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08. 12. 08

後背地

実は、今回、「仙台に行っておくれんかなもし。」
と言われて俺が仙台に行くのを強硬に反対しなかった
理由は、実はひとつにあることを考えてみたかった、
ということがありました。

それは何か、というと、前に長野に行った時にも
感じたのですが、やはり、甲信越とか東北地方というのは
東京という都市にすごく大きな影響を与えているのでは
ないか、ということです。

そう書くと、逆じゃないか、東京が、甲信越とか東北に
影響を与えている、でしょ? ということなのですが
そういう表面の事情ではなくて、
人の流れです。
とりあえず今、東京に住んではいる。だけど、何代か
さかのぼった時、どこから来たか、と問われたら、東京に
住んでいる人の出身で、やはり東北とか甲信越、
っていう人がすごく多いのではないか、
と。

人間の毎日の暮らしって、変わっていく部分と
どうしようもなく変わらない、部分ってあると思うんです。

謙介は幸か不幸か民俗学を少しかじったので
いろいろな地方の比較、っていうことを見ようと
します。そうして東京の人を見ていったときに
やはり、東北とか甲信越と言った場所の影響は
大きいのではないか、と何となく考えたわけです。

やっぱり謙介は言葉の人間なので、いろいろな
ところで、人の話す言葉をじっと聞いています。
その言い方は明らかに間違いではあるのだけど、
じゃあ、その人はどうしてそういうふうに間違った
言い方がその人の中に固定されてしまったのか
前に「ガチムチ体系」のところでお話したかとは
思いますが、体系は明らかに間違いです。
身体の形なんだからそんなもの
体形でなくてはならないはずです。
どうして間違えたか、そういう推理をしたり
します。


たとえば、最近よく聞く言葉で、俺としてはすごく
抵抗のある言葉に「がっつり」というのが
あります。
最初、この言葉を聞いたとき、何だこれは、
と思いました。「がっぽり」ではないのか。
「がっつり」って何? って思いました。

遣ったことのない、表現だったからです。
それもそのはずで、この方言、北東北から
北海道の言葉だったんですね。
あ、そりゃ知らんわ、と思いました。

それから今はもう定着しつつありますが、
「ド・ラ・マ」と発音した場合、本来の東京の
アクセントであれば、「ラ」をあげて発音してものが
最近は「ドラマ」と全部同じ高さで言います。
これも関東北部のアクセントです。
東京のアクセントではありません。

こういうふうに東京の周辺、後背地として
東北っていう場所が知らず知らずの間に
影響を与えている部分があるのではないか、
そんなことを確かめたかった、ということも
ありました。

とはいえ、一日や二日、それも仙台だけ行った
ということでは、実態がきちんとわかるはずなど
ありません。

しかし、悠太さんと帰ってからのメールのやり取りの
中でそんな話が出たり、東京でb-minorさんと
会って話をしているときに、そんなことが話題として出ました。
悠太さんはやはり東北は東京の影響が大きいという
ことをお話でした。そうでしょうね。東北の出身者が
多ければ、必然的に東北との結びつきは強まって
両方の場所が影響を及ぼしあうようになるのは
自然なことだと思います。
仙台からの帰り、MAXやまびこだったのですが
福島から隣の席に座ってきた母娘の親子づれは
荷物もほとんど持っていなかったようですから、
福島から東京日帰りで遊びに行ったのでしょう。
そんなふうに気軽に東北から東京へ、
という人の流れが明らかにあると思いました。

b-minorさんも、東京に暮らしてみて
やっぱり東北の影響って
大きいですよ、ということを話してくださいました。
b-minorさんは、その証拠に「しょっぱい」という言葉を
あげて説明してくださいました。
「たぶん関西だと普通にからいというでしょう。
でもこちらは、しょっぱいなんですよね。」と。

そうでしょうね。関西だと普通に「塩からい」と言うでしょう。
「塩からい」という言い方は標準語の言葉としても
文法的には言えるはずです。でも「しょっぱい」のほうが
よく耳にしますよね。


半日ほど時間があったので、両国にある江戸東京博物館
に行きました。
そこで思ったのは、やはり江戸にしろ、その発展した
東京にしろ、新しい街なのだ、ということでした。
西日本の都市にあるそういう歴史博物館に行くと、たいてい
展示の最初は縄文以前の時代からはじまります。
奈良時代の木簡とか、仏像の展示があって、源平の争乱が
あってやがて中世になって、安土桃山から室町とあって、
そうしてようやっと江戸の
近世の展示になってきます。

