
図書館によったらAV資料の貸出係とか
なんていう仕事もある。
謙介も一応司書と学校図書館の司書資格は
持ってて実習もしましたけどね。

大体が行政なんかの図書館を設置している機関って、
図書館なんて金食い虫くらいにしか
思っていないしねぇ。だからよく聞くのが
財政担当者から、図書館を見た発言として
「本、本、って、本を買うことばっかり言って、
とか。やれこの資料が、とかあの資料が、って
言いまわって、、。」って。
まぁその程度の認識なんでしょう。

だもんで、図書館の司書だって、本の貸し借りのカウンターで
手続きをする係り、くらいにしか思っていないから、
誰だってできると思っている。
しかもあんなのヒマな奴がする仕事って
思っているから、文科省の思惑みたいに
専門の資格を持った司書の人を配属する
全然頭になくて、適当にパートのおばちゃんとか、
(いえ、パートのおばちゃんが良くない、っていうんじゃ
ないんだよ。パートのおばちゃんに資料の相談をして
きちんとした答えが返ってくればいいんだけど、
そんな難しいことわからん、っていうことなら、それは
雇った側が、そういう全然知らない人でもいい、と
思っているから、そういう人を窓口にいさせているわけでしょ。)
全然今まで図書のことなんて全然勉強してこなかった
ような人が、異動で「はい、今日からあんたは図書館。」
とか安易に割り振られて、赴任させられる。

博物館学芸員だって、就職の口なんてほとんどない。
だってこの不景気の今の世の中、博物館なんて
あちこちにぼこぼこなんて出来やしないもの。いや、むしろ
いまや、博物館なんて、閉館、閉鎖ラッシュだもん。
はっきり言って、資格取ったところでどうにも
ならない。

つまり、根本的な問題として
文科省がいくら司書だの学芸員のレベルを
あげようとしたところで、雇う側が、そんな人要らない、って
言ったら、それまでだもの。で、実際に今の現状なんて
図書館にいる人間なんて、誰だってできる、っていうような
認識のもとの雇い方しかしていないし、これだけ景気が
悪くなって、そういう博物館だの図書館の経費を
切ろうとしているのに、そんな専門職を高給を払って
雇うのかどうか考えてみて欲しい。
そんなことするわけないじゃないか。だいたいのところ、
大抵の図書館なんて、無給のボランティアで
図書館で働く人を募集しているのが現実でしょ?
人件費を切ろうとしているのが現実なのに、
専門職を雇うなんてどこの図書館がするか、って思う。
ミスマッチもはなはだしい。

ただまぁ文科省の本音は
「司書とか学芸員は採用が少ないから
資格の授与要件を難しくして、資格を取る人を
減らしたい。」っていうようなことかもしれないけど
だったら、司書・学芸員の募集枠が少ないので、
資格をとってもそれに就職できない場合が多いから
要件を難しくして、資格を取る人を減らします。
って、どうしてはっきり言わないのだろうか?
だって現実に即した表現って、そういうことだと思うけど。

でね、その難しい要件のところで、どういうのが難しい要件なのか、
って思ったらさ、たとえば司書なら、参考業務の充実だって。

参考業務っていうのは、資料相談って言えばわかりやすいかな?
つまり利用者が、○○について調べたい、
って来て、「じゃあ何の資料を調べてみたらいいですよ。」
とか、「こういう資料がありますね。」ってアドバイス
するのが参考業務。英語ではレファレンスサービス、っていう仕事。

そういうのを、充実をする、と。
でもねぇ、こういう仕事は、心理のカウンセラーなんかとも共通すると
思うけど、現場に出て、利用者の話を聞いて、そこで
業務を勉強する、っていうふうな色合いが濃いように思う。

俺、よく公立の図書館利用するんだけどさ、
結構難しいというか困った人を見る。
コンピュータの検索画面を見て、
こんな「クソ機械でなくて、カードで利用できるように
しておかんかー! 」って機械を壊そうとたたきまくって
怒鳴ってるお年寄りの人とか、まぁお気持ちは分かる
部分もありますが、たたいて破壊してはいけません。

