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07. 12. 06

大宰府にて(西への旅;その2)

出張をしなければいけなくなった。
行き先は九州の福岡。


昨年度、ある研究会の当番を俺が担当していた。
その研究会の総会で昨年度の業務報告を
どうしてもしなくては
ならない、ということになった。それで出張。
今年の会場は福岡。

出張、って言ってもなぁ、、。
退院してすぐだし、、主治医は
たぶんあまりいい顔をしないのは
もう分かりきったことだし、、。
俺もどう主治医に切り出したらいいものか、ちょっと迷った。
ええい。ダメならダメで仕方ない、、。
「先生、実は、今度福岡に出張しなくては
いけなくなったのですが、、」と診察の後、
言ってみた。
「あまりうろうろしないように。手洗いはよくしてくださいね。」
と散々注意とご指導を受けたのだけど、、。
「行ってもいいですか?」
「まぁ仕方ないねぇ。」
ということで、(笑) 俺の福岡行きが決まった。


門司に上陸して博多に。会場まで博多駅から
歩いていく。
定刻になって、会議がはじまる。俺が
昨年度の報告と、継続だった問題の
経過報告と、その他を説明して俺の責任は終了。

飛行機で日帰りでもよかったのだけど、
折角来たんだし、、ということで、
謙介のブログのリンク先の”ヒシ型バブル”の
ヒシくんと待ち合わせて大宰府に。

ヒシくんは、福岡には住んでいないのだけど
俺が福岡まで来る、と言ったら、わざわざ会いに
来てくれた。うれしいやら、ありがたいやら。感謝。

お昼を駅前で食べた後
地下鉄で天神に出て、西鉄に乗り換えて
ニ日市。ここでさらに乗換えで大宰府へ。
途中天神からニ日市までは西鉄の特急に乗る。
特急の車両は古いほうの黄色い電車。
俺たちがホームで待ってたら、後ろの女子高生が
「黄色い電車よ。」と誰かに言ってた。

やがて出発時刻になって走り出したこの特急電車が
飛ばすこと飛ばすこと。もうヤケクソみたいに
飛ばす。
ものすごいスピードで、電車がばらけてしまうのでは
ないかしらん、とふと思ったり。(笑) つり革にぶら下がって
いたのだけど、それでも身体が支えきれなくて
転びそうになったことが何度か。

途中でヒシくんといろいろな話をした。
二人とも書道をしているので、字とか紙、墨の話とか
記事にある農業の話とか。いろいろと話ができて
楽しかった。そんな話をしているうちに電車は
西鉄大宰府駅のホームに到着。
門前町のいろいろなお店の前をさらに話をしながら、
太宰府天満宮へ。
あたりからは梅が枝餅の香ばしい香りがする。
(でもここでは食べない。笑)


過去と現在と未来をあらわしているという三つの赤い橋を渡り、
門をくぐって天神さまの境内に。
天神さまの境内でやたら聞こえてくるのは韓国語。


もうねぇ福岡なんて、釜山からあっという間だから、、。
韓国の高校生が修学旅行でたくさん来ていた。
拝殿の向かって右にある飛梅の木はもう葉がすべて落ちて
枝だけになっていた。


西に流された菅原道真を慕って一夜のうちに
京都からこの大宰府に飛んできた、という伝説を持つ
飛梅の木。
今でもこの飛梅の木が、大宰府の梅の木の中で春になって
一番最初に花をつけるのだと聞いた。 


さらにその飛梅の後ろにある門を抜けて
梅園に行こうとして俺は息をのんだ。
あざやかな紅葉が俺の目に飛び込んできたのだ。


Dazaihu

そこから少し歩いて、お石の茶屋まで行く。
お石さんというしっかりしてて、なかなか美人だった
女性が、天神さまの裏の梅園で梅が枝餅を商う茶店を
はじめたのが、そもそもの始まりだとか。