確かに江戸・東京博物館は東京の江戸開府から以降
の展示に絞ってありますが、逆に言えば、それ以前は
はっきり言ってしまえば、そこまでさかのぼると、
めぼしい展示物がないから、ということもあると思います。

日本のいろいろな地方から来た人たちが集まってきて
江戸という都市を作り、東京になった。
やっぱりそういう意味で江戸にしろ、東京にしろ
近世以降の街なのだ、ということを
展示物を見ながら思いました。
やはり、そうした東北とか甲信越の影響っていうのは
大きいんじゃないか、ということは
思いました。
でも、これはあくまで、感想ですからね。
もうちょっといろいろと調べたりしてみないとなぁ、
ということも思いました。
そんなことを仙台を歩いて、東京を歩いて
感じていたのでした。


            ×        ×


週末、実家に戻って、近所の委佐子の店に行く。
なんとバナナが以前の1グラム9円に戻っている。
バナナダイエットのブームなんてあっという間だったねぇ、と
オフクロと話をする。
このところ一時狂乱物価っていうような感じだった
ものの値段が前のように落ちてきている。

ガソリンも、高知では何と、99円とか。
この辺は、それでも109円くらい。
一時の179円に比べたら、70円も
下がってきた。

経済のお評論家の解説、
世界人口の増加、なんて言っていたけれど、
何が人口の増加による需要増だよ。
そうしたら何か? 去年から今年にかけて
急激に10億くらい人口が増えて、また30億
くらい人口が減ったのか?

金曜辺りから
ずっと風邪気味。
今日の診察の時に、風邪っぽいんです、
と言ったら、風邪薬だの
うがい薬だの、トローチだのと
いろいろ処方してくれた。
がんセンターで風邪薬、という患者も
あんまりいないような、、。(笑)


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Comments

東京で一番多いのは北海道出身と聞いたことがあります。「ご注文の方、○○でよろしかったでしょうか」という言い方は北海道の言い方らしいですし。東北出身の方も多いのでしょうね。私は竹千代君が預けられた今川菩提寺の町出身ですが、ちょうど関東と関西の中間でどちらともいえないことばの地区です。関西弁ではありませんが、アクセントは関西式。名古屋とも違います。東京にも出身者は多いらしいのですが(かなり上位だそう)県民性がのんびりしているからか、あまり同郷で固まってふるさとの習慣を懐かしむということをしないらしいです。
夫の母はずっと東京で、私は本当に「ひおしがり」(潮干狩りのことです)と言う人に初めてお目にかかりました。
お風邪をひかれたとのこと、風邪なんてと馬鹿にしたらいけません、暖かくして早くお休みください。

Posted by: アリクイ | 08. 12. 08 at 오후 11:19

こんばんは、あまりにも可愛らしいひこにゃんにテンプレに、アレ?ここはどこ?間違えたかしら・・・と(笑)師走の疲れも吹っ飛びました、ありがとうございます。
私は理系人間でして、小学校の時から「社会や国語って何で勉強しなくちゃいけないの?国語は本を読めばいいし、社会は地図が読めればいいじゃない」と思っていました、横柄にも。
でも、謙介さんの記事を読んでいると、勉強しておいた方がいい理由がなんとなしに分かってきた気がします(感覚的な言い回しですみません)。何十年かかってるんだ?ってお話ですが。
仕事で人に会う機会がありますが、半分くらいの割合で苗字のお話になります。この苗字は東北のどこどこ地域にしかないんですよ、信州の●●地方の発祥で・・・とか。苗字でその人のルーツの地が分かるというのも面白いですが、そういえば私の出会った人達は東京より北の地方が多いです。
お風邪、早く治りますよう、水分をこまめにとって栄養あるモノを食べてしっかり休んでください。

Posted by: 百 | 08. 12. 09 at 오전 1:14

そうですね、この「しょっぱい」ですけど、日常でもテレビでもほんとうによく耳にする言葉なんですけども、いわば江戸っ子といわれる昔からの東京の人(ご高齢の方々ですけど)は決して使いません。使わないというよりも、この「しゃ・しゅ・しょ」という音の言葉は東北の田舎の発音ということでちょっとそのあたりに昔の東京人は抵抗があるみたいですね。そしておしなべてそんな方々はみなさん見事に「東」が言えません。上の方も書いていらっしゃるように「しがし」となります。うちの会社にもそんな神田生まれの生粋の江戸っ子おばさんがいるんですけど、彼女は自分の息子の名前「ひろゆき」が言えずにいつも「しろゆき」って言ってるんですけど(笑)ずっと以前に学校からも帰ってくるその息子に置手紙を書くことがあった時におもわずいつもの話し口調で「・・・しろゆきへ」って書いたそうです。呼びかけだけならまだしも実際に自分の名前を間違って書く親なんてとその時ばかりはさすがにその息子さんが嘆いたと言っていました(大笑)。あ、ちなみに、福岡(博多)ではタ行濁音が言えないので、「角のうどん屋」が「かろのうろんや」となります。これはかわいくて好きです。

