京舞のこと
うちのブログなんだけど、
どういうキーワードで検索して来られる方が多いのか、、
っていう検索機能がついてて、
その言葉を見たら、結構多いのが「京舞」と「東京」という
キーワードだったりする。
俺の学校のときの指導教官が京舞の名取で、
そんな話もブログの中でおいおいにしていたから、
多分検索をかけたらひっかかるんだろうと
思う。
京舞っていうのは、上方舞の一種で、京都で伝えられてきた
日本舞踊。上方舞のほうは東京に出ていったのだけど
京舞は、京都に残って、京都で伝えられてきた。元は
京舞も流派が二つあって、篠塚流というのと井上流というのが
あったんだけど、篠塚流のほうは衰えてしまって、
今では京舞というと井上流のほうを指す、ということが
多くなってしまったそうだ。
よく暮れになったら、鏡餅がずらっと壇にならんだ
その前で、祇園の芸妓さんが井上八千代さんに
事始め(お正月、迎春準備をはじめさせていただきます)
の礼をしているシーンが映ったりする。
多分見たことのある人結構いるんじゃ
ないだろうか?
それからうちのブログの言葉の検索で
あわせて多いのが、京舞 東京 稽古場
っていうキーワードのクロス検索。
(クロス検索、っていうのはいくつかの言葉を
組み合わせて、検索をする方法のことね。)
これって、京舞の東京の稽古場を探してる、っていうこと
なのかな?
きっとどこかのカルチャーセンターみたいな場所で
京舞のお稽古をやっていないか、と
思って探す人が多いのかもしれない。
でもね、真剣に探していらっしゃる方には酷なことをお話
することにはなるのだけど、
東京には京舞の稽古場はありません。
(上方舞はあるんですけどね)
どうしてなのか、というと。
京舞っていうのは、京都の祇園町の中だけで、それも女性だけが
伝承していく舞だから。
なので京都の祇園の花街の中だけでしか
教えられないという掟があるんだ。
そういうわけで東京に京舞の稽古場というのはない、
ということなの。
京舞の公演、っていうのはできるんだけど、
お稽古の場所は
祇園町の外には作れない。
だからどうしても京舞を習いたかったら、
祇園の井上八千代先生のところにちゃんと礼を尽くして
入門させていただいて、毎回京都に通って習うしか
その方法はないと思う。
それと上にも書いたけど、京舞というのは
あくまでも女性の舞だから、男性は
習えない。
じゃあもし、祇園の外で京舞を教えたら、どうなるか、
といえば、その教えた人は即刻井上八千代さんから
破門を申し渡されることになる。
俺の指導教官も、
最初は他の流派の日本舞踊を習ってた、って。
だけど、稽古の厳しさが全然なくて、
ピリッとしたところがなくて物足りなかったんだって。
おまけに、その流派じゃあ、ある年限習って、
あとはお金さえ出せば、割と簡単に
名取になれるようなシステムだったらしい。
「そんなことでは本当にちゃんと習って舞える実力が
つかないんじゃないか。私は真剣に舞を習いたい!」 って
思ったんだって。
それで井上流に入門し直して、お稽古をさせてもろたんえ、
って言ってた。京舞は他の流派と違って、お稽古も
ものすごく厳しいんだそうな。
ちょうどうちの先生とあの佳つ乃さんが
名取になった時期が、相前後する時期だったそうで。
だから、弟子の関係で行くと、比較的近いところに
いるのよ、ということを聞いた。
先生みたいに一般の人、というのか
花柳界以外の人でも京舞を習えるんですか?
と聞いたら、それは大丈夫、ということだった。
聞くと、主婦の人で京舞を習いたい、っていって
お稽古に来てる人もいるのよ、ということだった。
ただ、やっぱりそういう人は少ないことは少ない、って。
一回のお稽古は30分。
だけど、30分も厳しい稽古を精神を集中して張り詰めて
やったら、それはそれで結構きついだろうなぁ、と思う。
大学の時の書道の時間のことを思い出すと、
まぁ大抵は授業が始まる前に書道実習用の教室に行って
墨をする。謙介さんはだぶるぴーすの陸くんと違って
専門はかなだったから、墨をする量はすごく少なくて
済んだ。陸くんなんかの書いてる文字を見たら
大作だから、あれは本当に墨の量が要るなぁ、と
思う。するだけで大変よ。
で、はじまる前にささっと墨をすって。
指導教官が教室に入ってこられる。
ひとしきり先生の与太話 ご高説
をうかがった後、今日は何を書くか、という
説明がある。ここまででもう20分くらい経過
している。
それでさぁ書きましょう、と言って書き始める。
その間に、先生に宿題で書いてきた字を
持っていってみていただく。
で、途中で、先生から一度特に注意すべき
点の説明がある。
でもう一度書く時間があって。
最後に1枚、その日の作品を提出して終了、
という具合。
だからこの実習の時も実際書く時間は
40分くらいなのかな。
俺の場合、本当に集中できる時間って40分が
限度じゃないか、って思うから、大体書道実習の
時間に書くのでよかった、って思う。
だけど、2回生の前期だったか、
中学の国語の教員免許で必修の書道実習(中)
っていう授業と、楷書・行書の内容の書道実習一 っていうのを
続けて2コマ取らないいけなくなって、あれは結構
疲れましたです。(笑) だって集中が続かないんだもん。
でも若かったから書けたんでしょうね。
今ならきっと10分おきくらいに休憩を取って
やれ腕が痛いの、やれ、細字を書くと眼がチカチカするだの
と文句ばっかり言うのは目に見えてる。(笑)
若いって、そういう一気の集中ができる、っていうの、
あると思うなぁ。
おっさんは無理よ。(笑)
というところで京舞のお稽古の30分の集中
というのは、おねいさん、おば(以下語句省略)に
とっては、集中に微妙な時間だなぁ、って思う。
何年かに一度おさらい会があって歌舞練場とかで
実際に舞を披露することもあるんだそうな。
歌舞練場、っていうのが、カッコいいですね。(笑)
ということで今日は、京舞のお話でした。
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Comments
はじめまして^^「京舞」でこちらへ参りました。お話の中で出てきた篠塚流で舞っております。細く長く続けて行きたいですね・・・。
Posted by: zuiou | 08. 10. 29 PM 11:25
---zuiouさん
はじめまして。京舞と言われるとすぐ伝統芸能、とくくられてしまうだけでなくて、敷居の高いもの、というイメージになってまつりあげられてしまうのもよくないですよね。そういう芸と身近に接して精進されている方々も大勢おいでです。また、その道は一生をかけて学んでいくにふさわしいものだと思います。毎日毎日の積み重ねは、本当に大変でしょうが、どうぞ末永くお続けください。かげながらですが、応援いたします。どうぞお体にお気をつけられて、がんばってください。
Posted by: 謙介 | 08. 10. 30 PM 8:32
井上流のお稽古場、東京にもあるそうです。ただ、非公式、要紹介、決まった稽古場所がない ということだそうです
Posted by: さつき。 | 15. 03. 05 PM 4:59
---さつき。さん
コメントありがとうございました。
だけど井上流の厳格な掟として、
京都の祇園以外の場所でおけいこを
した場合は破門になるんですけど。
それってちゃんとしたおけいこ場なんでしょうかね?
Posted by: 謙介 | 15. 03. 05 PM 7:29