因果な出張
と、言っても、俺が、というのではなく、もちろん同僚の出張、なんだけど。
彼が出張で大阪に行くことになった。
「出張が急に決まったんやけどね。」
「どこなんですか?」と、聞くと
「大阪。」 そう言って彼はすごく嫌そうな顔をした。
「ああ。それは、それは。命がけですね。」
「そうなんだよねー。あーあ。」
いえ、誤解があってはいけないので言っておくと
彼は大阪の街が嫌なわけでは決してない。
問題は大阪までの移動の交通手段、なのだ。
この辺からだと、大阪へは、飛行機、というのが手っ取り早い。
JRなんかで行ってると、まずここから岡山まで出なくてはならない。
それに2時間半くらい。岡山で、電車を乗り換えて、
一階からどっこいしょ、と三階に上がって、それで、、また新幹線に乗り換え。
で、そこからは、最速の、「のぞみ」だと40分少々で新大阪へ、ということになる。
だけど移動とか接続の待ち時間とか入れていたら、
結構な時間になるし、それよりお尻が痛くなってしまう。
それじゃ、広島へ行こうとしたら、広島港までは、高速艇で1時間ちょっと。
広島港は市内の南の端だから、そこから電車に乗るなりタクシーで広島駅まで
行かなくちゃなんない。5分や10分以内では無理。
時間がかかる。だから広島経由で大阪はあまり考慮の範囲には入らない。
それから、四国の特急はみんな振り子式なので、カーブで
ぐぐぐぐ、と車体が傾く。仕事の準備をしようとして、うつむいて
パソコンなんかを席で叩いていたら、気分が悪くなってしまうことも
多々あるのだそうな。(俺は平気なんだけど)
だから、大抵は飛行機の移動になることが多い。
ところが、その飛行機が実は問題なので、
みんな大阪出張と言うと、嫌そうな顔をする。
だって、大阪伊丹線の使用機材って、あのボンバルディアなんだもん。
ちょっと前に高知”龍馬”空港で胴体着陸したあれです。
実は、あの時は、さすがに胴体着陸で、
一歩間違えていれば大惨事、という
すごいことになったから、マスコミも通常番組を切り替えて
全国中継、なんていうことになって、
みんなの耳目を集めることとなった。
だけど、あれ以前にだって、しょっちゅう
あのボンバルディア機の異常は起こってたもの。
全国ニュースにこそならなかっただけで、
やれ油圧系統の異常を示すランプがついて引き返しただの、
部品が脱落してしまっただの、
車輪の一つが出なかっただの、
何も異常がないのに、警告ブザーが鳴っただの
(鳴ること自体が異常 笑)
もうねぇ、ひどいときは、一ヶ月に2回や3回はこんな異常が起こっていた。
地元のローカル紙だって見出しに
「またも」 という言葉がつくくらい。もう日常茶飯事、ってこの機材のトラブル
だね、っていうくらい。
そんなトラブルをしょっちゅう見てて、あの飛行機のことをみんな知ってるものだから、
大阪出張=ボンバルディア機ご搭乗→あらま、大変だね。 という反応が出る。
中には、「お祓いでもしてもらわなくちゃ。」といいはじめる奴もいるし、
「いやいや、精進潔斎をして、そうだお酒断ちくらいはしないとね。」とか
言い出す連中も出る始末で。
(みんな、ボンバルディアにかこつけて、言いたい放題ですが。)
まぁそれでも彼はその後、パソコンを叩いて、飛行機の予約を入れて
いたけど。ぶつぶつ「しゃあないなぁ。」とか何とか言いつつ。
今度は別の同僚が、高速バスの予約をすることになった。
それで、自分の家からインターネットで、バスの予約を
することにしたんだそうな。
で、高速バスのサイトをあけて会員なので、会員番号を入れて
パスワードを入れて、で、予約をしようとしたらしい。
「それがさ、何だか知らんけど、次のページへなかなか変わらないのよー。」
(ちなみに彼女の家は○レッツ光)
「で、いらいらしながら、何とか入力できて、予約確定のクリックを
したら、またしばらく待たされてさ。ここまでで5分以上はかかってたわ。
で、すると画面が出たのよ。ワタシ、それを見て、画面にアホーって言ってやったわ。」
「何て?」
「予約できませんでした。もう一度お願いします。」
「なめとんか、こら。の世界やね。」
「もう馬鹿馬鹿しくなったから、2時間して、予約センターの
開始時刻に電話して、電話で予約しちゃった。」
「すぐできた?」
「だって、行きの便言って、帰りの便言って、名前、電話番号言ったら、予約コード
教えてくれて、それでおしまい、だもん。30秒よ。全然滞りなんてなかったし。
インターネットなんて、もうあれは時間かかりすぎ。
パスワードだってさ、一緒にしておきたいのに、サイトによったら
4桁でなければいけません、とか 6桁で英文はなし、数字だけで、
とか、6桁以上、英数字で、なんていうふうにいろいろ規格が
ありすぎ。だから、パスワードを一緒にしたいのに、できない!
