ストレートな、あまりにストレートな。
連休中のこと、たまたま用事で高校のときの友達から電話があった。
いや、大した用事ではなくて、彼の奥さんと彼が話をしていて
本の話になって、タイトルが思い出せなくなったから、
「謙介に聞いてみよう。」ということで電話してきた、という
ことのようなのだけど。
「なんだかたまに思い出せなくて、ほら、あれよ、あれ。
とか言うことが増えたわ。」と友達が言う。
えーっと、とか、ほら、っていってるばかりで
思い出せない。とか瞬間的に思い出したりして、
そうあれあれ、って一時覚えているのだけど、また
しばらくすると、再び忘却のかなた、だったりする。
「アルツだろうか。」と彼が言う。
「まさか。」(と、一応言っておく。笑)
「固有名詞がなかなか出てこなくなったら、、、。」
「まぁそのときはそのときよ。」 とのんきな俺。「そのために辞書とか
辞典があるわけやし、、。それにさ、忘れた、っていうのは、どうせ忘れる程度の
大したものでもなかった、っていうことやから、それでええのん違う? 」
「そういうのって、謙介はあんまり気にならない?」
「ふん。何かさぁ、気にしてたら、気にした分だけ余計にまた体に
悪いような気もして。だから忘れたら忘れたで、あははは、って
思ってたほうが精神保健上もええような気がする。」
「お前は長生きするわ。」
「で、本のタイトルなん? 」
「違う、書いてる人の名前、、。」
本のタイトルは? 」
「物干し屋のなんとか。」
「へ? 物干し屋、って落語かなんかの本? 」
「違う違う。会計の、、。」
「あ、物干し屋でないぞ、○おだけ屋はなぜ潰れないか、やろ。」
「あ、そうそう。そういえば物干し屋やなかった、さおだけ屋やった。
書いた人だれやってんやろ。」
「書いてる人、山田真○さんやで、こないだまたあの人新しい本出さはったわ。」
と、俺がそこまで言うと、彼は、電話の向こうの奥さんに向かって
「やっぱり謙介やわ。物干し屋でなくて、さお竹屋やって。」
「あ、そうそう、さおやさお。」と電話の向こうで奥さんの声。
あ、あのねぇ、、。(苦)
「あー、どうもありがとう。ずーっと出えへんかって悩んでた便秘が
もうスカーッと解消されたようなすがすがしさやわ。」
と変なたとえで感謝されてしまった。
その後で、友達の近所の人の話しになる。
「謙介、お前覚えてるか? ほらうちの家に行く時渡る橋のたもとの、、。」
「そういえば何やたもとに一軒家があったなぁ、、。」
「あそこのばあさん、先月なくなったんや。」
「ふん。」 と、俺は返事をしたけど、そこのばあさんが亡くなったとて
あまり驚くべきことでもないようには思った。
「あそこの家、何やってたか知ってるか?」
「いや。何か変わった商売やってたんか?」
「みんなあそこの家のこと、周囲の人間がなんて呼んでたかって知らへん? 」
「知らんで。」
「え?お○んこ屋のこと、知らへんの?」
「お○んこ屋!」
お○んこ屋、って、あなた。 さわやかな五月の朝にいきなり、ですかい?
「ほらぁ、市内まで行ったら面倒やし、遠いがな。そやから、あそこの死んだ
ばあさん、後家はんやったし、そんなこんなで、私的に一軒だけでそういうこと開業して
やってはったみたいやねん。まぁそんなこと、言わいでも、何やおかしいな、って、土地の
人間はだんだんと気づくようになるわ。 それでついた名前がお○んこ屋。」
「しかし、まぁあまりにベタというか、ストレートというか。(笑)」
「わかりやすい名前やろ。」
「そのものズバリやんか。そやけど、まさか、最近は営業はしてなかったんやろ。」
「ふん、まぁ、してへんかったやろとは思うけどなぁ。そんな話聞かへん
かったし、、。」
「そやけど、いつごろまでやってたん? 」
「前にかあちゃんに聞いたら、俺が小学校に上がるころまでやってた、
って言ってたで。」
「かあちゃん? かあちゃんまで知ってたんか? 」
「そんなもの、みんな知ってるわ。」
「そうか。」
まぁね、田舎の情報って、はっきり表には聞こえてこないんだけど
地下水脈みたいに、静かにけれども速く確実に聞こえてくるものね。
しかし、「お○んこ屋」ってねぇ、、。
しばらく彼のその発音が耳元から離れなかった謙介なのでありました。
ちゃんちゃん。
仕事帰り、病院に行く日なのだけど、薬もまだあるし、主治医に連絡して
もう一日の診察日である木曜にしてもらう。
だって、連休あけの病院なんてすごい人で、診察、いつになるか
分からないくらい待たされることになるから。
内科外来に連絡しても、たぶん混んでいててんてこ舞いしているのだろう。
なかなか電話を取ってくれなかった。
連休明け。朝から山のような書類を片付けて、午後、ようやっと落ち着いた。
成田屋の若ぼん、まーた素人の女の人に手を出さはった、という報道。
いやまぁ梨園っていうところの女の人とのお付き合いっていうのは、まぁあんなものやろとは
思うけどさ。だけど、どうしてああも素人のおねいさんばっかり次から次へと
手を出すかねぇ、、。周囲が彼に教えてやらないのか、それとも教えても実体験で
分からさないといけないから、学習能力がつくのを待っているのか、
それとも彼自身があきらめることなく、単に依怙地になって
同じことばっかりやってるのか? どれだろう、ねぇ。
(今日聴いた音楽 桜田淳子歌 リップスティック 1978年 音源はLPレコード)
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Comments
・・・固有名詞,数年前から出にくくなっております(笑)
ってか,必要な時に出てきて欲しいものほど出てこない(苦笑)
こうして人は少しずつ歳をとっていくんですねえ(お?今日はやけに神妙じゃねーか 笑)
Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 05. 08 AM 12:02
----Ikuno Hiroshiさま
友達には「居直ってるなぁ。」と言われ
ましたが(笑)焦ったらますます出てこなくなるように思って、まぁそのうち、とか
って言っています。小さかったころ周囲の大人やお年寄りが、「あれ」とか「何が、、ほら。」と言っていたことが実際自分の身に起こるようになって、ああ、そういうことだったか、と俺も日々思うことがあります。
Posted by: 謙介 | 07. 05. 08 AM 9:56