« After the Game(後編 その6) | Main | After the Game(後編 その8) »

07. 12. 19

After the Game(後編 その7)

「高垣さん、---------俺。」
「ああ。 気がつかないはずはないぜ。  
ったく、ハルの視線は独特なんだよ。 
いくら俺が鈍いったってな。」
「鈍くなんてないっス。」
「けど、ハル。じゃあ、俺の気持ちは
知ってたか? 」

俺は首を横に振った。
「そっか--------。」そう言った後で、もう一度
高垣さんの唇が重なってきた。ああ。 俺は もう
頭の真ん中あたりがぽおっとして、
何も考えられなかった。
けど、どうしたと言うんだろ。身体は、俺自身、
思った通りにストレートに反応してしまっていた。
高垣さんは、すげえ積極的だった。少し開いていた
俺の唇から舌をさし入れる。そうして俺の舌にからめる。
はあっ、うーん、
短い声が時々漏れた。耳のまわりでツーンと
音がしていた。


俺は息をするのもうまくできないほどで、ただただ
そこに立っているのがやっと、という感じだった。
ホントにどうにかなってしまいそうだった。そして、
こんなことがあっていいのか、とも思った。
口がゆっくりと離される。高垣さんが、切なそうな
表情で俺のことを見てくれている。

俺はどんな表情をして高垣さんのことを見て
いるんだろう。
「ハル、好きだぜ。」
「----------」 俺は何も言えなかった。
俺も、、だなんてそんな普通に重ね合わせるだけの
言葉じゃ済まねえ
くらいの気持ちだった。


しばらくの間、俺と高垣さんはそうして二人でいた。
俺ははじめて「わかった」ような気がした。そこに
自分がいて、同じように「相手」がいるんだ、っていう
ことに。


「へーっくしょん」 俺は大きなくしゃみをひとつした。
「ほら、洗ってやるから、じっとしてな。」


肩から背中、胸、腕、腹、そして高垣さんは
しゃがみこむと、俺が隠そうとしてるのを無理に
払いのけて、「ホラ、ここも洗わなくちゃダメだろ。」
って言って、俺のペニスにも石鹸の泡をたてた。
「ハルさぁ。」 不意に高垣さんが見上げて俺に言った。
「は、はい。」俺はようやく平衡を保ちながら、という
感じで返事をする。


「最近も、バイトに行ってんのか? 」高垣さんは
割に落ち着いた声で、俺に尋ねてくる。

「い、いえ、もう、やってないっス。それに、やっぱ-----」
「うん? 」
「俺、やっぱ、泳ぐことしかない、って思うし。」俺は
何とかそう答えた。高垣さんに、動くな、って言われた
けど、そんなの、俺の頭は、もうショートしそうでさ、
立ってる、っていうだけで、精一杯だった。


                (つづく)


|

« After the Game(後編 その6) | Main | After the Game(後編 その8) »

小説」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference After the Game(後編 その7):

« After the Game(後編 その6) | Main | After the Game(後編 その8) »