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08. 05. 19

おっさんの心理学

このところ更新をお休みしていました。
ご報告かたがた、その間のことを
書きます。

5月12日の月曜日、がんセンターの検診の日
この日は、超音波で内臓の状態を見る日だったのだけど、
調べてみるとすい臓が腫れて大きくなっている、
ということが分かった。それとともに、肝臓の状態を
チェックする数値が、前々回、前回と続けて、
悪化している、という話があった。

実際、このところ、身体の状態があまり良くはない。
仕事が終わって帰ると、ぐったりしていて
正直何かをしようとするのに、ものすごく
決心がいる。え、っと、って優先順位をつけて
これとあれをとりあえずしよう、という感じでよろよろと
立ち上がって家事をする、という状態。

そうことも今、あるので、診察になったとき、
俺は思い切って訊いてみた。

「今、どれくらい悪化しているんでしょう? 」
と訊いたら、「7割くらい悪化している。」とのこと。

思わず正直に「え、そんなにですか? 」
って言ってしまった。自分の中では「悪くて5割くらい。」
って思っていたので、7割というショックは大きかった。
結構ひどい状態なのだ、と改めて思った。

今の医学では、俺の病気は治しようがないから、
(薬がうまく効いて治る人も居はするのだけど、俺の場合は
過去に3度、その時期に一番最新の効き目の高い、とされる
治療法を試みたけど、ダメだった。)
なので、病気が治る、ということは今の医学では無理。
そういうことなので、出来ることとしては、今のこの状態を
現状維持として、どこまで保てるか、という
ことに治療の軸足がうつる。 
主治医の言うように、7割程度悪いとして
この状態を、これから後、さらにあまりひどくさせずに、
いつごろまで持たせられるのか、ということが
やっぱり知りたいと思った。


いつもは結構、あれこれと説明してくれる主治医の
話が、ちょっとあいまいで分かりにくかったので、
はっきり訊いてみた。

「後、俺、どれくらい、持ちそうなのでしょう? 」 
「今の状況では、はっきりどれくらいか、という
時期はいえない。」とのこと。前に訊いてみた
ときもそんな答えだったなぁ、、。「ただ、まぁ、今日、明日、
という切迫した状態ではないから、安心して欲しい。」

でも、さっきも言ったように、よくなることは、この先
画期的な治療法でも見つからないかぎり、難しい。
「先生、2、3年先、っていうこと、計画して考えても
いいですか? これ、気休めとかで答えないで、
ちゃんと言ってください。」
「わたしは、いつも真剣だよ。」

俺の言い方があまりに性急で、礼を失していた訊き方
だったから、(先生すみません。ここで謝っておきます。)
さすがの先生もちょっとムッ、としてたけど。


でもね、俺としても、それが分からないと、
自分なりに、この仕事は最後まできっちりしたい、ということ
だってあるし。たとえば○○については、まぁもうあきらめよう、と。
その代わり、△△のことは、自分なりに最後までして決着をつけて
しまいたい、っていうようなことが自分の中であるからさ。

まだ、それでも俺の病気の場合、
急に悪くなることはない、というのが救い、だと思う。
それから、専門のお医者さんについて、きちんと追跡
できていて、自分の身体のこともある程度は分かっている、
というのだって、かなり恵まれた状況なのだ、と思う。

とはいえ、決してよくはならない病気だし、近い将来
やはり期限が来るという現実はあるから、(主治医は
前にそう言った。 「必ず」 悪くなるから、って。)
このことは、いつかそのうち、、、やりたい、なんていう
のんびりしたことも言えないし。


先のことはわからない、とは言え、自分の中で優先順位を
つけて、どうするか、とか考えないといけないなぁ、
と考えはじめた。
自分はこの先何をしたいのか、どこまでできたらよし、と
するのか、というような先のことを考えはじめると、
やはり正直、晩も寝られなかった。

もともと、あまり調子のよくなかったこの時期に
そんなことも考えはじめたものだから、
ブログの文章を書く、ということなんて、とてもできなくて
それで、更新もせずにずっと放置状態に、
ということになってしまった。


この間、そういうふうに思うことが多々あったので、
どうしたものか、と思って、大学の時にお世話になった
発達心理学の先生にちょっと電話をしてみた。
「センセイ? 」
「どうしたんや。悩みか? 」
「分かります? 」
「分からいでか。そんなもの。」


