貸してくれた本のこと
昨日、栄養士の友達が、「たんぱく質についての本があるけど、
読む?」
って言って貸してくれた本がこれ。「がんばって勉強してね。」って、
国文科の人間に勉強しなさい、って。栄養士になれ、っててでも? (笑)
(あ、これは俺の仕事場の机です。て言っても、パソコン周辺しか
写ってないか。(笑) 実は机L字型になってて、もう一方の机は
字を書くほうの机でこっちにはペンとか硯箱と筆が置いて
あったりします。ちなみにマウスパッドは「鳥獣戯画」です。
コンピュータはヒューレット・パッカード・コンパック。
うしろに見えている丸い箱は京菓子屋、鶴屋吉信謹製の
ブルーベリー餅の箱。 目下謙介の机上でクリップ入れに
なっております。ざっとした説明終わり。)
で、本なのだけど、写真にあるように
「タンパク質・アミノ酸の新栄養学」という本。
栄養学って、毎年いろいろなデータが変わるし、
それに応じて学説が変わることもよくあるので、新しい本で
最新の考え方を見なきゃダメだよ、と言って貸してくれた。
この本の出版は今年の3月なので、そういう意味では
一番新しいデータとか考え方を元に書かれた本だろうな、
ってシロウトの俺でも想像できる。(ちなみに出版元は講談社)
でまぁ中身はタンパク質の働きとか、身体の中に入った
タンパク質はどういうようにして取り込まれていくか、
とか一日に必要な量とかいろいろ書いてあった。その書き方も
確かに専門書ではあるけど、文科系の謙介さんの
ザルのような頭でもこんなことは言っているのかな、
って分かるように書いてくれていたので、結構おもしろく読めた。
で、前々からその友達も指摘してて、俺のこのブログでも何度も
言ってきた「タンパク質過剰」のことが書かれていた。
以下引用してみる。(164ページから)
従来タンパク質栄養は主に不足について考えられてきた。しかし近年に
なって、過剰摂取に関する報告が増えている。(中略)
高タンパク質食の摂取によって血中尿素濃度が高まり、糸球体濾過量が
増えるために腎臓に負担が生じ、腎機能の障害が起こることが知られている。
従来スポーツによってタンパク質要求量が増えるという科学的な根拠はなかったが
運動選手は経験的に高めのタンパク質がよい、と考える傾向があった。
「スポーツによってタンパク質要求量が増えるという科学的根拠はなかった」
って、さらっと書いてはいるけど、これって「別にスポーツ選手だからと言って
タンパク質をたくさん摂らなきゃなんない」っていう実証データはないのよ、
って言ってることでしょ。(笑) 普通のタンパク質量で十分とかね。
でその続き(再び引用)
また高タンパク質食摂取によりカルシウム出納が低下することが報告されている。
その要因としては、上記腎機能障害の原因と同じで、血中尿素濃度が高まるために
糸球体濾過量が高まり、これが尿細管におけるカルシウムの再吸収を低下させる
lことが考えられている。その結果カルシウム排泄量が増加し、カルシウム出納が
負を示す。
でまぁ、カルシウムが足りないと、身体は骨とか歯のカルシウムを流用するでしょ。
結果起こるのが「骨粗しょう症」だよね。だから高タンパク食をずっと続けたら、
骨がスカスカになる、という説もあるとのこと。(ただこれには異論もあって、まだ
もうちょっと研究は必要、ってある。)けれども、カルシウムの体内吸収量が
減る、というのは確かなこととあるので、そういう面からも問題だな、って思う。
で、後、体内中のマグネシウムの量も減る、って書いてあった。このマグネシウムが
足りなくなると、やっぱり骨粗しょう症を引き起こす原因になるんだそうな。
結論部分にはこうある。
このような高タンパク食の食事に対して腎機能低下が報告されるようになった。
高タンパク質食の摂取により、インスリン抵抗性が増し、糖尿病になりやすい
ことも報告されている。
このように高タンパク食は種々の健康上の問題を持っている可能性が報告され
はじめた。現在の日本人ではタンパク質摂取量が高い者もいることから、今後は
高タンパク質に関する研究がさらに必要であろう。(引用終わり)
ということらしい。
ゲイの人で、筋肉つけなきゃ、とかやせなきゃ、って言うんで、プロテインを飲んでる
っていう人が結構多いみたいだけどさ、今日はこれだけの量飲んだ、とかって
ブログに書いてあったりするものね。「健康のため」に飲んだつもりがさ、いつの間にか
糖尿病とか骨粗しょう症になんかになってたら、いったい何のために飲んだんだ、
っていうことにだってなりかねないものね。そんなの泣くに泣けない。
最初にも書いたけど、栄養学関係のデータとか理論って、もう毎年のように
めまぐるしく変わる。2,3年前は、分からなかったことが新たな発見があって
分かったとか、ちょっと前まで当たり前のように言われていたことが
