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07. 10. 01

へつりまくりたいかい

ご無沙汰しています。
最近は、今かかっている原稿のせいで
なかなかほかの文章まで、ということができにくい
状況です。 

というのが、なぜかといいますと、あれもこれも
書くと俺の場合文章が荒れてきます。
2つとか3つの別なものに同時進行で文章を書いて
自分で書いたものを後から読み直してみると、
表現がひとりよがりで、ほかの人から見てもらったときに
これでは何を言ってるんだか、、ちょっと分からんやろ、
とか、文章の構成が全然できていない、というようなものが
いっぱいあって、
やはりひとつのものに集中して、、ということになりました。

よく伺わせていただくサイトでさえ、
書かれている文章を読ませていただいて、
あはははは、と笑っては、また引き返す、というだけになっています。
住吉さんの紀行も書かなければなりませんし、
ミャンマーで先日至近距離から撃たれて亡くなった方は
こちらの地元の方ですし。(隣の市の出身の方です。)
書きたいこと、思っていることは多々あるのですが
思うに任せない、今日この頃です。

自分の原稿そのものは、最後までは書かれてはいるのです。
ただ提示された原稿枚数が100枚で、最初に書いた文章が
130枚。(笑)
なので、それを今、あそこの部分は削る、ここは残す、
という作業をやっています。
題して「へつりまくりたいかい」(笑)
けずる、ということばとともに、同じ「削る」で「へずる」と
いう読みの言葉も
あります。この辺では「へつる」と言ったりしますが。
大工さんなんかは「へつる」「はつる」という言い方をよくしているようです。
「へつりまくり」で、目下文章をじゃんじゃん削っているわけです。
今は130枚の原稿が106枚にまで削られました。
もう少しです。(笑)

俺は自分の書いた文章は必ず後から点検します。
それが「文字」や「言葉」や「自分自身の言ったこと」
についての「責任」だと思っています。

それもありますし、もうひとつは
国文学科出身の性(さが)みたいなものかもしれません。
性といいましたが、実はこの作業、俺、好きなんですよ。

文章をひたすら削っていきます。
どこまで削ったら、文章の意味が取れなくなるか、これ以上削ったら
何のことやら分からなくなるなぁ、と思うそのぎりぎりまで
削っていきます。
首の皮一枚残す、というところまで文章を削ります。
そのころあいを考えながら削るって、
結構スリルがあって面白いのです。

ただ、この作業は長時間することができません。
じっと同じものとにらめっこしていたら、
別な見方、というのができなくなってしまいますから。
テーマをここに持ってきたら、という目でじっと見ていたら
文章のここは残さなければ、と思うのですが
テーマをずらしてみたら、「あ、これは要らないな。」
ということになります。
そんなことを考えながらどんどん削ります。


文章を書くときに、いくつか大切なものがありますよね。
ひとつはテーマ。
それから構成。構成は文章の組み立て、骨組ですよね。
骨格のしっかりした文章でないとね。 二行ごとに自分の
言いたいことがどんどん変わったとしてみてください。
一体何が言いたいのやら分かりませんよね。


それから小説の場合はそれに「文体」という要素が入ってきます。
こないだ、小説を書いている、という人がいたので、
文体はどういう感じで書いていきますか? って俺が聞いたら、
「文体って何ですか?」 って
逆に聞かれてしまいました。

テーマが背骨として構成が骨格としたら、文体は筋肉だったり
服だったり、要するに大雑把に言ってしまうと外見全部、ということに
なろうかと思います。

 文体というのは、作品を書くにあたっての文章のスタイルですね。
 文体をどうするか、で書かれた文章全体のイメージがずいぶん変わってきます。
 ですからよくよく文体と小説のテーマにあった文体を考えないと
 ものすごいミスマッチになってしまうことがあります。


 文体とは、文章のスタイルだ。
 文体の選び方ひとつで、文章のイメージは
 ガラリと変化する。
 だからこそ、書くテーマにふさわしい文体を
 選び出さなければならないのだ。


だいたい先に書いたのと同じことを言おうとしてはいるのですが、受ける印象は
いかがでしょうか?

