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07. 12. 20

After the Game(後編 その8)

高垣さんはまた立ち上がると、
今度は俺の背中から腰、
足へと石鹸を滑らせていった。
俺って言えば、じっと
立ってるだけだった。
なんだか情けねえ、って思ったけど、
自分は一体、こんなとき、どうすればいいんだか、
わからなかったんだ。

「流すぞ。」 シャワーのノズルから、ちょっとぬる目の
湯が、勢いよく流れた。泡がさあっと足元に向かって
流れていく。ややあって、高垣さんのごつごつした
大きな手が、俺の身体の上を動きはじめる。
手が、胸の周囲を大きく何度も上下する。
乳首の先にその堅い手がゴシゴシ当たる。
そうやってこすられるたびに、俺は声を
あげそうになってしまう。
「あっ! 」 不意にペニスをつかまれて、
俺は声を上げてしまった。そして、その俺の
「先端」に高垣さんはシャワーの流れを当てた。
生ぬるいお湯の無数の水圧の刺激が、俺のペニスの
先から腰へと、痺れるようなうねりになって
だんだんと拡がっていった。
「ハアッ、あ、ああ----あ。」 俺の口から、我慢
しきれずに声が漏れた。
「どうしたんだ、痛かったか? 」
高垣さんは、動作をやめて、俺の顔を見た。
俺はかすかに首を横に振った。
「で、でも、立ってるのが、苦しいっス。」
とぎれとぎれの息の中で、俺は高垣さんに
そう言った。
「じゃあ、あっちへ行こう。」 そう言うと、
高垣さんは、俺と自分の身体を、近くに置いて
あったバスタオルで拭いた。そしてボサッと
していた俺は、「いいか。」っていう声と、同時に
高垣さんに抱きかかえられていた。


隣の部屋には、ミーティング用の大きなテーブルが
ある。10人くらいがその周囲に座って部会を
したりする時に使うテーブルだ。 そのテーブルの
上に、バスタオルごと俺はおろされた。


もう一度高垣さんの顔が近づく。
ゆっくりと、キス。けど、さっきと違って
今度は俺のほうから求めていった。

ああ、何ていいんだろう。こんなの
はじめてだ。
キスだけでも俺は全身がしびれたように
なっていた。
高垣さんは、キスをしながら、俺のかたわらに
同じように横になった。唇を離す。ああ、これは
嘘なんじゃない。
夢でも見ているんじゃないか、なんて思ってしまう。
「俺、ずっと前から、高垣さんのこと、気になって
いました。嘘じゃないっス。」
「ああ。」 と、彼は白い歯を見せて、
少し照れたように答えた。


「でも、正直言って、高垣さんのことが好きだ、
って分かった時、俺、びっくりしたんです。すっげえ迷って。
だって、こんなこと思ってたって、言える訳ねえじゃねえか、
って。それで、ずいぶん悩んだんです。」
「----------」高垣さんは何も言わずに、ただ、俺の顔を
じっと見たまま、話を聞いていた。
「何度もあきらめようとしたんスよ。それに、俺、ホラ、
あんなバイトしてたっしょ。なんか、ムシャクシャすんのを
バイトで消してた、ってみたいなこともあったし、
もう、、俺、どうしたらいいんだか、バカだからよく
分かんなくて、そんなのよくねえ、って思ったんスよ。 で、
それは俺の中だけで、思っていれば、もうそれでいいや、
って。それだけにしとこう、って。.,,,,,,, だから、俺、
今スッゲエ、うれしいんスよ。

「こんなこともあり、ってさ。意外な展開だったよなぁ。」
高垣さんは苦笑しながら、俺の腰に軽く手をおいた。
「ハル。」
「はい。」
「俺の中で一番のヤツになってくれるか? 」
「オ、俺みたいなんで、いいんスか? 」俺は思わずそう
聞いていた。「女の子だって、いっぱいいるでしょう? 」
「そんなの関係ねえさ。ハルしかいねえんだよ。」
高垣さんは、力強くそう言った。


                  (つづく)


元々不景気はずーっとこのところ、”恒常的”だったうえに
やっぱり今年はいろいろ値上げがあったからだろうか。

毎年やってた「ご近所ウチナリエ」をしてる家、
今年は、庭の木に、ちょこっと電飾を巻いてるだけ。
去年の今頃なんか、もう毎晩不夜城のように
ウチナリエやってたのに、、。今年はえらく質素と
いうか地味。
去年は12月の電気代だけで、3万とか言ってたけど、、。

読んでいただいてるこの小説、After the Game の連載も
もうあと数回になりました。 
こないだ、セカンドオピニオンで京都に行ったときの話も
ありますし、、また連載が終わったら、通常のブログの
形に、、あ、なんて言ってるうちに降誕祭がきて、お正月
ですね。(笑) でもまぁ、年内は書けるところまで、
書いていきたいと思います。
よろしかったら、どうぞつきあってやってくださいね。

(今日聴いた音楽 Dream Catcher 歌 EXILE
アルバム EVOLUTION から 2007年)

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