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07. 11. 23

愛宕山

昨日、今日と、高知に住んでいる友達カップルが
元気? と言いながら遊びにきてくれた。
こうやって、話に来てくれるのは、なかなか遠くまで
行けない自分には、すごくうれしいことだ。

二人も温泉に入りたい、ということなので、夕べは
近所の最近リニューアルした温泉に行った。
その後、お風呂上りにはお飲み物、ということで
ドライブスルーのスターバックスに行った。
遅い時間だったのに、それも田舎のスタバなのに
結構な人がいて、驚いた。

今日は、遅く起きて(そのためゴミ出しに遅れて
しまった。笑) 食事をしてもらってから、
ジャングル風呂に行ってきた。
今日は本当にまぁびっくりするような快晴で、
気持ちのいい一日だった。
こんな日には、ホントどこかにふらっと旅に出たいと思う。
ジャングル風呂は、大きな温室の中の
あちこちに浴槽がある、という感じで
あれこれ、いろいろなお風呂に入って
結構楽しかった。

今日はお休みなのと、実は、アップしようとして愛宕山の話を
書いていたんだけど、あまり遅くなると、時期を逸して
しまいそうなので、今日は、小説はお休みにして
愛宕山の話をします。小説、楽しみにして
きてくださった方は、ごめんね、ということで何卒ご容赦。


入院してたとき、毎朝8時15分からやってる
○HKの連続ドラマ「○りとてちん」を見ていた。
見ていた、というか、ちょうど朝ごはんが終わって
食器を配膳室に返しに行った時に、配膳室の前にある
テレビに○りとてちんが映っている時間だったこともあるし。

実はこのドラマには、俺の父方のおっちゃんも
出演していているので、ちょっと注目はしてたんだ。
と言っても平生はこんな8時15分なんて、もう勤務中だし、
いつもは見られなくて、オヤジが録画してるのを
週末まとめて実家で見る、ということだったけど。


先週の土曜日だったか、見ていたら、劇中で『愛宕山』の
噺をやっていた。


愛宕山は、右京区の常盤に住んでいた俺にとってはもう
なくてはならない山。朝起きて、窓を開けると正面に
愛宕山が見えた。
愛宕山は京都でいちばん標高が高い山。
標高は924メートルもある。


俺がはじめて落語の愛宕山を聞いたのは、
米朝さんのものだった。もう20年位前の独演会で。

この噺っていうのは、大坂のミナミで仕事をしくじった
一八と茂八(いっぱち・しげはち)の二人の太鼓持ちが京都に来る。
京都は祇園町で太鼓持ちをはじめる。

その時に、ある大店の旦那が春になったから
気候もいい、っていうので、「野駆け」をしよう、という
ことになって、祇園から愛宕山をのぼって、途中
起こるさまざまなことを面白おかしく噺に仕上げた、
というもの。
野駆けというのは、そうだなぁ,,,,,,今で言えばハイキング
っていうところかな。

最初愛宕山を知らない二人は、「そんな山なんか
けんけんでのぼりますわ」なんて言ってたんだけど、、。
旦那がかわらけ投げの代わりに
大判小判を愛宕山の谷にばら撒いた
のを太鼓持ちの一八が傘をパラシュート代わりにして
谷に下りていったり、今度登るときは、そこに生えている
嵯峨竹をしならせた反動で、びよおおおんと上がってくる
とかいう、ちょっとシュールな部分もある噺。


すごくスケールの大きな表現力が要求されるし、
途中で音曲が何箇所か入るので下座の
お囃子の人との連携も要求される。愛宕山って
なかなか難しい噺だ
というのは後になって知った。


京都の地理が分かってる人間なら、祇園から愛宕山へのぼった
なんて聞いただけでこの噺なんて実際には「あり得へん」って
すぐに言うと思う。
だってさ、祇園から愛宕さんのふもとまで、すでに9キロ
くらいあってさ。そこから芸妓衆がよ、標高924メートルの山に
登る、っていうの。


