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07. 07. 10

小説の登場人物の名前について

小説を書いていて、俺の場合、案外困るのが、登場人物の名前をどうしようか、
ということ。
あれ、結構悩む。

ホラ、今ドラマでやってる例の(笑)「花ざかり、、」ってさ、
関西在住・出身の人間なら、登場人物の名前を聞いたら、
ああ、って思うよね。
だって、登場人物の姓のほとんどが、私鉄の駅名から取ってるもの。

中津、上新庄、水無瀬が阪急線、それから女の子の名前で花屋敷ひばり
っていうのがあるけどあれも雲雀丘花屋敷っていう阪急線の駅だし。

だけどさ「ひばりがおか・はなやしき」ってなんとなくゴージャスな
感じの駅名だと思わない?

萱島、樟葉、野江、関目、門真が京阪線(京阪が一番たくさん使われているような気がする)
四条は、京阪と京都市交通局の両方(笑 でも作者の意識としては多分京阪だろうけど。)
西院は阪急と京福の両方
帷子ノ辻は京福。俺、この帷子の辻の次の駅の常盤に住んでいたから、
これはちょっと懐かしいなぁ。

っていうような具合で、ほとんどが関西の私鉄の駅名から。
(それが、近鉄線・南海線になるとほとんど出てこないんだよね。
このへんに、作者の意識っていうのか意識の範囲なんかが読み取れて、
これはこれで微妙におもしろいなぁ、って思うけど。)


まぁそれはともかく。
登場人物の名前って、結構困るんだ。
流行りのかっこいい、っていう名前を持ってきて、(たとえばテッペイとかトウマとか
アユムとか。)そこに入れるだけだったらどんなに簡単か、って思う。
そんな簡単なことじゃないもの。

俺って、原稿を書いた後で、原稿を声に出して読む、っていう作業をするから
文章の中に文字として書かれてて、それが出てくるだけじゃダメなの。
え? どうして音に出して読むか、って?
今、パソコンだと、字の変換だって機械のソフトが勝手にやってくれるよね。
だけど、機械だから当然間違っているのもあるし、、。
それから本人は正しい文章を打ってる、って思ってその実間違ってたりするし。
だけど、それは見てるだけでは間違いが見えてこなかったりする。
ちゃんと声に出して読むと、あ、変だ、って案外すっと気づくもの。
だから音に出して読む、っていう作業を俺は必ず入れてる。
耳からだと、間違いに気づきやすいもの。
目だけだと、「間違ってないつもり」で、勝手に意識が修正して
読んじゃうからさ、案外間違いに気がつかない。


だけど、困るのは、書いてる本人に、間違ってる、っていう自覚がないときだね。
前にも言ったけど、
どうしてみんなガチムチ体型の「たいけい」っていう字、
「体系」って書くんだろ? 
そんなの身体の形なんだから、「体型」に決まってるじゃないか。
体系、って思想とか、考え方の大きな筋道のことだよ。(笑) 
たぶん、熟語の中に「体」がついてるから間違いない、なんて思ってるんだろうけど
でもそれは誤字だよ。 きっと誰も注意してくれないから、気がつかないで
使ってるんだろうけどね。

こういうのって、本人が誤字を誤字だって思ってなくて使ってるし、
周囲の奴も間違い? とか知らないで使ってるもんね。だけどそういうのが
一番問題かもしれない。

でね、出てくる人の名前を、
字面だけで、あ、これカッコいい、って持ってきても、それを
口から音に出して読んでみたら、書いた文体と微妙に違和感のある場合
だってあるもん。もちろん字面っていうこともあるよ。字の表記によって
受ける印象が違ってくるからね。だから字面と音と両方考える。


なぜ音なのか、っていうと、
だって音がいいと、読んでる側の脳裏にさっ、と刻印づけられて
印象に残ってくるもの。まぁそんなこと言ってたって、小説の中に
何度も出てきてたら、いやでも覚えはする。だけど、だけどね、
その小説を読み終わって、暫くしてから、ハイ、この小説の登場人物の名前は?
って聞かれて、覚えてる? (笑) 読んだら読んだハナから忘れていってたり
しない? 

ましてや、ゲイの小説なんて、ズリネタ、って割り切って思ってる人に
とってみれば登場人物の名前が「直哉」だろうと、「直也」だろうと、
「ナオヤ」だろうとそんなもの、どれだっていいんだろうとは思う。


直哉がぐっ、とケツを持ち上げる。 昌彦はそのヒクヒクとしている毛のない
きれいな直哉のアヌスに、ローションでてらてらと光っている人差し指をゆっくりと
挿入させる。差し込んだ指をゆっくりと大きく動かしてみる。
「う、ん、 あ、 はあっ、、」と思わず直哉の声がもれる、


こんなのをもっと書け、っていうようなものでしょうに。(笑)


じゃあこっちは? 


