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07. 11. 22

After the Game(その6)

「暑いよ,,,,,,」と佐藤さんが言ったので、俺はさっきかけた
毛布をはずした。彼のビキニが見えた。 それから何かの
スポーツでもやっているのか、無駄のない、とてもシェイプされた
身体のラインが目に入ってきた。


俺はそのビキニに手をかけた。ゆっくりと下へ。
ピクン、と彼のペニスが現れる。赤黒くそれは
そそり立って、俺の視線を釘付けにする。右手を
あてがいしごいてみる。
「ああっ、あ、ハ、ハ、あ、イイ。」
再び乳首に唇を這わせる。
「あっ、あっ、あーっ。」
佐藤さんは身体を弓なりにして、あえいでいる。
「気持ちいいッスか? 」
「あ、いい、いい、いい、 も、もっと、もっと、吸って。」
乳首を歯でやわらかく噛んだあと、 
舌でゆっくりとその突起の先をなめてみる。もちろん
ペニスへの刺激も忘れない。
「あ、あ、もう、も、はあっ、あ、あ!」
佐藤さんの手が小刻みに震えている。 それは何かをつかもうとするかの
ように、丸くそろえられた形で細かくケイレンしている。
その手に何をつかもうとしているのだろう。
何がつかみたいのだろう。
手は、空で 握られたり放されたりしている。


俺は、手の刺激を緩めたり、また激しくしたりしてみる。
佐藤さんは、切なそうにあえいでいる。眉間にしわを寄せ、
短く息を吐き、身体をしならせて刺激に反応する。
呼吸がもっともっと浅くなって、声が短くなり
トーンも上がってきた。

「ハアッ、ハアッ、あ、い、い、いいっ。も、も、もっと,,,,,,。」
俺はその声に佐藤さんへの刺激をもっと強くした。
「あ、だ、だめ、い、イク。イクゥ,,,,,,,,,」
頭を枕に深く食い込ませ、思いっきり反られた身体から、
白い矢を放つように、佐藤さんは射精した。

しばらくして、俺はベッドサイドのティッシュケースから
がさごそと何枚もペーパーを取ると、佐藤さんに渡した。
「サンキュー」と、彼は言って、それを受け取ると、自分で
拭いた。
「ありがとう。じゃあ、これ。」 彼は、ベッドサイドに置いて
あったセカンドバッグからマンサツを2枚俺に出した。
「あ、どうもありがとうございます。」 と俺はちょっとニコッと
してそれを受け取った。
「もう帰っていいよ。」
言われなくても帰るけど、さ。と俺は思った。
終わってしまったら、もう用はない、ということなんだね。

俺は急いで服を着ると、もらったお金をポケットに押し込んで
スニーカーをはいた。
「じゃあ。」 そう言って俺と佐藤さんは別れた。
何の感情の行きかいもない。
あとくされもない。1時間、相手の身体のすみずみまで
見ておいて、体温を感じるまでしておきながら
終わったらまたお互い知らない他人に戻る。
ふう。俺はためいきをひとつつくと、
来た時同じように
エレベーターに向かって歩きはじめた。

                   (つづく)


        ×       ×         ×


このハルくん、バイトでウリ専をしてる訳ですが、
謙介、この小説を書くにあたって、その当時大阪ミナミの
ある店でウリ専をしていた、○イイチロウくんに
お話を聞かせてもらった。 いえいえ一切ややこしい
関係はなくて、昼間、難波のカフェでインタビューみたいに
話を聞かせてもらった、っていうことなんだけど。

「どういうシステムなの?」
っていうのにはじまって、お客さんのこととか、、。
自分がなぜこの仕事をしようと思ったかとか、
いつもはどういう生活をしているのか、とか。

彼がウリ専をしはじめたのは、「ゲイ道」を
極めたかったからなんだそうな。 和歌山の出身で
そのときは昼間はコンビニで働いてる、という話だった。

それから1年くらいその店のスタッフのところに
彼の写真があったけど、やがて彼の写真は
なくなった。

今、彼はどこにいて、どうしているのだろう。 
この原稿を起こしている時、ふっと彼のことを
思い出したりした。


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