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09. 02. 02

ドラマのはなし2つ(その1)

土曜の晩、食事が終わって、実家にいた謙介は
ちょっとテレビなどつけて見ていたわけですよ。

そうしたら、NH○土曜時代劇「浪速の〇オガタコーアン
なんたらかんたら」、というのが映ったわけです。

オガタコーアン、と言えば、岡山の足守の出で、
大坂で適塾を開いた人ですね。
この適塾が次第にハッテン、あ、いや(笑)
発展して大きくなったのが阪〇の医学部。

なので今でも阪〇は、オガタコーアン先生を
学祖と仰いでいます。
で、時代は下り、この阪〇医学部を仮想して作られたドラマが
白い巨〇だったりするわけです。
だからオガタコーアン先生が適塾を作らなければ
財前教授も出てこなかったのかも。(笑)


さて土曜の晩のドラマです。
でも、オガタコーアン先生が捕り物の
片棒、、なんて、もうめちゃくちゃな設定やなぁ。(笑)

このドラマ、浪速のなんとか、というくらいですから
たぶんNH〇の大阪が作ってるんでしょうね。
見ていると近畿地方のあちこちでロケをしているのが
わかります。
31日のドラマも、奈良の薬師寺で撮影していたかと
思ったら、今度は場面が変わると、一転して
京都の大沢池が映りました。


大沢池。


前に謙介のサイト「百の扉」のほうで
1度ふれたことがあるのですが、
今日は大沢池のお話をします。

春4月ごろのことだった、かと。
桜も名残の桜で、まだ少し花が残っていた
ある月の美しい晩のことでした。
謙介の家に史学科の友達Mくんが遊びに
来たわけです。

「まいど。(なんだか、だぶるぴーすの陸くんみたいな
挨拶ですが。笑) どこか行かへん? 」
「行くいうて、どこに行くのや? 」
「ほら、だから、お月さまがきれいだから、月を眺めに、、。」
「それ、ええなぁ。」
「あ、そうしたら、Nを誘ったらええねん。あいつ、車持ってるし。」
「おお。ドライブ! 」

ということで、二人は双が岡の西、俺の実家からそう遠くなかった
Nくんの下宿に行くことに。
Nくんの下宿に行ったら、イン哲専攻の(インド哲学は
略してイン哲って言ってた。)先輩Oさんもいました。
「お月見お月見お月見。行こう行こう行こう。」
「うるさいなぁ、、分かった。」
「ドライブドライブドライブ。」
「じゃかましいわ!われ! 
ちっとは、黙っとらんかい! 」
「どらいぶぅぅぅぅ。」

ということで、謙介とMくんとNくんとOさんと
「あ、そうしたらついでにWさんも誘おう。」という
ことになって、5人のドライブは、スタートしたのでした。
口うるさい文系学科のおとこ、5人が乗ってるわけです。
もうその道中のやかましいこと。(落語でよく言う
「その道中の陽気なこと」なんていうような、かわいらしいものでは
ありませんでした。文系の弁の立つというのかうるさい連中が
5人も集まったのです。それはもう、やかましいったらありません。
「そうしたら、まず、どこ指して行ったらええねん。」
「吉野(奈良)!」
「長浜(滋賀)!」
「六甲山(神戸)!」
「どこでもええ。」
もうみんな口々に叫びます。
船頭だらけですね。まったく。
船頭が多くて、船なんてチョモランマの頂上まで
登りそうです。

「分かった。ほんなら、嵐山。」
「えええええええええ。あらしやまー。
そんなんやったら、行き先聞くなや! 」
「やかましい。」
ということで、行き先は奈良でもなく神戸でもなく
滋賀でもなく、同じ京都市の右京区内の嵐山に
なってしまいました。」

車は新丸太町通りを西に走ります。
突然、Nくんが言い出したのです。
「なぁ、戦闘機乗りに行かへん。」
「え? 」
「あそこ、外から入れるし。」

そのころ、嵐山に嵐山美術○という施設が
ありました。(まんまやないか。)
で、そこは、第二次世界大戦中の
日本の戦闘機を集めて、展示をして
いたのです。(今はもうありません)
そこの屋外展示されていたのに乗ろうという
ことらしいのです。
「それ、おもしろそうやなぁ。」
と誰かが言いました。
「行こう行こう!」
勢いで衆議一決です。(ほんまに、、、。)

今もありますが、嵐山駅近くに嵐電の立体交差の
ガードがあるのですが、その脇に車を停めて、
晩の美術館に入ったのでした。
飛行機は置いてあります。
「わぁ、かっこええなぁ! 」
「俺も乗る~~。」
世間は夜中の1時ごろです。
ひとしきり交代でみんな乗りました。
「次はどこ行こう。」
「お月見お月見お月見。」
「うるさい。分かった分かった。」
「どこ行くの? 」
「そらお月見と言えば、大覚○やろ。」
ということで、われわれはその道路を今度は北に直進して
大覚○に行ったわけでした。