ナオヤがぐっ、とケツを持ち上げる。 昌彦はそのヒクヒクとしている毛のない
きれいなナオヤのアヌスに、ローションでてらてらと光っている人差し指をゆっくりと
挿入させる。差し込んだ指をゆっくりと大きく動かしてみる。
「う、ん、 あ、 はあっ、、」と思わずナオヤの声がもれる、


直哉とナオヤって、字から受ける雰囲気、こうやって文章の中に入れて比べたら
ほら、やっぱり違ってる、って感じがしない? 
だから字から受ける印象ってやっぱり俺結構あれこれと考えたりするんだ。


それから名前の音の最初を「K」音とか「T」音とかのはっきりとした音にするのか、
やわらかめの音にするのか、っていうのも考えるんだよ。やっぱり元気で
バイタリティがあって少々のことではへこたれない強さを持った奴なら
そういう硬い音の始まりの名前にするし、ちょっとおっとりとしてて、
のんびりしてる感じの奴だったら、もうちょっとやわらかめの音の名前にするとか、
そういうことを考える。


とはいえ、最近なんて考えるのがいい加減面倒でさ。(笑)
前にもサイトのほうで書いたけど、
俺が使ったのは、新田くん、浅間くん。
これは昔の日本を代表する客船の名前、
新田丸、浅間丸 からとった。
後、高野くんに三峰くんに、紀伊くんに。これは新宿にあるお店だよね。(笑)
え? 謙介はさっき名前、あれこれと考える、って言ったくせに
船の名前に、店の名前って、そのほうがイージーじゃないか、て、
言われそうだなぁ。(笑)

最近なんかもっと不精になって、どうするか、って言ったらさ、周囲にいる友達の名前で
かっこいいのがあったら、「貸して」って頼んでしまう。
何? っていうから、「俺が今書いてる、小説の登場人物の名前なんだけど、
オマエの名前、かっこいいから(ここを強調)、登場人物の名前に使いたいんだけど
許可してくれる? 」って聞いてみる。
名前貸す、たって、借金の保証人とか、何かの契約の名義貸しじゃないし、
友達いい奴ばかりだから、「いいよ」って、大抵ご許可をいただける。
前回書いた小説なんて、そのお借りした名前を主人公の名前に
設定して書いたりした。

今、実はとりかかりつつある作品がひとつあるんだけど、
それはとりあえず「僕」ということで書いていってる。
名前を設定しなきゃならなくなったら、そのときはそのときで考える、
といういうことにして、とにかくぽつぽつと書いているところ。

登場人物の名前。
いつも悩むことになって、
それが結構悩ましい。
やれやれ。

(今日聴いた音楽 SOFTLY, AS IN MORNING SUNRISE
-朝日の中で微笑んで-  ウィントン・ケリー トリオ 演奏
 アルバム KELLY BLUE から 録音は1959年3月
 ニューヨークにて。
 ジャスの名曲中の名曲で、いまさら説明なんて
 要りませんよね。)

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Comments

名前ってむずかしいですよね。
以前、人名辞典みたいなサイトを眺めながら、設定年齢の人がどういう名前なのかを調べていたことがあります。なんかリアルじゃないか?と思って。

でもいま自分の小説見てもどれだか思い出せません。
普通の名前なのにその人物として妙にハマっている、そういう風な名前が毎回バシッと決まってくれればいいんですけど。

あと声出し読み、今度自分もやってみます!

Posted by: 桜庭 | 07. 07. 11 at 오후 8:06

----桜庭さん
 桜庭さんの小説に出てくる主人公の名前なんてカッコいいじゃないですか。あ、でも、やっぱり苦心されていらっしゃるんですね。よかった、と。安心しました。(何だそれは、って突っ込み入れられそうですが。)音読、原稿書いてから、その後で、是非やってみてください。音から文を意識に入れると、間違いがはっきりと分かったりします。
それから、原稿書いてるときは、完全にひとりでいられますよね。人に見られたりしてしまったら、危ないヤツ、みたいに見られる可能性が、ありますから。(笑)

Posted by: 謙介 | 07. 07. 11 at 오후 10:53

そういえば、先日河川敷で寝っ転がって小説を読んでたときに、音読してました。おもしろかったですけど、なんで音読しようとしたのかは思い出せません。
自分の原稿はさすがに音読したことはないので、ちゃんとひとりでブツブツやらせていただきます(笑)
応募作の推敲をするときに一度プリントアウトしたものでチェックっていうのはしたことありますが、最近は推敲をなまけてしまってます。いかんいかんと思いながらほったらかしです。だめだなぁ。

おお、俺の小説の主人公の名前、カッコいいですか!?
そういうことを言ってもらえるとうれしいです。だれもほめてくれないので、名前だけでもそういう風にほめられるとにやけてしまう。ほんと名前は毎回なやみますよー。登場人物が俺に自己紹介してくれればいいのにと毎回思います(笑)

Posted by: 桜庭 | 07. 07. 12 at 오후 8:10

----桜庭さん
 お返事がおそくなってすいません。
昨日は一日検査で、検査受けで疲れてしまいました。
桜庭さんの、かっこいいじゃないですか。たぶんそんな苦心なんて、作者以外なかなか分かってもらえませんよね。そのお気持ち、よく分かります。
あ、それから。実は俺の今入院してる、病院のお隣が、○衛隊の駐屯地なんですよ。(桜庭さんの好きそうな環境でしょう? 笑)時々、病院の近くを迷彩服を着た人が歩いていてびっくりします。台風、どうぞお気をつけください。

Posted by: 謙介 | 07. 07. 14 at 오후 5:13

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