下がわの文体は、「ビジネス書」でよく使われる文体です。
ビジネス書はオッサンが多く読みますから、文章を簡潔もしくは断定的にします。

オッサンという人種は短気ですから、すぐに「成果」を欲しがるのです。

(すぐに「結果を出す」だの「結果を出せ」だのなんて言う
特に体育会系のオッサンがいますが、
ちなみに結果は「自然に出る」もので、「無理に出す」ものではありません。
自然にそうなるから「結果」なのです。何度も言っているのですが、
「結果を出す」というのは、矛盾した言い方で、たとえて言えば
「頭が腹痛になった」と言っているようなものです。)

ビジネス書というものは、新幹線のぞみの車中、1時間半ないしは2時間で、
一冊読めるということを前提に書いています。
そういうものでないと、ビジネス本は売れません。
ですから文章は、短く、断定的に
持っていかなければなりません。
それがビジネス書に合った文体、ということになるのです。

ですから、文体を考えることは大事です。
小説の読む層は、どういう人をターゲットにするのか
男の人を主体にするか、男女両方なのか。
年齢層はどれくらいの人を想定するか、
そういうことを考えた上で、文体を決める、ということをします。
え? 小説書く人って、そういうことをやってるのか? 
とびっくりされた方もおいでになるかもしれませんが
はい、ちゃんとそういうことは、やっているんですよ。

漫画家とか小説家には出版社から担当の「編集者」という人がついていて
その人が「センセイ、今度は、団塊の世代向けに、愛と性欲をテーマにした
作品をイッパツ、書いておくれんかなもし。」というわけですね。
すると小説家は、「愛と爛れの日々、とか言うタイトルで書いてみようかのう」とか
担当編集者と相談ができて、書きはじめるわけです。

ほら、よく本を買ったら、本の中に読者アンケートなんて入ってるでしょうに。
その裏見たら、必ず「取り上げて欲しい内容・テーマ」って
あるじゃないですか。それが編集者の分析を経て、作家さんのところに
行くわけです。こういうのを書いて、って。
だから、そういう対象を設定して文章を書く、ということは
プロなら誰しもやっています。俺がこういうと、オレは別に作家じゃないから
そんなの関係ない、っていう人がいるかもしれませんが
別に作家でない人だって
それがすごく必要なことだってありますよね。
仕事でプレゼンテーションなんかしたり、商売なんかするんだったら、
「対象」をどこにおくかとか、どういう年齢層に向けて売り出すか、、
なんて考えるのは当然のことでしょ?
だから別に作家じゃなくても、そういうことは案外、商売とかビジネス
なんかしている人も考えていたりするものなんですよね。


今の作業、もう少しで終わりそうです。
いや、終わらざるを得ないです。
(早くおしまいにしたい 笑)
締め切りももうすぐですし。
「かちかち山のタヌキさん」の心境で
目下原稿を読んでいます。


いつの間にか10月ですね。
ただ、四国は本日も30度。
まだしばらくクーラーが稼動しそうです。

とはいえこれから秋もいよいよという時期ですね。
どうぞ、充実の秋をお迎えくださいますよう。

(今日は文体を変えて書いてみました。笑)


(今日聴いた音楽 ニューヨーク・ニューヨーク フランク・シナトラ 歌
 1990年盤)
 


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Comments

 うちとこは誰専なんで(違),文体がわけわからんよーになっちょります・・・って,単に本人がわけわからんだけ(失笑)

 そうそう,結果を出すって妙ちきりんな言葉ですよねえ。こんな言い回し,いつ頃から定着したんだか・・・;;;

 ところで「文体」を知らなかった人,小説じゃなくて小話を書いてたんでは?(苦笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 10. 02 at 오전 12:52

建築業の会社に勤めてるので「へつる」は日常語です。
請求書に「ヘツリ出面半日8,000円」(へつり作業を半日おこなった工賃が8,000円)とか書いてあります。出面(でづら)も最初は読めませんでしたが、出勤と言った意味でしょうか。大工の親方が弟子のことを「今日はあいつ、ツラだしてるか?」って言うのは普通ですから、出面=出勤と言うもの納得できます。

Posted by: yasu | 07. 10. 02 at 오후 10:38

----Ikuno Hiroshiさん
 文体って何? って聞かれて、こちらとしても驚愕したんですけどね。
 でも、他のジャンル、たとえば音楽でも、
楽譜は読めなくても作曲はできるから、それと
同じなのかなぁ、とも思いました。
 結果を出す、って、多分、「成果を出す」と
混同してたか、覚え間違いしてて、成果と言わなきゃなんないところを、結果、と言っちゃったんでしょうかね。言ってる本人は、「結果を出す」ってカッコいい、と思って言ってるんじゃないですかねぇ。それが、却って聞いていて痛々しさを感じたりします。

Posted by: 謙介 | 07. 10. 02 at 오후 11:36

----yasuさん
お久しぶりです。お元気ですか?
そうですよね。建設・土木関係は、「はつる」ってよく使う言葉だと思います。
今年も10月。そろそろ顔見世の話も、現実的になってきました。うちの姉は、先日海老蔵のカレンダー(篠山さん撮影)を注文した、と言っておりましたが、もうそういう季節ですね。今年の師走は、南座へはいらっしゃいますか? またお話聞かせてください。楽しみにしています。 

Posted by: 謙介 | 07. 10. 02 at 오후 11:40

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