雑誌あれこれ
物持ちのいい謙介さんは
ごそごそと本棚からこんなものを
引っぱりだしてきましたよ。
今も発売されている雑誌、ポパイの創刊号です。
今ではマガジンハウ○と名前が変ってしまいましたが
当時は平凡出○という出版社名でした。
発行は1976年8月。32年前の夏のことですね。
目次はこんな感じです。
この雑誌から、一斉に「西海岸」だの「ウエストコースト」っていう
言葉がやたらはやるようになったんじゃなかったか、と
思います。
なんで謙介がこんなものを持っているか、
っていうことなんですが、実は大学の時に
先輩の卒論のお清書をしたわけです。
当時はワープロとかなかったし、、。
で、そのお駄賃として、ポパイの創刊号から
100号までを一括して全部くれたんですよ。
それで、全然おしゃれでなかった謙介の手許に
このポパイの創刊号があったりするわけです。
ところで。
今度のアメリカの大統領に就任予定のオバーマさん
現職がもう情けないのを通り越したひどさだった
から、その反動で何かやたら期待先行に
オバーマオバーマの大合唱になっていますね。
だけど謙介は、かつてジミー・カーター氏が大統領で
出てきたときのことを重ねてしまうんですよ。
あの時も、「今までとは全く違う」「変わる」「変える」
ってわぁわぁ言ってましたし、世界中ものすごい不況で
アメリカでも生活苦で喘ぐひとたちがたくさんいました。
ところが期待を集めたカーターさん、就任してから
問題があれこれ起きて、その対応がまずくて結果、
やることなすこともう散々な言われ方で、
人権外交を推し進めたために
弱腰だの、あんな外交ではあかんだのと散々言われた
挙句に、再任すらされなくて、4年で
追い出されようにホワイトハウスを去らざるを
得なかった大統領です。
最初の期待はすごかったんですが、、。
最後はもう、辞めてくれてよかった、とか言うような
言われ方で。
むしろ、大統領を辞めてからのほうの
活躍のほうがみんなから評価されていたりする。(笑)
今度のオバーマさんも
あんなふうに、なりはしないか、と杞憂をしていたり
します。
さて。
雑誌のタイトル、「POPEYE」は、マンガの主人公の
ポパイへとすぐに頭が行ってしまいがちになるのですが、
実は、「POP」な「EYE」という意味もそこに
隠されています。
つまり「今を見る眼」という意味ですね。
そうした意味もこめての雑誌「ポパイ」だった
ということですね。
しかしまぁ、この雑誌特集がカリフォルニアで、
中身はぜーんぶアメリカの西海岸。
UCLAとか、サーフィンとか。
もうねぇ、この雑誌がきっかけで、当時の若者の
ライフスタイルというか、合言葉になりましたですね。
俺、あのころ、京都に住んでいたのですが
京都の街中を、サーフボード、車の屋根に載せて
走っている車をたくさん見ました。
ああいうの、陸(おか)サーファーって言うんだ。
って後から聞きましたけど。
ええ。四国の徳島とか、高知とかそういう
サーフィンに向いた場所に行く、のであれば
そういう車もありかなぁ、とも思うのですが、
「どないして、中京区の四条御前通でサーフィン
するねん? 」って。(笑)
そんなアホみたいな流行もこの雑誌が元で
出てきたりしました。
世の中、もうずーっと不景気で、それも日を追うごとに
ひどくなってきているような現状ですよね。
こういう不景気な状況ですが、
廃刊される雑誌もあるけれど、
不思議なことに、雑誌の新刊の創刊は
相変わらずあるようです。
このポパイのおっさんバージョンが作られるとか
作られないとか。
だけど、そもそもがポパイのおっさんバージョンを作る、
っていう目的でブルータ○を作ったはずでしょうに、
そっちはどうするんでしょうね????
ちょっと疑問に思っています。
謙介はやっぱり文字を気にする人間なので
雑誌の名前も気にして見ています。
本屋さんに行ったら、男性向け雑誌、女性向け雑誌
を問わず、ジャンルも問わず、全部見てしまいます。
だっておもしろいんだもの。
ノンノはアイヌ語で「花」。
JJは「じょせいじしん」の頭文字。
そんな中で謙介が
最近目を離せないでいる雑誌が
あります。
それはこれです。
なんだ「暮らしの手帖」じゃないか、って
言うあなた、最近、この雑誌見ました?
