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08. 04. 14

お散歩ツアー(その1)

土日、もう長らく親しくさせていただいている友達のところに
出かけてきました。ちょっと「お散歩ツアー」です。

車に乗ってうねうねと道路を走りました。
途中、休憩をしながらとりあえず目的地を目指しました。
だけど、友達にお会いするのは、晩の7時です。
その前に、ちょっとあちこち見たかったところがあったので、
そんな場所を行ってきました。
そこに行ったことを今週は書いていこうと思います。

まず見たのは、古い地主さんの家です。

Yatarous_house


この地主さんの家には、この母屋の西隣に作業小屋があって
裏(北側)にお蔵があります。
母屋の中も見ることができるのですが、いろりがある部屋があり、
それに隣接して台所、奥には座敷がありました。

ただまぁ地主さんの家ではあったのですが、むちゃくちゃ大きな、
という感じはしませんでした。むしろこじんまりしている
方ではないか、とさえ思いました。

横の作業小屋は、目下壁の漆喰の補修中でした。
この母屋の写真の左の方に青いビニールシートが
ちらっと見えていますよね。


さて、裏のお蔵です。
お蔵の東側の壁には、
この家の家紋が入っています。


Sanngaibishi


え? どこかで見たマークだなぁ、って? (笑)
そりゃそうです。
三つの菱が組み合わされた、あのマーク。


恐らく、このお蔵に付いているこの家紋こそが
あちこちで見るスリーダイヤのマークの中で、一等古い
オリジナルのものなんじゃないか、と思います。

実はここの家、岩崎さんがお住まいでした。
岩崎さんって、どこの岩崎さん? ってなものですが、
岩崎弥太郎、と言えば分かりますか?
○菱財閥を作ったその人の、ここがその実家です。
なので、お蔵についているのは、元祖スリーダイヤ。

この地主さんの家の斜め前にはこんな石碑が
ドーンと立っています。

Morohashi

俺がそこで、その石碑を眺めていたら、
近所のおばあさん二人が入ってきました。
それで、おばあさん二人、お互い二人で
写真の撮りあいっこをしていました。
そのおばあさんたち二人は、遠くからの観光客ではなくて
近所の人が、たまたま今日はカメラを持ってきたので
写真を撮ってみましたぁ、っていう感じの二人でした。

ひとしきりその撮りあいが終わったと思ったら、
そのおばあさんの片方に人が俺に向かって
「この石碑、何が書いてあるが? 」(何が書いてあるの?)
といきなりのお声がかりです。
「え? 」
聞くと、裏に細かい字で、書いてあるのだけど、
細かすぎて何が書いてあるのか、さっぱり分からない。
なので、俺に読んでもらえまいか、ということでした。

裏にまわってみました。なるほど、この石碑を建立するに至った
経緯、というものが縷々書いてあります。
俺はおばあさん二人に聞こえるように、大きな声で
ゆっくり読みました。

その文章をものすごく端折って書くと
○菱財閥を作った岩崎弥太郎を顕彰するために
○菱グループ全員の発意で、この石碑を建立した、
とありました。
「にいちゃん、すらすらと読めたなぁ。」
「ええまぁ。」(笑) 
「読むのうまいなぁ。」
お褒めの言葉をいただいてしまいましたよ。

文章に使ってある字にさほど難しいものは
ありませんでした。いや、さほどどころか、平明な
文章で書かれていました。熟語も普通のレベルでした。
でも最後まで読んで、俺はうなりました。
びっくりした、と言ったほうがいいかもしれません。

最後にこうありました。
「書ならびに撰 諸橋徹次」
諸橋の大漢和辞典全13巻を作った、あの諸橋大先生が石碑の書と
依頼を受けて書いたというのです。

やっぱり○菱です。
並みの人には頼んだりしていません。
石碑の文字と文章を当代一の漢字学者に頼むというところが、
恐るべしです。

これをちょっと分かりやすく言うと
社内の野球大会の打撃コーチにイチローを呼んできて
指導してもらったというようなこと、と言えば、分かって
もらえるでしょうか。すごい人にさりげなく頼んでいる、
ということです。


おばあさんの話によると、
太平洋戦争以前は、この岩崎家はこの辺の大地主だったそうです。
(そりゃそうだろう) で、小作人に作らせていたお米がこの裏の
○菱マークのお蔵にどんどん運び込まれていたとか。
ですが、戦後の農地改革で、持っていた田畑の土地の大半を売ってしまった、
ということでした。