大覚○の東側にあるのが大沢池なわけです。
ここは、中国の洞庭湖を模して作られた人工の湖(というか池)
です。大覚○は夜中ですから当然入れません。
ですが、池のほうはそんな柵なんてありません。
岸辺に行きました。
そこに屋形船が1艘もやってあったわけです。


Osawapond


(写真では2艘ですが、あの時はひとつだけでした。)
「乗ろか。」と誰かが言いました。
「お月見お月見♪」
そうして、屋形船のもやい綱を外して、さおで
池の中ほどまで漕ぎ出したのでした。
イン哲のNくんは謡をするので、屋形船が
池の中ほどまでくると、謡をうたいはじめました。
空には月。屋形船に乗って、それはそれは優雅な春のよ、、、
いになるはずだったのですが、アコギで優雅な時間は
そう長くは続くわけがありません。


程なくして夜警の人に見つかってしまいました。
(そりゃ見つかるわ。池の真ん中で夜中に謡を
うとうてたら。)
夜警の人が、懐中電灯で船を照らしました。
みんな、さっと、伏せます。
その早いこと。

「どうしよう。」
「退却や。」
「どうやって、、、」
と言う間にMくんが作戦を考えました。
「あのな、この池の北東のほうに一回
漕いで岸に近づけるねん。」
「ふん。」
「そうしておいて、今度は一気に南西方向に
船を漕いで、岸につける。それしかあらへん。」
「うまいこと行くやろか。」
「それしか方法はない。」
「櫓は2つ。あ、竹の棒があったわ。」
「この3つで全速力や。」

そうと決まったら、Mくんの言うようにします。
まず、屋形船を北東の方向に漕いで、
夜警の人をそっちに引き寄せます。
懐中電灯で顔を照らされましたが、みんな必死です。
そうしておいて、もうちょっとで岸に、というところで、
今度は南西方向に船を漕ぎます。
もうみんな必死のかりこで漕ぎました。
船が最初は思ったほど進まず、みんな焦りまくりでしたが
やがて勢いやら加速度がついて、早く進むようになりました。

岸がだんだん見えてきました。もうちょっとです。
もうちょっと。夜警の人の懐中電灯はまだ遠くのほうで
チカチカ光っています。
もうちょっと。この数十メートルがどれくらい
長く感じられたことか。
やっと岸に着きました。
船から飛び降り、みんな走って車のほうに。
エンジンをかけて車は
走り出しました。
大覚○はみるみる遠くなっていきました。
「あーあ、焦ったなぁ。」
「せやけど、おもしろかったわ。」
「またやりたい。」
「お前だけ行け。」

口々にわぁわぁ言いながら、今度はまた
途中の広沢池でお月見です。

すっかり春の宵のお月見を堪能
して、再び家に戻ってきたのは、
さて、春の夜もそろそろ明けかけた頃だった
でしょうか。

そんなことが大沢池であったわけです。

で、そのドラマを見ながら、そんなことを
思い出していました。

ドラマは、引き裂かれた異国人の兄妹の
話です。哀しいお話でした。

ドラマの物語を見終えて、
しみじみと終わるはずだったのに、謙介は
最後のエンドロールに来て、
あははははは、と笑ってしまいました。
もう大笑いです。
哀しいお話はどこへやら。


何が爆笑かと言って、このとき屋形船で
逃げ方を立案したMくんが、
そのドラマの時代考証を担当していたのでした。


あいつ、どんな顔して、このドラマの打ち合わせ
してたんやろ。


おそらくはクソ真面目な顔をして
スタッフからの話を聞いていたに違いない。(笑)
やかたぶね? え? なんのこと? とか。


遠く春の宵の霞のかなた
今ではもう昔のお話です。

(今日聴いた音楽 果てなく続くストーリー 歌MISIA
 2002年盤)


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Comments

 まぁ・・・けっこうわやしてはりましたんどすなぁ(えーかげんな京都弁 笑)

 船がチョモランマにのぼらなくて,ほんとにようございました(笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 09. 02. 02 at 오후 8:40

---Ikuno Hiroshiさん
はい。まぁ若気の至りというやつですね。
まったく、晩に何をしていたのやら。
でも、今ではみんな、分別くさくなってしまって、「へ? 屋形船? 何のこと? 」というような顔をしています。(笑)

Posted by: 謙介 | 09. 02. 02 at 오후 10:43

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