そんなパスワードなんて、すぐ忘れるし、、。ああメンドクサ! 」
そう言って彼女はずいぶん怒っていた。
どの方法がいちばんいいのか、って、感覚として、ではなくて、
実際にやってみてどうか、っていう
中身だってよく検討してからその方法を選ばないと、
どっちがいいんだかよくわかんない、っていうこともあるよね、、
なんていう話をした。
仕事帰り、早く帰ることができたので、一度家に帰って、荷物をおいてから病院に行く。
夏休みなんて病院にはないとは思うのだけど、
今日はいつもに比べて、何となく患者さんの数が少なめで、
広い内科外来が、ちょっとがらーんとした感じだった。
先生に夕方になったら微熱の出ることを言う。
あまり熱が上がらないので、解熱剤も使えないし、、。
しばらく様子を見ましょう、とのこと。
帰り、田んぼの中を吹いて来る風が、あれ、と思うくらい
涼しくて、ちょっと驚いた。 そういえば、例年なら朝の6時くらいで
すでに30度を越えていて、ムシムシするくらい暑いのに、今年は、
ずっと早朝はさわやかで気温も23度台。思わず秋が来たのか、なんて。
今日が立秋だものね。
とはいえ、まだまだ暑いです。
どうぞお身体ご自愛ください。
残暑のお見舞いを申し上げます。
(今日聴いた音楽 聖ドミニコをたたえるミサ から
キリエ。ライナーノーツ 不明。 いつの間にやら手許にあった
カセットから。 今日8月8日は、聖ドミニコの祝日なので、
それにあわせてみました。)
« じゆうけんきゅう | Main | 座禅会 »
「くらしのこと」カテゴリの記事
- 腕時計(2011.07.11)
- 筋トレ評論家にでもなれってか。(2009.08.17)
- イミダゾール・ジ・ペプチドの摂取について(2009.08.03)
- ホテル仕様のタオル(2009.03.19)
Comments
こんにちは。
自分は田舎が福岡なので、
東京から里帰りするとなると、
やはりどうしても飛行機なんですね。
羽田ー福岡には話題のボンバルディア機は
就航していませんけども、
それでもこの飛行機ってやつ自体が
とっても怖いんです。自分。(笑)
「あぁ、今、空の上にいるんだ、
この足元には地面がないんだ・・・」と、
恐ろしさと不安で乗ってる間中ソワソワ。
ある時、これを何とかしようと
iPodを持ち込んで見ましたが、
もし今落っこちたら最後に聴く曲はコレなんだ・・・
と、これ以上ないほどのネガティブっぷりで。
やっぱりだめですね飛行機ってやつは(笑)
ANAだとネットでチケットを買うと、
2%割り引きだったんですけど、
この割引ももうすぐ撤廃になるそうです。
それだけこのネット予約でチケットレスと
いう形が普及したという証拠でしょうか。
Posted by: b-minor | 07. 08. 09 PM 1:02
---b-minorさん
たまに話相手に、福岡空港を「板付の飛行場」と言って、「はぁ?」という顔をされるイタイ奴です。東京⇔福岡なんて、もう幹線中の幹線ですから、みんな大きな機材ばかりの就航で、いいですよー。そうですよね。飛行機が滑走路の端までがたがたと移動する間に、確かに緊急時の脱出方法とか、非常姿勢の取りかた、とかスクリーンでやってくれますけど、いざ飛行機が離陸して、空に飛んでしまった日には、下を見たら、ここから墜落したら、そりゃあもうダメだな、って思ってしまいますよね。以前中国にいたときに、中国民航に何度も乗る機会がありましたけど、雷雲の中を突っ切ったり、悪天候で他の航空会社はみんな引き返したのに、俺の乗った便だけ強行着陸したり、とずいぶんハラハラさせてくれました。(スリルというか、サスペンスというのか。)ずいぶん寿命が縮まった気がいたしました。(笑)
Posted by: 謙介 | 07. 08. 09 PM 7:37