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07. 12. 13

After the Game(後編 その4)

部長はオニガワラが出張から戻ってきたこともあるし、
自分のトレーニングに今は集中しなくちゃいけねえ時期
だったから、俺のことはおろか、部のことも何も言おうとは
しなかった。 俺もオニガワラに怒鳴られつつ、毎日
泳いでた。 練習をはじめてから、4、5日経ったころ、
学校の帰りに本屋でかんちゃんに会った。
もう「あの店」には俺も行かなくなったんで、
かんちゃんに会ったのが、ずいぶん久しぶりのような
気がして、やたら懐かしっぽい気がした。
「ハル! おー、久しぶりぃ。」 変わらない笑顔が
俺を見てた。
「あれぇ、かんちゃん。学校来てるの? 」
「ああ、まぁな。このところちゃんと行ってるぜ。
日数ギリギリだ、って言われてるからな。」
「それにしては、会わないような、、。」
俺はニヤニヤしながら言った。
「まぁな。みんなの登校時間と、ずいぶん違ってたりするから,,,,
でも、ハル、元気そうじゃない? 」
「うん。 本当にいろいろと.......高垣さんから聞いたん
スけど、何か山ほど心配かけちゃったみたいで,,,,申し訳
ないッス。」
「ああ、気にしない。気にしない。......それよか、水泳の
練習、またはじめたんだって? 」
「あ、 部長からッスか? 」
「うん。こないだ電話で話したときにな。」
「そうスか。」
「高垣さぁ、ハルのこと、期待してたぞ。」
「冗談。そんなことナイっしょ。」
「いや、冗談じゃねぇって。 でなけりゃ、
ハルのフォームをカメラで撮ったりしないよ。
大体、他人のことなんて、面倒、っていつも
思ってる奴だぜ。そんなアイツが、普通だったら
わざわざそんなことなんて、するわけないじゃん。」
「..........」俺はちょっと意外だった。 もしも、そうなら-----
「あいつはじっと人を見てるんだ。 あいつがそうやって
見てて、相手にも泳ぐセンスがある、って
思った奴にしか、あんなことはしねえはずだ。」

俺はかんちゃんの顔を見た。
目は決して笑ってはいなかった。 まいったな。
「ともかく、地区大会、がんばれや。」
「かんちゃんも、お勉強、しっかりがんばって
くださいね。」
「フン。」彼はニヤッとしてた。
「じゃあ。また。」
そうお互いに言って、俺とかんちゃんは別れた。

                     (つづく)


前に掲載してた「かんちゃんのこと」より実は
今回の小説のほうが先に書いてたんです。
前のかんちゃんのことを読んで、今回の
この作品を読んでいただくと、設定が微妙に異なって
いるので、え? おれは、、って、面食らわれる
ことがあるかもしれません。


そういうことで、主人公達の名前は同じなのですが
設定が少し違っています。
違和感を持たれるかもしれませんね。
何かややこしくなっていて、、。
申し訳ありません。

実は今から、身体の具合を診てもらうために
いつもと違う、よその大学病院にいきます。
姉の知り合いからの紹介の先生です。
セカンドオピニオンということで
今の状況を説明して、あわせてデータも見ていただいて
お話を伺ってこようと
思っています。
俺の病気は決して今の医学では
完治できない病気です。
しかも毎週の採血の状況を見ると、悪さをする
細胞の数は、ムチャクチャいる状況です。
(何百万単位で)
そんな中で、今、自分の身体はどこまで悪くなっていて、
どんな状態であるのか、ということは
やっぱりきちんと知っておきたいのです。

そんなことで更新の間隔が少しあきますが、、
やがてまた新たなページが加わったら、読んでやって
ください。

いつもみなさんが読んでくださっていること、
俺には生きていく上での大きな励ましになっています。
本当にどうもありがとう。


それでは、また。

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