俺ね、京都に住んでたときに、祇園の八坂神社の下の
祇園会館でオールナイトの映画を見て、早朝に祇園から
常盤の家まで歩いて帰ったことがあったけどさ。あのころは
まだ10代とか20代の前半で、体力だってそれなりに
あったけど、やっぱり歩いて帰るのは、ちょっとしんどかった。
祇園からだと常盤までは6キロか、それ以上あったものね。
だけど、愛宕山なんて、常盤からまださらに西へ4キロ
くらい行くんだよ。そこが山のふもとだからね。
そこから924メートルの登山っていうことになる。だから
まぁ実際には、あり得へん話、っていうことだろうって思うけど。

まぁそんな事実を落語に要求しても仕方がないしね。
おもしろおかしうに話ができてたら、それでいいわけだし、、。(笑)


オヤジに聞くと、戦前は嵐電の(京福電車)嵐山の駅から、
愛宕山のふもとまで、電車が走ってて、そこから愛宕山に
のぼっていくケーブルカーもあった、とのこと。
太平洋戦争の時に、無駄な路線、っていうことで廃止に
なったんだそうな。

ちょうど化野の念仏寺の辺りを走ってた、という話を聞いたことが
ある。

岡山から新幹線に乗るとね、大阪と京都の境の大山崎を
超えると電車は北を目指して走る。長岡京、向日町、
を超えて、桂の辺りで電車は緩やかに右にカーブして
桂川の鉄橋をわたる。 このとき北の窓に愛宕山が
見えてくる。
愛宕山を見ると、あ、京都に戻ってきた、って
胸がわくわくしてくる。右京区民だった俺にとっては
比叡山よりも家の窓をあけて毎日眺めていた
愛宕山が何といってもやっぱり愛着が深い。


ちょうど今頃になると、京都市内では、時雨が
起こり始めたりする。それまで天気はうららかに晴れて
いたのに、京都の背景をなす山々の稜線が白くかすんで
くると、さっきまで晴れていた空が急に白くなって。
山の辺りが白かったのが、さあっと平野部にまで
その白いかたまりが吹き渡ってくる。 それは冬のまだ
早い時期では、細かな雨粒だったりするのだけど、
冬が深まってくると、それはみぞれだったり、もっと寒くなると
雪に変わる。

下京の京都駅辺りでは雨だったものが
北大路では霙になって、洛北の八瀬あたりでは雪になる。

そんなお天気の変化を右京区民にまっさきに教えてくれるのが、
この愛宕山。愛宕山に雲がかかってくるとやがて雨が降ってくる。
愛宕山を見て、少し先のお天気の状態を知る、というのが
冬の右京区民の習慣だったりする。


京都の人にとって愛宕山っていうと、台所に貼る
火伏せのお守りがすぐに思い浮かぶんじゃないかな。
おくどさん(かまど)の前にはもう愛宕さんのお守り。
これは京都の人には切っても切り離せないようなものでしょう。

愛宕山には愛宕神社っていうのがあって、ここのお祭りが
なんとまぁ暑いさなかの7月31日晩から8月1日の朝に
お参りすると千日分のご利益がある、っていうんで
この時におまいりする人が多い。バスも終夜運行する
みたいだし、、。

その暑い中にこの愛宕さんにおまいりして火伏せのお札を
いただいてくる。苦行の末にいただくので、なんだかご利益も
倍増(笑)のような気がする。(笑)

Atagofu_2


謙介の場合は、学校の愛宕山登山。 
冬になったら、体力をつける、っていうので愛宕山登山、っていうのが
必ずあってさ。まぁだけど文化系だった俺たちは冬場だけだったけど、
運動部の連中は、もう週末のたびごとに
トレーニングでひいひいいいながら、この愛宕山に登ってた。
だって、924メートルもあるんだもん。なかなかハードだよ。
「けんけん」でなんかとても上がれませんわ。(笑)

落語の『愛宕山』を聞きながら、
そういえば、とあの頃のことを懐かしく思い出した謙介なのでした。


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