Posted by: b-minor | 08. 12. 09 at 오전 9:21

わーい、ひこにゃんだ~(◎´∀`)ノ
と、それはさておき、風邪にはお気をつけ下さいね
インフルエンザはもっと怖いのですが、ついついタイミングを
逃して、予防接種にいけないままです
うちは高齢者が二人いますから、怖いんです

Posted by: mishima | 08. 12. 09 at 오전 10:17

----アリクイさん
 やっぱり、そうでしたか。
東京って、やはり「北」の都市の影響が大きいように
思っていたんですが、、。そうした基層の部分に
影響があった、と見ていいのかもしれませんね。
そういえば、前に三重の津に行ったんですが
あそこって、関西と中部が混在しているんですよね。
近鉄線の沿線なので、関西の文化もあるんですが
その一方で家の建て方とか見ていたら、名古屋風で
中部圏の雰囲気があったり。
そういう「風土」っていうことをあまり言わなくなって
きてはいるんですが、やっぱり、みんな自分の育った
ところのベースは色濃く持っているでしょうから、
そうしたものが知らず知らずの間に相互作用で
影響を及ぼしあっている、ということはあるように
思うんです。お話ありがとうございました。

Posted by: 謙介 | 08. 12. 09 at 오후 6:53

----百さん
いい歳したおっさんがひこにゃんかよ、というのは
あったんですが。(笑) ココログって、こんな
テンプレートもあったので、ちゃんと保存をして
おいた、ということです。(笑)

そうですね。「姓」というのは、地域差が大きいですね。
東北は結構佐藤さんという名前が多いと聞いたことが
あります。大好きな作家で高橋和巳という人がいたのですが
その高橋さんの実家の近くに以前同僚が住んでいて
聞いてみたら、もうその辺は「高橋さん」ばっかりよ、
ということでした。

人文科学系の学問って、なかなか成果というのは
出ませんし、出てもあんまり画期的でもない(笑)
ので、結論もなんだか、「もやもやっとして」います。
けれども、人間はやっぱり感情の生き物なので
「その日の気分次第で結果が変ってくる。」という
こともあるように思うんです。いろいろな事故とか
事件のルポルタージュなんか読むと、前日に
家族にこう言われたばっかりに、行動が変って、、
なんていうようなこともあります。
そんな中で人の気持ちとか心の動きを見て
人間って、どういうふうな生き物か、っていうのを
考えることもまた大切なのではないかなぁ、って
思うんですよ。
文学が、とか哲学がとか思想がなんて高所から、
ではなくて毎日の生活の中でこんなことがあった、
じゃあ、これはどうしたことだろう、っていうような
ことをきっかけに人間の気持ちとか心の動きを
見て行きたいなぁ、って思います。よろしかったら
どうぞお付き合いください。

Posted by: 謙介 | 08. 12. 09 at 오후 7:04

----b-minorさん
お話を伺って、前に生粋の東京生まれのおばあさんが
「火鉢」が「しばち」と発音していたのを思い出しました。
江戸っ子は、「ひ」が「し」でしたね。
東京でも地域によって、本当に言葉が違いますよね。
大阪も、市内の船場と郊外の岸和田では全然
言葉が違います。
河内も「たちつてと」がうまく言えずに「らりるれろ」に
なるところがあります。「淀川」が「よどがわ」ではなくて
「よろがわ」になったり。そうそう「うどん」も「うろん」です。
同じ大阪でも逆に「らりるれろ」が「だぢづでど」になる
地域もあったり。
そういう言葉から文化の影響を類推したり、っていうのも
結構おもしろいと思います。
今回のお話は、b-minorさんがテーマを与えてくださった
ようなものです。本当にありがとうございました。

Posted by: 謙介 | 08. 12. 09 at 오후 7:14

----mishimaさん
たぶんね、mishimaさんに一番受けると思ってたんですよ。(笑)
薬もいただいて、処置も早かったようで、幸い大事に至らずに
何とか、と思っています。とはいえ、これからが風邪の季節ですね。毎日お茶でうがいをしたり、手洗いをやっています。
病人が言うのもなんですが(笑)どうぞmishimaさんもお気を
つけください。ありがとうございました。

Posted by: 謙介 | 08. 12. 09 at 오후 7:17

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