「法律の本、どこ? 」って来て、司書さんが
「法律、って何の法律ですか? 憲法? 民法? 
それぞれあって、、」って言ったら
「じゃ、もういい! 」って切れて帰ってしまう人とか、、。
こういう人に、辛抱づよく付き合って、本を探すお手伝いを
しなきゃいけませんからね。
司書さんするのに、そういう困った人との付き合い方の学習、っていうのも
必要かもしんない。
だけど、そういう対人的な相談業務って、実際に応対してみて
はじめて習う、っていうことのほうがずっと大きい。

それに図書館だっていろいろあるからね。
公共の図書館は何でも知らないといけないけど
大学の図書館は、その学部に置かれた学部学科の
図書館だから、思いっきり特化するしさ。

資格要件を決める側と、現状との間に
ものすごく大きな溝ができてる。認識が
これではねぇ、、。
どうみても時代錯誤もはなはだしい。
一体どういう認識なのかねぇ、って
思う。ホント、あほらしいというかなんというか。


     ×         ×        ×

このところ、更新の頻度が落ちているのだけど
その原因は、例の恩師の原稿校正。
去年一校目が終わったと思ったら、2校目がしっかりと
やってきました。目下作業中。

ホント時間がかかるの。
どうしてか、といえば、単に文章の訂正では
ないからなんだ。
原稿ををよく読んで、まず、これは一体何が言いたいのか、
ということを読みとって、文章を直していかなくちゃなんないから。

あのね、たまにいるんだけど、文章を書く速度より
思考のほうがどんどん先に行ってしまう人。
だから文章を書き始めたときはAのことを考えて
いるのだけど、思考のほうはBへ行ってC,D、
ときている。だけど、文章を書く速度からいけば
Aの段階。 で、文章はちゃんと述語でもって
締めないと意味が通らないのだけど、締めようと
する時は、思考ははるかかなたに行ってしまって
いるために、最初の出だしと、締めの部分の
対応ができていない、という文章が出来上がる。

なので、俺のやってることは主語に合う述語を
持ってきて、文章の脈絡をつけて、意味を明瞭なものにして
文章全体の構成を考える、ということをやってる。
なので、時間がすごくかかるの。

もう、先生のところに行って、口述筆記したほうが早かったかも。
ただね、どうしてこんな悪口ばっかり言ってて
どうしてやってるのか、といえば、文章はひどいんだけど
内容はすばらしいから。

読ませていただいて、あ、これはこういう意味があったんだなぁ
ということが目からうろこ、というものが多々あった。
ただね、だからと言って、俺、この本の購入は決して薦めない。

たぶん専門書なので、すんごく高いお値段になると思われるのでね。
ええ。ひょっとしたら福沢さんが複数とか、
福沢さんと樋口のなっちゃんのカポーで
ひょいと飛んでいきそうだし、、。
なのでねぇ、、。


月曜のこととて、がんセンターに行く。
主治医は人の顔を見たら、すい臓がねぇ、
という。
今日、昼間、すい臓、ってぼんやり考えて
いたら、急に「ランゲルハンス島」っていう言葉を
思い出してしまった。
多分中学の時か、理科の第二分野で習ったなぁ、と。
それだけなんですが。意味だって忘れている。
ただすい臓→ランゲルハンス島は覚えておかなくちゃいけない
言葉、という刷り込みがあったためだろう。
昼下がり、ぼやーっとしていて
思い浮かんだ言葉がさぁ、
「らんげるはんすとう」って、一体、、(笑)


(今日聞いた音楽 アローン 歌山下達郎
ON THE STREET CONER から 音源は
LPレコード 1986年盤)


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Comments

 ランゲルハンス島・・・それは,北極海はタイミル半島沖合で海霧の彼方にかつて一度だけ見かけられたという幻の島・・・って,うそうそ
っ(笑)

