空を見上げて
このところ、俺の住んでるあたりでは、雨降らないねぇ、
という言葉があいさつがわり。
今日もこの辺のお天気は晴れ。嗚呼。
今年に入って、1月からずっとこの辺は雨の量が少ない。
もともと瀬戸内海沿岸なんて、雨の量が少ないところなんだけど
今年は輪をかけて雨が降らない。
いつもだと、この時期は梅雨に入っていて
ある程度のまとまった雨が
何回か降っているから、たいていダムの貯水量なんて
90パーセント台なのだけど、
だめうら早明浦(さめうら)ダムも
今年は半分以下の41パーセントしかない。
気象台は、明日から雨が降ります、との予報で、
週間予報を見たら、明日の水曜からは3日連続で雨、
とのことみたい。
たぶん明日あたり、「梅雨入りしたと思われる。」
なんて発表があるのかもしれないなぁ。
でも梅雨明けも早そう、っていう予報で
梅雨の時に雨が大して降らないで終わる、なんて
ことだってあり得る。
雨が降らないと、当然水不足ということになる。
事実今年は水が足らないから、実は田植えがすごく遅れていたらしい。
田んぼに水が要る時期なのだけど、その水がなかなか確保
できないんだよ、ということを聞いた。
みかん畑じゃ、これ以上雨が降らないとみかんの木に
打撃が出る、っていうので、先週から、みかん畑、スプリンクラーで
朝晩水を撒くようになった。
今、水が足らないと野菜の生育が悪くなるから、たぶんこのままだと
夏ごろになったら野菜の値段がやがてものすごく高くなると思う。
1個300円のキャベツ、なんていうことになるんじゃないかなぁ、、。
考えただけでため息が出そう。やれやれ。
今のままだと、農家はそんなふうになるんじゃないかなぁ。
それから普通の家庭の影響っていうことになると、
水不足になると、以前は、まず水道の水圧を下げるよね。
俺の住んでる街も今日から水圧を下げた、って言ってたし。
水道の水圧が下がると、当たり前だけど水の出が弱くなる。
お風呂なんかに水を溜める時間が余計かかるようになる。
でも、うちの実家みたいに一軒家だとまだいい。
あら、水の出が弱くなったねぇ、くらいで済むから。
大変なのはマンションに住んでいる人だ。
マンションの貯水槽が屋上にあったりすると、
地上から屋上まで水が届かなくなる。
実際貯水槽に水がたまらなくなって結果、
マンションの各戸の水がまったく出なくなってしまう、
ってことだって起きる。
マンションで水が出なくなるとね、これはもう大変だよー。
水用のポリタンクを何個も持って、エレベーターで
給水車の来る1階と自分の階を何度も往復しなきゃならなんない。
自分ちだけじゃないからね。よその家だって出ないから、ポリタンク持った
人で、エレベーターはフル稼働。なかなか自分の階にこない。
そのうち水の出る時間はおしまいになりそう。
十分確保できていない。
もうイライラが溜まりまくり。
それだって一回ならいいけど、雨が降って水事情が好転するまで
ずーっとだもん。それが毎日そういうことが続く。
だけどまだね、エレベーターのある建物はいいんだ。
それが上り下りするものが階段だけしかない、ということになると、、。
重いポリタンクを両手に持って、何度も往復しなきゃなんないんだよ。
それも暑い夏に。
だからホント大変なんだよー。
いつだったかさ、テレビの意見広告で、井戸を求めてバケツを
持って家と井戸の間を何度も往復するアフリカかアジアのどこかの国の
少女の写真が出てたけど、日本のマンション生活の人だって、
