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08. 04. 24

こんぴら歌舞伎(その2)

時々質問されることがあるんだけどさ。
「歌舞伎って、見ても分からない。」って言われるの。

うーん。分かる分からない、っていうのは、謙介、
歌舞伎を、頭で理解しようとしてるんじゃないか?
って思うんだけど。
それはたとえば、ヒップホップ聴いて、あの音楽分からない、
って言ってるのと同じじゃないかなぁ。

日本に来た外人さんの中で
「カブーキ、見たいですねー。」 っていう人結構多いでしょ。

何でそういうか、って言えばさ。
たとえば外人さんが、「伽羅先代萩」(めいぼく せんだいはぎ)
の中に出てくる登場人物のひとり、政岡の心情が分かるのか?
って言えば、まぁ分かる人も居はするかもしれないけど、
わかんない、っていう人のほうが多い、って思う。

だけど、南禅寺の山門で石川の五右衛門さんが「絶景かなぁ、
絶景かなぁ、、」とあの派手な頭とコスチューム(笑)で見得を切ったら
異国のお人だって、おおっ! って思うところが
あるわけでしょ。
彼らの心の中に何か衝撃から反応が起こるわけでさ。

だから難しく考えなくていいんじゃないのかな。
ケバい、ゴージャス、おもしろい、スカッとする。歌舞伎を
そういう見方をしても俺は全然問題ない、って思うけどなぁ。
だって、歌舞伎って見世物だもん。
そんなもの史実を考えてたら、そもそもムチャクチャなんだしさ。
あっけらかんと楽しんでいればいいんじゃない?
おもしろかったらアハハハって笑ったらいいし、
それでオッケーなんじゃないか、って思うけど。

まぁ確かに約束事、っていうのかルールはあるよ。
だけど、そんなものはなんだってあるじゃない?
バスケットだって、ボールを抱えたまま10歩も20歩も
歩いたらダメだし、野球でバッターボックスに立って
ピッチャーの投げる球、3回空振りしたらアウトでしょ。
どうしてアウトなんだよぉ! 打てるまで居たっていいじゃんか、
って言ったってさ、そんなものダメでしょ。

それと同じで、歌舞伎だってそれなりの約束事は
あるよ。なんたって出雲阿国以来の伝統芸能だから。
でも、そんな約束事はおいおい覚えていけばいいことで、
楽しかったら、笑う。感動したら、素直に感動する。
これでいいって思うけど。


そりゃ、謙介みたいに、学校で近世演劇研究なんて
授業とらされてさ、みっちり歌舞伎のお勉強をさせられた、
(いや、喜んでお勉強させていただきましたけど。はいはい。) 
っていうのは別としてさ、研究者になるのでもないのなら、
楽しく劇場に足を運んだらいい、って思う。
だって歌舞伎って、そういうおもしろいものでしょ?


さて。
第一部の公演の始まるのは11時から。
お昼のお弁当は、文字通りの「幕の内弁当」を姉が
頼んでおいてくれたらしい。「お茶だけ買わんとあかんのよ。」
ということで、途中、委佐子の店に寄って、イエモンを買う。
それから途中親戚のおばちゃんやらを乗せて、一路琴平へ。


JR琴平駅近くの町営の駐車場に車を置き、
商店街を歩いて、参道に向かう。

こんぴら歌舞伎がほかの歌舞伎の公演と違う
いい点の二つ目は、地域全体で、このこんぴらの
歌舞伎を盛り上げて育てよう、という意識があるところだと思う。
だから、町内にのぼりがいっぱい立っていて、町中で応援
してる、っていう感じだし、そののぼりを見たほうも
これから歌舞伎を見に行くぞー、という気持ちを高めてくれる。

それが京都の四条の南座でも、東京の歌舞伎座でも
そうなんだけど、劇場から出ちゃったら、車のせわしなく
行き交う雑踏に放りだされてしまうわけで、芝居を見た
余韻もなにもあったものじゃなくてさ。たちまちのうちに現実に
引き戻されてしまう。

だけど、琴平だと、芝居を見終わって出てきても、
すぐに金刀比羅宮の参道になってて、
昔の情緒があるからさ、芝居を見てきて、その気持ちの余韻を
保ったまま参詣することもできるし、
そんな参道の御茶屋で休憩することだって
できるし、、そこがすごく自然でいいように思う。

さて。参道を少し上がったところで左に折れる。
海の科学館という博物館の前を通って
(ほら、こんぴらさんは海の神様だから、そういう施設があるんだよ)
公会堂のほうへと上り坂をゆっくりとあがって行く。
もちろん道の両側にはのぼりがはためいて情緒をいやがうえにも
高めてくれている。