 あの,あれですね,膵臓の中でインシュリンとグルカゴンという血糖値を調節するために正反対の働きをするホルモンを分泌してるって組織。
 同じ組織の中でまったく逆方向の物質を作るなんて,器用なヤツですよね!(笑)


 司書,学芸員に対する社会の理解のなさは,ひどすぎますね・・・まあ,文化の底が浅いとも言えるのかも。

Posted by: Ikuno Hiroshi | 09. 02. 16 at 오후 9:33

高校生の頃、市立図書館で書庫にしまってあるある本を出してもらうように頼んだんです。
そしたら、担当してくれた司書の方が「このテーマなら、こちらの本も参考になると思うので良かったらどうぞ」と関連する本を一緒に出してきてくれました。「司書ってこういうことをする仕事なんだ」と感じた出来事でした。
ちなみに、頼んだ本は学生運動についての本で、今になって思うとその司書の方は元学生闘士だったのかも知れません。

Posted by: mishima | 09. 02. 16 at 오후 11:41

---Ikuno Hiroshi さん
ランゲルハンス島の解説ありがとうございました。そんな働きをするものだったのですね。多分、理科の第二分野で習ったはずなんですが、すっかり忘却の彼方。かろうじて、ランゲルハンス島、という言葉だけ、痕跡のように残っている、というありさまで。きっと実用として使わないから、そういうふうに形というのか言葉だけ残っているんでしょうね。(だけど、実用の言葉となるのか? 笑)
 図書館、昨今の予算削減で、近所の公共図書館、行く度に講読雑誌の種類が減っていて、かなしくなります。利用が多いのだから、それは、役に立っているわけで、それをむやみに切る、というのはサービス低下、ということだと思うんですけどね。

Posted by: 謙介 | 09. 02. 16 at 오후 11:50

----mishimaさん
うーん。それはおっしゃるように、かつてその司書の方が学生運動に参加していたのかもしれませんね。(笑) それと、そういうふうに、プラスアルファもつけて、アドバイスしてくださる司書さんはやっぱりすごいなぁ、って思います。そういう司書さんがやっぱりプロの司書さんだと思います。

Posted by: 謙介 | 09. 02. 16 at 오후 11:56

 学芸員課程の履修者は減っているそうですよ、就職ないですもの。専門もありますから司書より状況は悪いんじゃないでしょうか。実際は資格取得のハードルをもっと上げたがってるようですが現実的にはちょっと無理じゃないかなぁ、という話ですよ。どちらにしろ景気が悪くなると真っ先に切られるところですよね、文化や芸術にお金をかけられないって本当に寂しい事ですが、きれいごとを言ってられる状況ではないのでしょうね…。
 大学の図書館が閉架式で、ちょっと中身を見てから検討したいなんてことは気軽にできなかった事を思い出しました。借りるのにも時間がかかりました。

Posted by: アリクイ | 09. 02. 17 at 오전 11:45

----アリクイさん
大学の時に博物館学を取っていたら、口の悪い友達に「どうすんのや。自分で展示されるために習うとんのか。」と言われた謙介です。そうでしょうね。図書館は、全ての市町村とまでは言いませんが、結構図書館を設置しているところはあります。が、博物館・美術館になると数が限られている上に、この不景気だと、維持管理費もかさんで、くると思います。それが設置した自治体のまた財政にのしかかって、ということになってるところも結構ありますよね。だから本当に学芸員の募集なんて、滅多にしかないと思いますし、たまにあったらみんな応募するからものすごい倍率になりますし、、。 でも不景気だから、お金がないからといってそういう施設を閉めてしまって、というのも、、もうちょっと何とかならないものか、と思います。
閉架の図書館、って、国会図書館みたいだったんですね。それは使いにくい図書館でしたね。 もうちょっと利用者の利便性ということを考えて欲しいですよね。最近は徳島県立図書館みたいに全面開架という図書館もできてきました。こうあって欲しいのですが。

Posted by: 謙介 | 09. 02. 17 at 오후 7:41

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