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07. 07. 05

データはウソをつく

今読んでいる本がこれ。「データはうそをつく」

Tanioka_1

先週の日曜日の晩。実家に戻っていて部屋で本を読んでいたら、
「ご飯できたよ。」というオフクロの声。
いつもは手伝うのだけど、ちょっとその日は朝から立ちくらみをしたりしていたので
「寝ときよし」というオフクロの言葉に甘えてありがたく休んでいた。
「今日は高野豆腐炊いてみたん。」と言って高野豆腐とにんじん、しいたけの煮物とか
ご近所のおじさんがキス(魚)を釣ってきたのをくれたので、そのてんぷらとかが
テーブルに並んでいた。
ご飯をよそいながら、オフクロが言った。
「今日、あんたが寝てたときに、なんや放送局から電話がかかってきたえ。」
「何の電話。」
「参議院選挙の件についておたずねします、、。って。」
「ああ、世論調査ね。」
「なんや無作為に抽出した電話番号で、RBB方式で、、とかややこしいこと言わはって。」
「それで答えたん?」
「私、機械になんか放り任せるその態度が気に食わんから切ったった。
ちゃんと人間が応対せぇ、って思ってムカムカ腹が立ったわ。」とのこと。
うちのオフクロさんは、ああいう調査を、機械がするっていうのを
すごく怒る。
いやしくも人に意見を伺おうっていうんなら、ちゃんと丁寧に人間が
言って来んとあかんやろ。失礼やわ。というのが彼女の主張らしい。

この調査、いつだったか、俺の仕事場のほうの家にもかかってきたし、
同僚の家にもかかってきたらしい。何せ今年は選挙の年だから
こういう調査、選挙前になると、どこもやるし、その上、各報道機関ほとんどが
やるもんだから、もう頻繁にかかってきたりする、ということになるようだ。
でね、仕事場で話が出たときは、「機械音声のほうが、さっさと調査してもらえて
いい。」っていう人もいたんだよ。だからこの調査方法については、受け取り方が
人それぞれなんだなぁ、って思った。

片方で機械的なのがいい、って言う人もいれば、機械なんかに任せて、、失礼な
って言う人もいて、、。(笑) ホント、調査の前段階の「方法」ひとつとっても難しいね。

で、俺のときも、もちろんRBB方式で、もう機械音声だった、っていう
ことなんだけど、その調査を受けながら、思ったことは
こんな調査いくらしても、大した意味ないじゃないか、って思った。

だってさ、質問はともかく、質問の答えはア~オのどれかにしてください、
っていうの。答えが最初から決められているんだよ。
そのときだって、俺、質問聞いてて、自分の回答が
向こうの出してきた回答案のどれにも当てはまらない、
っていうのがいくつもあったんだけど、そういうのはダメなんだって。
無効だってさ。


そんなのだったら、最初から選択の余地が大してないし、結局答えを
その報道機関の持って行きたいほうに誘導してるのと同じじゃないか。
何だバカバカしい、って俺、思った。以来あんな調査なんて、
どれくらい意味があるのかねぇ、ってちょっと懐疑的。

それから一昨年だったかな。
○日新聞社から出てる○コノミストっていう雑誌があるんだけど
その雑誌があるランキングを出したら、俺の仕事場が
全国で4位とかなってて。420くらいある施設の上から4位って。
そこで働いている人間、全員がひっくりかえった。
その雑誌が出て暫くして、会議があって、当然その話になったけど
みんな冗談違う? って笑ってさえいた。 だって信じられない、っていう
ようなものだったもの。
だけど、確かに、そこに書いてあるようなデータを使って計算したら
そういう数値が出るの。出はする。けど、何か実態を素直に反映していないんじゃ
ないか、ってみんな思ってた。だからウソやろーなんて言ってたんだけど。
まぁそれだって、データが果たして信憑性があるのか、っていうような話でさ。(笑)