店の開いているのを見て
後で梅が枝餅を食べにきましょう、と言って、
もう一度境内に戻る。

そこから今度は新しく出来た、九州国立博物館に行く。
大宰府天満宮に来た客を集客しようと、天満宮の
境内のはずれから、エスカレーターと
動く歩道を乗り継いで、博物館の入り口に到達できる
ようになっている。
なにやら横から見た第一印象は、
巨大なう、、、みたいだなぁ、と。

Kyukokuhaku2

一階で入場券を買い、3階の常設展示場へ。


館内は順路は一切なくて、
好きなところから見て欲しい、ということだ。
場所柄、大陸・朝鮮半島と、日本の交渉史が
メインテーマ。
日本書紀・上代の歴史は謙介の専門なので、
ついつい熱く語ってしまう。ヒシくんは、そんな
話を、きちんと聞いてくれる。
展示品は、本物も多かったのだけど
レプリカも結構あって、、、まぁ仕方ないのはないんだけど、、(笑)
さすがに新しい博物館なので、ビジュアルとか音によっても
展示テーマを理解させようとする意識が結構働いていた。
実際に展示物に触ることのできるコーナーもあって
それはそれで面白かった。


ここでも聞こえてくるのは圧倒的に韓国語。
「あの仏像かわいい。」とか
「ホラ、もう集合時刻だ。」
とか「晩は何時にホテル入りするんだ? 」とか。
日本人の見学客も結構多いとは思うのだけど、
日本語はあまり聞こえてこなくて、声高に聞こえてくるのは
韓国語が多かった。館内には、日本語で「他のお客様の
ご迷惑にならないように大きな声でお話になるのは
おやめください。」って書いてあったけど、あんなの、
ハングルでも書かなきゃね、って思った。


建物は鉄骨を基礎に木をいたるところに使った建物。
ちょっと構造が関空のターミナルビルに似た感じがした。
Kyukokuhaku1

エスカレーターで下りながら
ヒシくんが、「何かまだ建設途上のような建物ですよね。」
と感想を言う。
「ねぇ。こんな足場みたいな鉄骨むき出しだったら、
そう思うよね。」 
しかし、こんなガラス張り、誰が汚くなった
ガラスを洗うの? とか。(笑)
後は一階のミュージアムショップをちょっと眺めて、
博物館を出る。

これで謙介は日本に4つある国立博物館
(東京・京都・奈良・大宰府)
を全部見学できた。
他の3つ(東京・京都・奈良)
は元々が宮内省管轄の帝室博物館
だったから、ちょっと雰囲気的にお高くとまってる、
っていうのか、威圧感もあったりするのだけど、
さすがに九州の国博は、最近できたのと、
場所が九州っていうこともあるせいか、
その辺はすごく親しみやすい感じがした。
館内を巡回してる館員の人もニコッと笑って
こんにちは、なんてあいさつしてくれるし。
(京都や奈良の国博で、係りの人がニコニコして
こんにちはなんてあいさつしてくれるなんて
一度もなかったし、そんなこと考えもつかない。)


博物館の見学も終わり
そろそろ小腹がすいてきたので、
もう一度天満宮に戻り、境内を抜けて
「お石の茶屋」へ。
梅が枝餅を頼むとお茶と焼きたての
お餅を程なくして持ってきてくれる。

Oishichaya1

前にもサイトで書いたのだけど、
このお石の茶屋は、さだまさしの「飛梅」
という曲の中にも登場する。
この歌の中では、主人公のカップルは、
「僕がひとつ、君が半分」梅が枝餅を
食べることになっているのだけど、
本日の二人は、おいしいおいしい、と言って
パクパクとふたつお餅を食べてしまったぞ。

お石の茶屋から出て、再び天神さまの境内を突っ切って、
門の外に出た。
そろそろ日が翳りはじめた参道をさっきとは逆にたどって
西鉄の大宰府駅へ。

ヒシくんと話していて、言葉の話題になった。
ヒシくんは、「九州の人の話って、喧嘩してる
みたいに聞こえるでしょ。」と言った。
言葉のアクセントが結構大きいから、
そういうふうに聞こえないこともないけど、、、