よく調べてみたら違ってた、なんてざらだものね。
俺の小さい頃なんか「ほうれん草には鉄分が多く含まれてるから。」なんて
言われてたけど、よく調べてみたらほうれん草の鉄分なんてそう多くなかった、
って分かったし。何でも検査したときに鉄製の包丁を使ったんで
その鉄分がほうれん草に付いたのだろう、っていうことだったんだよね。
そういうことなんてよくあることみたい。だから、ちょっと前の理論とかデータ
で判断する、ってよく調べてみなきゃ、わかんないことだってある。
まぁ理系でなくても、文系の国文でも、それに近いことは言われたよ。
「国語辞典、5年前に発行の国語辞典なんか使ってるのは、国文の学生失格!」
って。「言葉は生きもので、表記とか言い方とかどんどん変わるから
辞書もどんどん買い換えること。いいですか、国文の学生にとって
辞書なんて、単なる消耗品です。」
そういう指導を受けた。
科学的な実験結果で言えば、
タンパク質だって、別にアスリートだからたくさん摂らなきゃ、っていうのは
科学的な裏づけがない、っていうことが分かった、っていうことでしょ。(笑)
単にイメージとか思い込みでそんなふうに言ってる、と。
だけど、アスリートだ、筋肉なんとかだ、って言っては、タンパク質を人一倍取らなきゃ
って思ってる。
そういうことがあるから、たまにこんなふうに専門以外の本も読んでみなくちゃ
なんないんだね。いい勉強になったなぁ。
本を貸してくれた友達に本当に感謝。
仕事が終わって家にたどりついて、洗濯物を取り込んでいたら電話がかかってきた。
出ると、院生のときに部屋が同じだった真理ちゃんから。
ちなみにこの人、今は結婚して姓が変わったのだけど、
元の姓はオダさん。つまり姓と名前を一気に読むと「おだまり」。(笑)
「誰がつけたの? 真理っていう名前? 」って前に聞いたら「母よ。」とのこと。
すごいよね。自分の娘に「おだまり」だもの。
で、用事は何?「来月里帰りするから、会いましょう。」とのこと。
ヤマモトさんとかワタナベくんも呼んでね。だって。
ははぁ、ヒトに「同窓会のお膳立てしろ。」ということですね。
「あらっそ。」と言って電話を切った。
このところ、5月なのに肌寒い日が続いていたけど
やっと今日は、普通の5月らしい気温になった気がする。
(今日聴いた音楽 サザン・オール・スターズ歌
ミス・ブランニュー・ディ 1984年)
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Comments
あ,マウスパッドが鳥獣戯画! 蛙を殺した?猿が兎に追われてるとこですね〜。
ところで最後の「あらっそ」は「あら,そう」の方言?それともハングルでせうか?(笑)
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし,ですねえ >蛋白質
Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 05. 18 AM 12:47
---Ikuno Hiroshiさん
そうですそうです。兎がススキだか葦だかを
持って、猿を追いかけているんですが、猿が
「へへへのへ」っていう顔をしてますよね。
狡猾そうですごく表情を捕らえてて、おもしろい
です。アラッソはハングルでございます。
それで、タンパク質なんですけど、結構
プロテインなんか飲んでる、っていう人多い
じゃないですか。その上スポーツライター
の人の中にも、後々身体に影響が出てくる、
なんて知らないのか、知ってて放っているのか
むやみにプロテイン作ってる会社の「提灯持ち」
みたいなことしてる人がいます。宣伝に乗せられて
飲んで、腎臓病になっても、宣伝で
言った人は何十年後までは責任持ってくれません
もんね。そういうことになってもなぁ、、って
思って、言ったほうがいいかな、ということで
書きました。
Posted by: 謙介 | 07. 05. 18 PM 12:00
そういえばプロテインをよく飲んだ時期は、ひざの曲げ伸ばしのときにボキボキ鳴ったりします。骨粗しょう症っすか。コワ〜イ。
Posted by: 黒須 | 07. 05. 18 PM 4:15
----黒須さん
食べ物の影響って、すぐに出てこなくて、
何ヶ月とか、場合によったら何年か後に出てきたり
しますよね。それまで元気だったのがある年齢を
越えたら急に、、ガクッと、体力が落ちた、
なんてよくあります。(笑)なので、本人は
すっかり忘れてて、、そんな急激な変化に足元を
すくわれるような感じになってしまって、、
そういうことなので始末におえないんですよね。
ホントにコワいです。
Posted by: 謙介 | 07. 05. 18 PM 6:44