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08. 01. 19

現役メジャーリーガーの話を聞きに行く

今日、実家近くの呉服屋さんには、
例の「どんだけー! 」さんが
来ていたらしいのですが、
謙介は今日は午前中仕事があったので、
今日は実家に帰らず、仕事場の街にいました。
それと、市立図書館の横のホールで、
お話会があって、それに行く、ということに
なっていたからでもありました。


去年の暮れに、昨年最終の市の広報紙が来て
それに、抽選当たった人だけ限定ですが、と
但し書きがあって、当時はまだデビル・レイズだった
タンパベイ・レイズの岩村明憲選手の
お話の会があります、というお知らせが
ありました。 
抽選かぁ、、と思いました。 謙介はくじ運が
すごく悪いのです。まともに当たったことなんて
ほとんどありません。いつも外れか残念賞です。
まぁいいや。当たらなかったら、どうせ、
と文字通りのダメ元でメールを市の体育協会に
送ったら、1月のはじめに、当たりました。どうぞ
お越しください、との連絡です。

もうすっかり頭の中になかったので、正直びっくりしました。
まさか当たるなんて思ってもいませんでしから。

さて、当日です。
午前中の仕事が終わって、後の担当者に引きつぎをして
俺は仕事場を出ました。軽く食事をして、
会場到着です。 人数は決まってはいたのですが
席は自由だったので、どうかしらん、と思って、
図書館横のホールの入り口を見ると
もうすでに何人かの人が並んでいます。
やっぱ、並んだほうがいいよね、っていうことで、
急いで、並びました。

これは市の体育協会の行事で、創立25周年記念の会が
あって、そのおまけでこのお話の会がある、ということでした。
ですから、周囲にいるのは、みなさん、何かのスポーツの
指導者とか、そのスポーツを今、やってます、っていう人
ばかり、ということでした。分かりやすく言うと、
体育会系の集団の中に文化系の軟弱者、というか
へなへなしたやつが
まぎれこんでしまった図、ということという
わけです。

(体育協会の式典の話は省きましょう。)

3時になりました。いよいよ岩村選手が、ニコニコと
ステージに登場です。スーツ高そうだ、、と思いました。
ネクタイも何かブランドものだろうな、と思いました。
お話は、地元民放局のアナウンサーが
あれこれと質問をして
それに答える、という形で進められました。
まぁてつこのへや、みたいなものですね。

で、事前に質問事項はありますか? 
と聞かれていたので、
「落ち込んだとき、うまくいかないことがあったときの、
脱し方はどうしてい」ますか?」

これを俺、一番聞きたかった。
話のないようは本当に多岐にわたりました。
大体お昼前に目がさめて、
午後の2時くらいに球場入りをするんだとか。
で、3時くらいからウォーミングアップを徐々に
していって試合開始が7時。
で、ビジターだと球場入りはもっと遅くて
午後4時ということでした。
で、試合終了が夜の11時。午前0時には
シャワーを浴びたり着替えを済ませて、全員集合です。
それからチャーター機で、次の球場の街に移動、に
なるんだそうで。飛行機は、レイズが年間契約で
借りている飛行機で、それに選手ひとりが、座席を横に
3席もらって、肘掛を跳ね上げて、3席分の場所に
横になって寝ての移動になるんです、とのこと。
そういう移動なんかもハードだなあ、と思いました。

アナウンサーが聞きました。
「野球が嫌になることはありました? 」
高校時代は年間500回くらいいやだいやだ、って
思っていたとのことです。
でも、その一方で、小学生の時の夏休みは、家の横壁に
ボールを当てては取る、ということを2時間やって10分
休憩して、また2時間。これを毎日やっていた、といいます。

どうしてですか?
野球が好きだったからです。

でも、そんな野球も高校に行ってしていたら
1日2回は嫌で止めたい、って思うようになる。

当時の野球部の監督さんにも「野球を止めて
どないすんのや。」と聞かれて、、言葉に詰まりながらも
嫌だから、止めたい、と言ったそうです。
だけど、周囲の人のフォローがあって
何とか続けられた、ということでした。
やはり根底で野球が好きで、野球を愛していたから、
続いたのだろうと俺も思いました。

ヤクルトに入った当時、守備がさっぱりダメで、自分でも
本当情けないくらいしょっちゅうすっぽ抜かすばかりだった、
といいます。
で、その練習として彼は、毎日試合の前に、箱一杯のボールを使って
守備練習を繰り返したといいます。毎日毎日そんな地味な練習の
繰り返しをした、と話してくれました。それがやがて、あの
ゴールデングラブ賞を受賞する守備になったんだ、と謙介は思いました。

やはり地道な練習の繰り返し、どんな人にあっても
その繰り返しがないとダメなんですね。
ですが、聞いていて、なるほど、と思ったのは
根性とか気合で練習するものではない、ということ。
例えば、ピッチャーが投げたボールをバッドの
どの部分にあてるのか、そうしておいて、どの方向に
飛ばせばいいのか、そのバッドにその角度で当てる
ためには、どういう立ち位置で立って、バッドを
どの角度でどう振ればいいのか、全部細かく分析
していく、といいます。
分析する冷静さと、続ける情熱と。 一見相反する
二つをバランスを取りつつ自分の中で持ち続けること。
本当に難しいことだと思います。でも、いや、それが
相反することなく、矛盾することなく、相並んで存在
しているからこそ、あれだけの成績をたたき出せて
いるのでしょう。

それから、岩村選手もはっきりとは話は
しませんでしたが、やはり肌の色の違いで
審判のジャッジが変わってくるということも
ある、とのことでした。やはりそうした
差別は厳然とあるのでしょう。

そんな中で、それでも彼らは
がんばっています。そんな目に遭いながら
自分の技量を高めて、モチベーションを上げて
どんなことがあっても一定レベルのプレーを
していかなければ、たちまちにして、生活基盤は
失われます。文字通りの厳しい世界です。

話を聞きながら、振り返ってわが身を思いました。
何だかんだといっては厭ってばかりで、、
病気をいいことにして逃げていないかどうか。
これで自分はいいのか。
自問自答していました。

状況は大してよくはありません。
限られた中で、できる方法もあまりない。
だけど、そんな状況、俺一人では決してないはずです。
たまに会って話をする友達も、よくよく話を聞いてみると
さまざまな問題を抱えながら、それでも
毎日、なんとかがんばって過ごしているようです。
俺一人じゃない。しんどいのはみんな同じ。
だったら、もう少し悪あがきをしてみなくちゃな、
と思いました。

みなさんにいろいろとメールをいただいて
励ましていただきました。
どうもありがとうございました。

また立ちあがって歩こう、とちゃんと気持ちも入れて
思えるようになりました。


さて。
ぼつぼつまた再び出発の時間が来たようです。
また、立ち上がって歩いていくとします。
岩村選手の話を聞き終わって、
改めてそんなことを思いながら、家に戻ってきました。


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