ちょっと前から編集長が変って、
変ったとたん、この雑誌、すごく良くなって
きました。
それまでは何か惰性で作っている雑誌、
っていう感じだったんですが、
ケンタロ○にカレーを作らせてみたり、
近くの街をぐるぐる歩きまわる紀行を
載せてみたり、センスがよくなりました。
それから、
俺の病気の記事が載っていたんですが、
その記事、誰が書いたか、がわかんなかったんですよ。
「それで、病気のような命に関わる記事に書いた
人間の署名がないのはおかしい。
記事に書いた人と写真を撮った人の
責任表示を入れて欲しい。」って、俺、暮らしの手帖の
編集部に注文をつけたんですが、そうしたら、
次の号から、全部の記事に
誰が書いて誰が写真を撮ったか、
っていうクレジットがちゃんと入っていました。
だから、っていうことはないんですが、
この雑誌、ずいぶんと良くなりました。
雑誌って、単に記事を集めてきて載せるだけじゃ
ないんですよね。どう見せるか、どういう
視点で書くか、読者のちょっと先を行く
という距離で記事を書かなくちゃいけない。
その「ちょっと先」っていうのが
大切ですよね。うんと先だったら
読者はついてきてくれませんし。(笑)
そういうセンスが良すぎて走りすぎて
雑誌が売れなくてこけた、っていうのも
結構ありますから。
その辺の距離の取り方も難しい。
そんなことを思いながら、
また、新しい雑誌、おもしろそうな雑誌は
ないかしらん、って、謙介は今日も
本屋さんのコーナーであれこれと眺めているのです。
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Comments
なつかし〜、「ポパイ」
ポパイそういえば、最近見てない。細胞の今より新しい時は、よくみたけど…。僕の場合、ターザンが創刊したら、当時、そちらを買うようになりました。
昭和は、小脇に当時の流行の雑誌をかかえて電車に乗るってのがお洒落で粋だったりしましたよね。今は、携帯をもくもくと見ていたりうっていたりで、ちっとも粋じゃないですね。
「暮らしの手帖」が変わってきてよくなってるのですね。今度、見てみます。
僕は、雑誌を見るときに、記事や写真も見るけど、イラストレーション(絵画)などを見ます。
素敵なアーティストを使う雑誌が減って、CDロムのやすぶしんな著作権のない大量データ、イラストで仕上げちゃう雑誌が増えました、よいイラストを使っている雑誌は、それだけ売れてるんだろうけど、すごくいいって思う雑誌は、なくなってしまって残念に思う今日この頃です。
難しい時代に生きることになりました。5年もしたら、どんな状況になってるんでしょうね、日本の政治の舵取りも、なんだか、へなちょこですし…。
Posted by: holly | 08. 11. 19 PM 9:03
ノンノってイタリア語で「おじいさん」て意味になるので、わざとハイフンいれてNON-NOにしたって聞いたことがあります。
懐かしいお話ですね。女の子はオリーブっていうのもありましたね。ファラ・フォーセットみたいなヘアスタイルがはやりました。あぁ年がばれる…
Posted by: アリクイ | 08. 11. 19 PM 10:40
---hollyさん
懐かしいでしょ。(笑)そういえば、
magazine for city boy's なんて言う
キャッチコピーも後でついてましたよね。
シティボーイズ、なんていう言葉も
流行った時期が。(笑)
雑誌って、やっぱり、その時代を映して
いるから、過ぎ去ってしまった後で、
バックナンバーを見たら、「あれま。」
って驚くようなことがあるのでしょう。
最近の雑誌、お話のこと、すごくよく
分かります。何か雑誌のポリシーというか
志のようなものがなくなっていて、
安易に他の企業のタイアップ記事だったり
本当のことは違うのに、宣伝のことが
あってでたらめが載ったりしていますよね。少しなら宣伝とか経営戦略のことも
あるから、とは思うのですが、時々あからさまにそういう宣伝臭のきつい雑誌が
あって嫌になることがあります。
暮らしの手帖、別に広報委員でも
ありませんが、それなりによくなって
きています。是非、一度見てください。
Posted by: 謙介 | 08. 11. 19 PM 11:21
----アリクイさん
そうでしたそうでした。女の子の雑誌でOliveありましたよね。何かレイヤードとか聖子ちゃんカットとか、、。あ、墓穴を掘ってしまった。(笑)
Posted by: 謙介 | 08. 11. 19 PM 11:23
僕が「なつかし〜」のは暮らしの手帳です(笑)
在りし日の祖母さまが定期購読してたので,夏休みなどに帰省する度にまとめて読んでました(どーゆー十代だよ 笑)
雑誌の興亡史って,きちんとまとめたらそれだけでもう社会史ですよね。
Posted by: Ikuno Hiroshi | 08. 11. 19 PM 11:26
「暮らしの手帖」は僕も好きですよ
買いはしませんが、本屋で並んでたら絶対立ち読みします(゚ー゚;
文体が丁寧語で、ゆったりした時間が流れている感覚が好きです
Posted by: mishima | 08. 11. 20 PM 4:15
---Ikuno Hiroshiさん
暮らしの手帖が低迷したのは、やっぱり世代交代ということを全く視野に入れてなかった、っていうこともありますよね。若い新しい読者に響くような記事が全然なかった。最初つかんだ読者をずーっと引っぱっていって、、で、ジリ貧に、、っていうこともあったですし、同業他誌で商品テストなんかするようになったりしたので、暮らしの手帖でなければ、というものもすごく少なくなっていたかのように思います。それとポリシーがありすぎで、その自己主張が快い、ととる人と、うざったいってとる人もいるでしょうし、、。そういうことで何だかおばあさん雑誌になっていたのですが。(笑) それでも、やっぱり永年の読者は、変ったのが、嫌でたまらなかったらしく文句が山のように編集部に来たそうです。はてさて、おばあさまでしたら、どんな感想をおっしゃったでしょうね。
Posted by: 謙介 | 08. 11. 20 PM 11:01
---mishimaさん
上のIkunoさんにも少し書いたのですが、そのゆったりとした感覚がお好き、っていう人には、この雑誌って魅力に映るのでしょうが、バタバタとしていたり、活気があるのがいい、っていう人にはまだるっこしくて見ちゃ居られない、っていう方向になるんでしょうね。その辺の兼ね合いが難しいですね。今、自分も含めてですが生活の中でゆったりとした、とか、ゆるやかな、っていうのがなくなってきているじゃないですか。そういうのこそ、大切にしないといけないことのように思うんですが、、。
俺も、この雑誌のゆったり感が好きです。
Posted by: 謙介 | 08. 11. 20 PM 11:05