まぁこういうことが自分の周囲には多々ありましてですね、先に挙げた↑の本
を読んだから、思わずそうそう、って思えるところが多々あった、ということなんだ。
あんなマスコミの調査って、大して参考にしないほうがいいと思うよ。
それより、自分で、きちんと考えて答えを出したほうがずっといい、って思う。

それから俺が政治にほとんど関心をなくさせた人っていうのが居てさ。
それは誰かっていうと、「高野豆腐炊いて、キスのてんぷら」
作ってくれた人だったりするの。
そうそううちのオフクロですよ、その原因を作ったのは。

あの人、今ではもう仕事も退職して、家で主婦なんかのんびりしてるけど
ずっと勤めていたんだよ。30何年間も。
お勤め先は、議会事務局だった。異動もなくずっと議会にいた。
市町村レベルじゃなくて、もうちょっと大掛かりなところの議会事務局。
最後は課長補佐くらいまでなって、辞めたって記憶してる。
でね、まぁホントはああいうの、言ったらダメだとは思うんだけどさ、
(守秘義務守秘義務。)
だけど、家に帰ってきて、たまにマシンガンみたいに職場の愚痴を
言うことがあったんだよ。オフクロの場合議会で働いていたから
愚痴というのは、そのまま困った議員さんのことだったり、
困った政党の話だったりした。

○○党って、選挙で負けて議席が少なくなって、議員控え室の広さが
狭くなって、その工事をすることになったんだけど、その工事の
ドサクサにまぎれて、いっぱいその控え室のついたてとか置物とかっていう
備品を取って帰ったとか。(備品だけでなくてご丁寧に
トイレットペーパーまで持って帰ったそうな。)
オフクロは言ってた。
「フン、そのくせ選挙になったら、憲法9条を守りましょうとか人の暮らしを、
福祉を守ります、とかわぁわぁ言うてはるけど、そういう備品とか
施設のものを平気で黙ってこっそりと取って帰らはるような、人の道
踏み外すようなことは、やってもええのん? 」とか。

「××議員さん言うたら、今日はワシはブンキョー委員会に出てたことに
しといてくれ、って言わはるの。 どこ行ってたんか知らへんけど。」とか。

もうねぇ、俺が物心ついたときには、うちのオフクロ、オヤジとそんな話をしてたように
思う。さすがに自分の娘、息子が中学に入って、社会科で公民を習うように
なった一時期は自粛してたけど。(笑) 俺が高校に入った頃なんかはオヤジと姉に
そんなこと話していたみたい。

選挙になって、街頭演説じゃあ、すばらしいことを
言ったり、かっこいいこと理念なんかを言いながら、備品をこっそり
持って帰るとかいうようなことをしたりするんだね。っていうことが
分かっちゃった。
まぁそういう話を物心ついてからずーっと聞かされてきた俺にとっては、
政治家って、なんてまぁ、、、やれやれ、っていう人種なんだろう、
って思った訳ですよ。あんな連中が平和とか国を守るとか福祉を
って言ったってうそ臭いだけだもの。
まぁ選挙には行って、ちゃんと投票はするけど、
でもそれだけ。 その程度の関心しかない。
姉のほうもおんなじみたいでさ、時々言うの。
「ワタシ、わきの下見せて何でも
手ぇ挙げてハイハイ言うオンナ、ホンに好かん。」
ふぅん。女の人もいろいろな考えを持った人がいるんだな、
ってこの言葉聞いて、俺は思った。


まぁそういうオフクロの薫陶の賜物(笑)で、謙介さん姉弟は
すっかり政治不信、政治家嫌いになりました、という訳なんだ。
ただ、誤解はしないでね。他の友達とか、知り合いがそういう
政治活動をやってるのは、すごいなぁって思うし、
やったらいいんじゃないか、って思う。
あくまで自分の中では、醒めてしまってる、っていうことね。

(今日聴いた音楽 ムソルグスキー作曲 組曲展覧会の絵
 ピアノ演奏 スヴャトスラフ・リヒテル 1958年 モスクワにおける
 録音)
 


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