センセイにここ数日のまぁいろいろなことを話してみた。
「はぁはぁ。それは、けんすけくん、あんた、病気のことも
確かにあるけどそれは今、転換期にさしかかってきた、
ということやねぇ。」
「転換期? 」
「そうや。今まで思ってたこととか、考えてきてたこと、
これでええのか、って考えはじめる時期、と言ったらええかな。」
さすが心理学の先生、的確に俺の変化を言い当ててくれた。
「あ、そうなんですよ。転換期、というのか、まぁ状況が
今までのようなままでいることを少しずつ許さなくなってきている、
というか、これまでの方法だと、いろいろと不都合なことになる、
ということが分かってきました。」
「そうか。,,,,,,,それは大変やなぁ。」
「何か、そういう時期を乗り切るのに、
参考になるような本とかあります? 」
「そうやなぁ、、。」
と言って紹介してくれたのが、下の雑誌。


Hattatsu

「先生、発達心理学って、小さい子どもが、次第に成長して
大人になって行く過程を研究するのがメインって思ってました。
おっさんの心理もするんですか? 」
「おっさん、、って、あんた。」
「いや、まぁ、大人の人の、心理学、っていう。」
「そりゃ、そうよ。人間、いくつになっても悩みも迷うこともあったりする
わけだから。それに最近やっと発達心理学のほうもそういう研究が
なされるようになってきてね。一生の中でのさまざまな場面で、
っていう研究がされるようになってきた。」ということらしい。

現に悩んでこうして電話をかけている自分もいるわけで。
ほかに何冊かの本を紹介していただいて、電話を切った。


今。思うと、20代のころの悩みって、自分の中の悩みが
中心だった。自分って一体どういうもので、どうしたいのか、
っていうようなこと。
それが、だんだん歳を経てくると、家族のことも出てくるような
話になったりする。 俺の周囲なんか親の介護とか、
そうしたことを含めて、親の世話をどうするか、とか
家族としてどうするのか、そういうことの選択をどうするか、
っていうようなことが、話に出てきたりする。
自分のこと、というより、自分を取り巻く周囲と、自分の関係。
その中で、自分はどうしたいのか。自分はどうしなければ
ならないのか? それが全部軽々に答えの出ないような
大きな問題ばかりでね。

そんなことだって当たり前に問題になってくるしね。
まぁ、そういうこととか、自分の身体のことを重ねあわせて
考えると、すごく気の重いことになってきてね。

時々、カウンセリングについて、人の話を聞いていると
考え違いをしているような人がいるような気がする。
カウンセリングを受けると、カウンセラーの先生が
あなたの今の状況はこうこうです、って解説してくれて
気が晴れる、のがカウンセリングだ、って思ってる人が
時々いる。

カウンセリングってあくまで、自分の内面を見つめて
自分の今はどういう状況で、だから、こうなんだ、
って気づくのは本人でなければできないわけだよね。
気づくのは自分の力。カウンセラーはその手伝いを
してくれる人。

自分が一番見たくない、醜いドロドロとした部分を見なく
てはいけなかったりするし。だから、カウンセリングって
すごくしんどくて、そういう自分が隠そうとしている
ところを見る勇気だって要るし。


それで、まぁ先生の薦めてくれた、この雑誌を読んだ。
読んだから、と言って、たちまち自分の中身が劇的に変わる
ということは決してなかったけど、
あ、自分は今、こういう時期にいて、それは
まぁ誰でも大なり小なり起こり得ることで
しんどいけど、それから逃げないで、自分を
よく見つめることが大切、とその雑誌にはあった。
自分は今どうなっているのか、ということが
客観的に分かったというのか、あ、そうかこういうことなのか、と。
人間の成長の中で、どうしてもぶつからないといけない
時期なんだ、ということか、と分かった。

壁のこと、
うん、これはすごくよく分かる。俺、20代の後半にも
こういう時期があって、抜けるのに3年くらいかかったけれど
抜けたら、その後の20代・30代の楽だったこと。
まぁ何でもそうだよね。
ひとつのことで、何十年とやってきていたら
制度疲労を起こすのは当たり前の話で、、。


まぁ、今日もあれから一週間たって、再びがんセンターの
日だったんだけど、今日は先週の反動で、淡々と受診して
帰ってきた。
これで終わりではないわけだし。
何はともあれ、生きていかなければならないわけだし。