断水ということになったら、それがそのまま
自分の身の上に急に起こったりすることになるんだよ。
全然遠くの話じゃない。
最近はこの受水槽を1階において、溜めやすいような
形になっているんだけど。そうしたら、今度はマンション各戸
への水の出は平生と同じ、変わらない状態。
だけど、そこで今度は使うほうが考えなく使っちゃう、
ということが起きる。受水槽への水の溜まり方が少ないところに
使うほうがじゃんじゃん使うとどうなるか。
分かるよね。やっぱり受水槽の水を使ってしまって、結果として
やはり水が出なくなっちゃったりする。
だから前の水不足のときに、同僚でマンション生活してた人でさ
連日の水運搬に疲れ果てて、そんな水運搬が二週間も続いて
とうとう過労で寝込んだ、っていう人がいたもの。
それから水の出る時間にあわせて洗濯、食器洗い
入浴、って全部しなきゃいけないから、すべて水の出る時間に
あわせて生活をしなきゃいけなくなるしねぇ。
食器洗いとかお風呂なんかは、なんとなく想像できるかもしれないけど
トイレだって、大変なんだよ。水洗トイレだって水は出なくなるもの。
バケツに水を汲んでおいて、終わったらその水で流す。
四国に住んでる人間は、断水になって水が出なくなる、
なんていうことは今までにしょっちゅう何度もあったから、
水が出なくなったらどうしなきゃいけないか、っていうのが大体想像できる。
たとえば、食器を紙にしてしまうとか。(毎日ハイキング気分。)
脂っこい料理の時は食器にラップを巻いて、食器が汚れないようにして食べるとか。
トイレはできるだけスーパーとかデパートっていった外のきれいなところの
トイレでしてくるようにする、とか。こっちの市役所の女性用の
トイレなんて、水を流す音だけ出るスイッチだってついてるんだから。
こんなことを話すと、
水が潤沢にある地方の人には「そんなことまでするんですか?」
ってびっくりされてしまうけど。(笑)
もうすでにいくつか水の規制が始まっていて、
今日から水道の減圧がはじまった、って言ってたし、
学校のプールなんかは使用できない、とのこと。
実家近所の小学生に聞いたら、「今年の体育のプールの授業は
ないかも、、。」って言ってた。
断水になると水をよく使うお店が軒並み休業とか営業短縮になってしまうしさ。
ヘアサロンなんかはシャンプーができない。
前にいつも行ってた散髪屋さんに行ったら、シャンプーはお受けできません。
カットだけです、なんて言われてしまったこともあった。
飲食店関係は軒並みメニューが限定されるとか
営業短縮になっちゃう。
だけどもっと大変なのはうどん屋さんだよね。
うどん屋さんは、ホント水不足になったら一番大変。
だってさ、麺を茹でるのだってもちろん水はいるけど
麺が茹で上がると、今度は大量の水を使って今度は締めないと
いけない。この締める工程には冷たい水が大量に要るもの。
だから水が出なくなった、って言ったら、うどん屋は即休業だもの。
うどんが食べられなくなる。
非常に困る。
この辺は前にも書いたけど、もともと雨が少ないところなので
今までにも何度となく水不足で断水、なんていうことは起きた。
だけど瀬戸内海地方って、ホント雨の降り方も弱弱しい。
前に三重の尾鷲に行ったときに、ちょうど雨に天気にぶつかって
その雨の降り方にびっくりした。
もうねぇ車のワイパーがひっきりなしに動いているんだけど
それが全然用をなしていない、というか、動いてるにもかかわらず
前がよく見えない!