九州の人は会話の中によく「ですね。」
という言葉を遣う。
その理由はすごく哀しい理由だ。

昔、学校で方言は一切遣っちゃいけない、
っていう教育がされていた時期があって、
方言を使うのが禁止されたりしたことがあった。
特に九州は、そういう学校教育の中から
方言を徹底的に排除しようとした。

だけど、つい方言が出てしまう。
そんな出てしまう方言をカモフラージュするために
「ですね。」っていう言葉が遣われた。
「ですね。」ってさえ言っていれば、とりあえず
方言でなはい、と。 今もその名残があって
九州の人が、インタビューなんかされたら
中にこの「ですね。」が頻繁に聞こえてくる。
「ですね。」ってそんな哀しい過去を持って
いる言葉なんだ。


でも九州に来ると、俺は気持ちがホッとする。
俺が出会ってきた九州出身の人はみんな、
たまたま、俺の周囲の、という特別だったの
かもしれないけれど、

小さなことにこだわらない。
確かに話し方とか動作には
ぶっきらぼうなところもあるけど、
心を開いてくれて、相手のことをすごく親身に
考えてくれている。え? そんなところまで
考えてくれるの? なんてびっくりするくらい
本当に心の許容範囲が広いなぁ、って思う。

そんな心の結びつきがしっかりあるから、博多どんたくとか
長崎のおくんちみたいな地域の祭りが
今もしっかりと根付いているんだろうね。

再び博多に戻って、ちょっとお茶をして
ヒシくんとお別れする時間がきてしまった。
ああ、なんて気持ちのいい時間はさっさと経って
しまうのだろう。最後に握手をして
博多駅で二人は別れたのだった。


ヒシくん、どうもありがとう。

(今日聴いた音楽 さだまさし 飛梅)

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Comments

先日は大変お世話になりました。
「よかですね」って無茶苦茶な言葉を
つい使いそうになるヒシです。

「…こ」に似ている建物の中には、
本当に韓国の方がたくさんいらっしゃいましたよね。
見学者の半分ぐらいはそうじゃないかって、
思えるぐらい。ほぼ女性だったような気が…。

短い時間でしたけど、とても楽しかったです。

…知らなかった、さだまさし。

Posted by: 東へ旅立ったヒシ | 07. 12. 07 at 오후 9:13

---ヒシさん

 本当にありがとうございました。
いろいろな話ができて、本当にいい時間を
過ごせました。まったく楽しい時間はあっという間に過ぎてしまって、、、残念でした。九州、忘れられないたくさんの思い出ができました。やっぱり俺の場合、人との結びつきとか記憶がその旅の中で大きな位置を占めているなぁ、と思いました。これからも何卒よろしくお願いします。

Posted by: 謙介 | 07. 12. 07 at 오후 9:52

九州国立博物館、僕も是非行ってみたいです。
九州って温かいイメージがあるんで、年末年始の繁忙期が落ち着いたら、計画してみます。

Posted by: yasu | 07. 12. 09 at 오후 7:12

---yasuさん

 九州、たまたまかもしれませんが
出会った人が、おおらかな感じもするし、
関西とはまた違ったおいしいものがいっぱいあります。ちなみに九州国立博物館の新春展示は京都五山の展示だそうです。それから、博多座では二月に若手の歌舞伎があります。演目は世昼が義経千本桜がメインで晩は手習鑑と鳴神です。(晩のほうがいいかも。笑)あ、そうそうお昼は団子売があって、杵蔵、ラブちゃんです。そういうのもひっかけて、っていうのもおもしろいですよね。是非是非。俺もおススメします。

Posted by: 謙介 | 07. 12. 10 at 오전 12:02

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