でも、「病状が大きく変化をするのは、
今日、明日じゃないからね。」という
先生の言葉を信じよう。

それだったら、そう焦らないで、もうちょっといろいろ
考えたらいいのか、と思ったりして、少し気持ちも上向きに
なってきた、というのが今の状態。

たぶん、更新がないから、謙介、どうしたんだろう、
って、気にしてくださって、何度も見にきてくださった、
っていう方もいらっしゃると思う。

なかなかうまくいかないのだけど、それでも
何とか前向きにいこう、と思いはじめているところ。


まぁ、そういうことが先週一気にいろいろと押し寄せてきて
ちょっとブログをお休みしていた、というわけです。
こういう状況は、しばらくのあいだ続くでしょうし、俺自身も
やはりあれこれと悩むことも多くて、今までのように
ブログをどんどん更新、ということは無理かもしれません。

あれこれ考えて、
身辺ががたがたとすると思いますし、こんなふうにフッと
書くスパンが開いてしまうことも起こると思います。

ですが、自分の悩みは悩みとして、思ったこと、考えたことも
そのまま書いて行きたい、と思っています。
かっこ悪くても、人生うまく行かないことが次から次へと起こっても
それが俺が生きた、という記録でもありますし。
俺の場合、それがためにこのブログを書いている
わけでもありますから。


そんなことで、ちょっと更新のスピードは
落ちると思いますが、
時間のおありのときに、よろしければ、覗いてやって
ください。これからも、どうぞよろしくお願いします。

(今日聴いた音楽 Ya Ya (あの時代を忘れない)

Yaya

 サザンの曲の中で一番はどれ、といわれたら、
 やっぱりこの曲かなぁ、、。 だけど、それにしても
 最初、サザンがデビューしたときの衝撃ったら、、。
 ザ・ベストテン だったか、2回目の登場のとき
 (一度目はスポットライトだったかで、二度目は
 ちゃんとランクインしての、だったと思います。)
 レコーディングの合宿所から追っかけ中継で、
 桑田さんたら、テレビで、股間に手を
 あてて、右手を筒状にして上下に、、。
 で、曲が作れない作れない、って叫びまわって、、。
 もうねぇ、見てた友達ときゃっきゃ、きゃっ
 きゃ、って喜びましたねぇ、、。ええ。なんだか
 つい昨日のことのように思い出しました。
 音源はレコード まぁ見れば、そんなもの
 分かる、って話ですね。(笑)

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Comments

 イヤだと言われても,最後まで蹤いて行きますよ(微笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 08. 05. 19 at 오후 9:46

イヤだと言われても、毎日覗きにきますよ(迷惑?)。


ゆったりマイペースで、ブログ更新をして
ブログが謙介さん自身を縛らないものであってほしいです。

また、これからもよろしくお願いします。

Posted by: ヒシ | 08. 05. 19 at 오후 10:49

---Ikuno Hiroshiさん
 ありがとうございます。自分がいろいろな壁にぶつかっていくのも、また生きているということでしょうし、そりゃ為末選手のように軽々と障害物を飛びこえていけたらいいですが、バタ、とか倒してみたり、足が引っかかって、けつまずいて転んでみたり、ということになりそうです。ですが、それが自分なんだと。そう思って前をなんとか向いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

Posted by: 謙介 | 08. 05. 19 at 오후 11:08

---ヒシさん
 そうですね。ブログをやってるといつの間にかブログに拘束されている、っていう部分ができてくる、ということがあります。この「終着までは、、」は、楽しみながら書く、ということを一番においています。楽しんで書ける、ということを頭において、迷惑だなんて、あるはずないじゃないですか。がんばれるところまで行こうと思います。これからも、どうぞよろしくお願いします。

Posted by: 謙介 | 08. 05. 19 at 오후 11:11

こんばんは
大人の発達心理学、興味あります。
僕は反抗期が無かったんですよ。
親との関係も、一般とはちょっと違うような気がします。
お体大切に、ゆっくりのんびりとブログは続けてくださいねsun

Posted by: mishima | 08. 05. 20 at 오후 8:27

----mishimaさん
 人の成長、っていうのは、100人いれば、100通りの成長の記録があって、みんなそれぞれ違っていますよね。だから、どういう育ち方、育てられ方がよかったのか、というとそれも分からない、ということかもしれません。この「発達」っていう雑誌、瀬田の県立図書館にはあるようです。雑誌の発売は山科の出版社(笑)です。発行年月、もしお入り用でしたら、別にメールでお知らせしてもいいですが。
 ブログ、自分のペースでゆっくりですが
やっていこうと思います。よろしくお願いします。

Posted by: 謙介 | 08. 05. 20 at 오후 11:26

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