Nobori1


左側の建物が琴平町の公会堂。
もうちょっと上がっていくとこんな感じ。

Nobori2

劇場は右側の石垣の上にある。
つま先上がりの坂を登って、到着でございます。
まだ開演30分以上前だったので人は少なめ。

Oshibai1

柿色の法被を着ているのは、ボランティアの人たち。
入場整理、とか、誘導の係りをしてくださっている。
姉は携帯電話で仕出し屋さんに連絡をしてお弁当を
持ってきてもらったのを受け取りに行った。

大芝居の建物の脇に案内所がある。案内所は二つ
あって、ひとつは普通の案内所と、もうひとつは、成田屋の
案内。
うちの姉のように成田屋御贔屓倶楽部(要するに團十郎と海老蔵のファンクラブ)
の会員は、先に申し込みだけしておいて、この成田屋の案内でキップを
精算していただくこともできるようになってる。もちろん、海老蔵丈への差し入れ
とかもここで渡す。

その横には金比羅名物の五人百姓の飴を売る出店が出てる。
地元の店で、独立したブースを持ってるのは、五人百姓だけかな。
あ、五人百姓っていうのは、5軒のあるお百姓さんの家だけが
かつて金刀比羅宮に献身的に仕えたことがあって、
そのために、この五人のお百姓さんのところは特別に
金刀比羅宮の境内で商売をしてもいい、とご許可をいただいている
飴屋さん。まぁ今ではその五人百姓の店の免許は株になってて
売り買いできるようなので、大昔のそのお百姓さんの家が、そのまま今に
というのでもないらしいけれど。
それ以外の個人のおみやげ物屋は出てなくてさ。
じゃあ、と思ってみたら、大芝居の反対側にゑちごやの高松支店が
ブースを出してて、ここがお土産もの関係の独占販売なんだよ。
で、その独占販売は、昨日今日のことではなくて、
もう何年も前の歌舞伎の公演からずーーーーーーーっと。
ゑちごや、ぼろ儲けじゃのう。

やがて開演時間が次第に近づき、人も増えてきた。

Oshibai3

お弁当を頼んでいたので、お弁当を仕出し屋さんから受け取って
俺たちも中に入る。
入り口でキップを改めてもらって、木戸口から腰をかがめて
中に入る。この木戸のことをねずみ木戸っていうの。
他の劇場みたいにドアなんかじゃないものね。(笑)

入ったら、地元の銀行から記念品をくれる。
これが木のキップとうちわ。

Kippu

コンピュータで紙に印字された無愛想なチケットなんかと
違ってさ、これだと趣があるし、第一、すごくいい記念になると思う。

すぐに下足場があって、ここでビニール袋をもらって、
草履を入れる。
この玄関のあたりにはお茶子さんが何人もいて、荷物を持つのを
手伝ってくれたり、席の案内をしてくれたりする。
俺たちも弁当やら、草履やら、で荷物を、持て余していたら、
すかさずやってきて荷物を持ってくれて
キップを見て、さっと席に案内してくれた。

お席は、一階平場へ列の9番の升席全部。
目の前は、花道。手を伸ばしたら、海老蔵丈にだって
触れそう。(笑) ただ、それは最後に現実になってしまった
のでございますが。これは後日。
もちろん全席指定。おまけに座席で飲食だってオッケー。


俺たちの座った升席は一区画が6名座れることに
なっている。座布団が置いてあるから、そこに座る。
座布団のスポンサーは、某航空会社。(笑)

Anazabuton

手前の青いのは謙介のひざが写っているのでございます。

航空会社のおざぶなので、
それはもう、座ったら天にものぼる心地が、、(笑)


場内は、もうほとんどみなさん席についていて
みんなの表情やら、人の話し声が建物全体の空気をどんどん
つややかな感じに変えていってる、という気がした。


Oshibai2

天井を見てもらったら、竹が十字に組まれているのが
見えると思うのだけど、これをぶどう棚とも言うの。
仕掛けによったら、このぶどう棚の上を小道具さんが
縦横無尽に歩いて雪を降らしたりもできるように
なってる。だから、こういう透けた天井になってるんだ。
それから、右端に「金比羅大芝居」っていう額が
かかっているのが見えると思うんだけど、
その額の下だけ、柱の間の幅が広いでしょ。
その左側と比べたらよく分かるよね。
ここが、江戸時代は勧進元の金刀比羅宮の関係者が
芝居を見にきたときに座る席だった。
だからちょっと幅が広くて。まぁVIPの
お席、とでもいうことでしょうか。(笑)

11時10分前に柝の音が入って、開演間近を
知らせる。
11時定刻。もう一度柝が入って歌舞伎の公演が
いよいよ幕をあけた。


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