で、案内してくれたのが、三重でこれも雨の多い宮川村出身の奴で
俺が雨の降り方に驚いてたら、「こんなの普通。」って言われてしまった。
三重、だってそうだし、四国だって太平洋側の高知の雨の降り方は
もうびっくり、というかすさまじいというのか。とにかくすごい。
瀬戸内海沿岸なんて、あんな太平洋側の雨の降り方に比較したら
この辺で普通の雨って、太平洋側の人に言わせるとそんなもの「霧雨だよ。」
みたいなものじゃないかなぁ。
そうしてそのうちあまりに雨が降らないで、とうとう水源地も底をついたら
やがて断水、という事態が来る。水の出るのは2日に1度2時間だけ、とか
いうふうになったりする。
で、いつの断水の時だったか忘れたけど、びっくりしたのは、給水車が来ました、
っていうから外に出たら、「横浜市水道局」って書かかれた給水車が来て
いたこと。
(次の日は東京都水道局っていうのも来たぞ。)
で、ありがたくお水をポリタンクに入れてもらってたら、そのころ近所に
住んでたおばさんが水道局の人に「この水はどこの水ですか?」
って聞いてて、水道局の人が「多摩川ですね。」って答えてたのにも
二度びっくりしてしまったけど。
まさか四国に住んでて、多摩川の水を生活用水に使うとは
思ってもみませんでしたわ。(笑)
ただね、そういう断水、っていうことが今までの生活の中でも何度も
あったから、俺も含めてこの辺の人間って、水道の蛇口を
ひねったら何の疑いもなく、水が出るなんていうことはないぞ。
場合によっては、水が底をついて出なくなることだってあるんだぞ、
っていう意識は、いつもどこかで持ってる人が多いんじゃないかな、って思う。
というのがね、
前に水道局から来る水のパンフレット、たまたま見たら
市の人口は予想より増えているのに、一方で水の需要量は、どんどん減ってるんだって。
10年だか前に、将来の市の人口予測をして、どれくらいの水の必要があるか
っていうのをまとめたんだけど、なるほど人口は増えている。
だけど、水の需要量は下降線なんだって。
これはやっぱり水は節約しないと、っていう意識っていうのが、
結構みんなにあるから、なんだって思う。
そういう意味では、断水、というのも、資源を大切に使わないと、こういうことに
なるよ、っていうものすごい強い意識付けにはなるよね。
そういう自己体験が自分の中に強烈に刻まれてるから、
やっぱり水は大切に使おう、っていうことになるんだろうな。
自分の意識の中で、いくらエコ、とか省エネルギーしなきゃって
言われたってさ、どうかするとよそ事、って思ってる部分がなぁい? (笑)
だけどさ、自分ちの水道の水が出なくなっちゃって、水の運搬で
疲れ果ててしまうような経験をしたら、これは、もうどうしても節水について
考えざるを得ないものね。
だからそうした実体験が、水に対する備えとか、水を節約するにはどうしたらいいのか、
ってやっぱり自分のこととして考えるようにはなるよね。
だって何と言っても切迫感が違いますもの。(笑)
はてさて。
天気予報では明日から雨、とのことですが、これからの水事情
いかが相成りますことやら。(笑)
(今日聴いた音楽 みずいろの雨 歌 八神純子 1978年
音源はCD 2006年盤)
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Comments
大学時代に住んでいた福岡市は,100万都市のくせに水源になるような大河川が近くにないんですよね〜。
ちょっと渇水になると供給を減らされてしょっちゅう四苦八苦・・・;;;
でも,そのせいか,溜めた雨水や再生水を利用する中水道が普及してましたね。大学のトイレのお手洗いなんかに使われていて「飲めません!」って書いてあったり(笑)
でも水に苦労する割には,瀬戸内で中水道を推進してるところってないんじゃありません??? 変なの。
ところで,水道の需要予測が減少してるのって,企業需要が少なくなってるのも効いてるんでは?
Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 06. 12 PM 11:27
---Ikuno Hiroshiさん
高松は、切迫感があるから、結構広範囲で中水利用
結構やってるんですけどね。ちょっと前に、水資源、っていうことで、市の政策論文、なんていうものを書いたときにあれこれと調べてみたんですけど。
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/2194.html
それから大きな国道なんかの舗装の表面を透水性の大きな舗装にして、水を地面にしみこませて、それを受けて溜めるようにして、それも中水として使うようにしてる、っていう話でした。結構そういう工夫はしてるみたいです。
でも、松山も人口の割に大きなダムがなくて、ほとんど地下水に頼っているんですけど、じゃあ中水利用しているのか、って見てみたら5パーセント以下でした。あんまり自主努力やってなくて、そのくせ、よその市のダムの水くれ、って言ってみたり、しているので、よその市は、ちょっとムッとしていますね。
もうちょっと切迫感を持って欲しい、って思います。
Posted by: 謙介 | 07. 06. 13 AM 12:00