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08. 04. 21

かけがえのないもの

仕事帰りがんセンターに行く。
主治医から先週の採血の結果を見せてもらう。
うーん、やっぱりGPTとかGOTの値が、
下がらないねぇ、、、という話。
そのせいなのか、
仕事が年度初めで忙しいせいなのか
原因はよく分からないのだけど
ちょっとしんどい。
とはいえ、それでも寝込むほどではないので、
したいことがあったら優先してするようにはしている。
だって本格的に寝込んでから、あそこに行きたかった。
これを見ておけばよかった、って
後悔しても仕方ないし。
見たいときに見たいものを、と。
なるべくはそちらを優先するようにはしたいなぁ、と思う。
土曜も琴平に歌舞伎を見に行った。
その話はまた後日。

昨日の日曜、今年中3になった近所の男の子の
国語の教科書を見せてもらった。
4月って、新しい学年への抱負、っていうことで
大抵は詩を学習する、という
ことになってるんだけど。
教科書巻頭単元の詩。


載っていたのは、   「永久欠番」   中島みゆき


謙介は、ちょっと友達の話をした。
このブログでは何度か書いたヤツのこと。
大学の同級生で、俺よりずっと研究にがんばってた
ヤツだったけれども、20歳をすぎて、血液の病気を
発症してしまったあいつの話をした。

血液がね、固まらなくなるの。血液って
血小板っていうのがあるから出血しても
そのうち血が固まって流れ出さなくなるんだけど
彼はその血小板の再生ができないようになって
しまったんだ。

それでね、その病気は今の医学では治せなかった。
いろいろな薬を飲んで、とりあえず病気の
進行を止めようとはしたのだけど、
もうね、この症状を止めようとしてこの薬を
飲んだら、また別の症状が出て、っていうふうに
なってしまって。とうとう亡くなってしまったんだ。

俺もね、身体はあんまりよくないけど、それでも
大阪に行ったら、彼の家に寄ってお線香を
あげるくらいはしてるんだよ。
去年もね、彼の家に寄って妹さんと
仏壇の前で話をしてたんだ。
彼が亡くなって15年。「今はもうお線香を
あげに来るのは謙介さんだけですわ。」
って妹さんも話してた。

人の記憶って、時間が経つと忘れていってしまう部分が
どうしてもある。それは仕方がない。
悲しい思い出とか嫌な思い出って
どうしても早く忘れたい、って思うものね。

自分の大切な家族や友達とお別れしないといけないときって
必ずやってくる。「そういう経験、ってある? 」って聞いたら、
彼は「ばあちゃんが小学校のときに亡くなったから。」と言った。
「おばあちゃん、亡くなって何年経ったの? 」
「ばあちゃん、亡くなったのが、小2のときだから。」
「あ、そうか。もうずいぶん経つよね。-------おばあさんが
亡くなったときは、どんな気持ちだった? 」
「やっぱり、ごはんを作ってくれたり、遊んでくれたばあちゃんが
亡くなったから、ショックでした。」
「○○くんさ、○○くんにとって今、一番気がかりなことって何? 」
「そりゃ、連休にある○○中との試合です。(彼はバスケ部)」


「おばあちゃんが亡くなった時、と今は気持ちはどうだろう。
人間の記憶ってさ、時間が経つとどうしても変わってくる
部分があると思うんだ。いや、それが必ずしも悪いって
いうことでもない、とは思う。どうしてもひとつの
ことをずっと同じようには思い続けることはできない。いや
なこと、悲しいことがあっても、次第に忘れていったりする
部分もあるから。で、忘れないと悲しすぎる、ということ
だってあるしさ。だから人は過去のことは忘れていく。
だから○○くんだって今一番気がかりなのは試合のことだもんね。」
「はい。」
「人間ってそういう部分もあるものなの。」
ホラ、中島さんの詩にもそうあるよね。

だけど、その一方でどうしても忘れちゃいけないこと
大切にしておかなければならないことっていうのも
確かにあるからね。そんな思いをずっと持ち続けられるのも
やっぱり人なの。
「さっき、ごはんを作ってくれたり、遊んでくれた、
って言ったけど、そういう思い出って、大切にしないとね。
俺もね、友達の家に行って仏壇の前で、しばらく思い出話を
したの。「あいつ絶対口やかましかったから、今、
絶対ここにいますよね。」 って言ったら、妹さんが、
「このお菓子なんか出さへんと、もうひとつのあれ出したらよかってん、
とか何とか文句絶対言ってるに決まってるんです。どこかで
絶対ブツブツ文句言うてますよ。」とか、って話をした。

だけどね。「彼の友達で一人だけでもこうして覚えている
ヤツがいないと、、って俺は思う。もちろん自分にとって
かけがえのない友達だった、っていうのはあるけどね。
ここで、俺が記憶を封印してしまったら、あいつが生きて
こんなふうなこと言ってた、って話できる人が
いなくなるような気さえするから、俺はあいつのことは
忘れないし、機会があるごとに彼の家に行こうって思ってる。
(迷惑でなければ、だけど)

人って、誰も誰かの代わりなんてできないもの。
だから、その人じゃないとダメ。○○くんだってそう。
だから一人ひとりの人間ってみんな大切だし、
そんな大切な人の命が奪われたり命を奪ったりすることが
あってはならないし。
分かってくれる? って言ったら、彼は
「はい。」 と言ってくれた。

かけがえのない人の生。
残された人間の
記憶ということ、思い出ということ。
そんな話を彼とした後で、さっき病院からの帰りにも
久しぶりにいろいろと考えたりした。

(今日聴いた音楽 永久欠番 歌 中島みゆき)


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