この母屋の前にこじんまりとした庭があります。
この庭は弥太郎本人が石を置いて作った庭だそうです。
その石組みは今も残っていて、こんなふうになっています。

Japan


分かりますか? 右上の石が「北海道」
本州があって、四国があって左の木の下の向こうには
九州があります。日本列島を念頭において作った石組だそうです。
本州の上にポツンとあるのはおばあさんの話によると
「佐渡」だろう、ということでした。
それで、若き日の岩崎弥太郎さんは、
この日本をどうするか、ということを思っていた、ということです。
驚くのは、それを「思った」だけでなくて、本当に日本を動かす、
大きな仕事をした、ということですね。

おばあさん二人も帰っていったので、俺も次のところに
行くことにしました。
地主さんの次はお庄屋さんの家です。
このお庄屋さん、なかなか手先が器用で
機械いじりが大好きだったそうです。
それで、自分で工夫して、時計を作ってみたんです。
昔は家に時計なんてなかったので、こうして大きな
時計を作って、近所の人に時間を知らせる、という
ことをしたい、と思って作った時計だそうです。
その時計も、並みの時計ではなくて、大きな時計台の
時計です。
しかもひとつではありません。
3方向から同じように動いているという時計です。

Noradokei

実は、この時計、今ではもう止まっていることが多いのだとか。
というのが、このお庄屋さんから引き継いだ息子さんが
ずっと微調整しながら時計を動かしていたらしいのですが、
その引き継いだ息子さんも先年ご高齢で他界されてしまって、、。
元々、そのお庄屋さんが自分で部品を作って動かしていたので、
部品同士で微妙なバランスがあったらしいのです。
それを熟知して、ねじを巻く、ということをしていたそうですが
それを知っている人が亡くなってしまった後は、
その微妙なバランスを知る人がいなくなってしまって、、。
今は、その時計だけがこうして建っている、ということです。
この時計、「野良時計」と呼ばれています。
この野良時計の近所にあった
この街のコミュニティバスのバス停です。

Busstop

え?
真ん中の黄色い顔、何となく虎に見える、って?
そりゃそうですとも。
間違いなく虎です。
何しろこの街は阪神タイガースのキャンプ地ですから。
と言うと、もうここがどこか、お分かりになった方も大勢おいででしょうか。(笑)

さて。野良時計の次は
植物探索にまいりました。
長くなったので、今日は一旦ここで措きますね。

×        ×        ×

実は今日、月曜が主治医の診察日だったのだけど、
急に都合が悪くなったために昨日、内科病棟に行って
診てもらった。 前回の採血の数値を見て、
あ、少し悪化してますね、と言う話をする。
まぁこの状態がしばらく継続したら
何らかの手立てをしないといけませんね、
という話。このところ安定してたので、ちょっとこの変化は、、。
でも一喜一憂せずに、しばらくは様子を見ていこうと思った。


(今日聴いた音楽 南国土佐を後にして 歌ペギー葉山
 音源はカセットテープ)
 

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Comments

 弥太郎さんの実家って,そこそこの農家と大差ない大きさなんですね。まあ,その背後とか横にもいろいろあるんでしょうけど,意外。

 うちとこも,農地改革で土地を失ったクチです。もっとも,自分ではほとんど作ってなかったらしいので自業自得ですが(笑)
 以前に誰かが登記簿か何かを調べてみたら,山の中に猫の額のような荒れ地が一筆だけ残っていたそうです。さすがに誰も欲しがらなかったみたい・・・うちもいりませんからっ(苦笑)

 「野良時計」って,すごいネーミング。一瞬,畦道とかをうろつきまわってる時計を想像しましたよ(爆笑)

 数値には一喜一憂せず,気持ちを落ち着けていきましょうね。精神状態が良ければ体の力もよくなりますし。

Posted by: Ikuno Hiroshi | 08. 04. 15 at 오전 11:38

---Ikuno Hiroshiさん
 そうなんですよ。実際に行ってみて地主さんとは言う話だったんですが、かつて民俗の調査で行った何軒かの地主さんの家と比べて、えらい小さいなぁ、、と思ったんです。ましてやあの○菱を作った人ですから、もうちょっと大きな地主さんの家を想像してたんですけど、ちょっとあれ? って思うような意外なこじんまりとしたお家でした。
 この野良時計。時計を何もないところから部品ひとつひとつ作って、時計台を作ってしまうこのお庄屋さんの根性、って、もうただただ驚嘆するしかありません。
 数値のことは、ホントおっしゃるとおりです。一喜一憂せずに、長い目で見てまいりたいと思います。実は今日、アップするのが遅れたのは、やっぱり土日の疲れが出てて、寝てしまっていたからだったんですけどね。(笑)まぁぼちぼちやっていきたいと思います。お心遣い、本当にどうもありがとうございます。

Posted by: 謙介 | 08. 04. 15 at 오후 10:48

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