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07. 03. 03

感情の距離

先日栄養士の友達に、アンジェラ・アキの話をした。
友達は彼女のことを知らなかった。


友達も徳島の出身なので、「板野の人やって。」って
言ったら、「板野からねぇ、、。」ってちょっとびっくりしていた。


で、徳島と言えば、去年文化勲章をもらった人の話になった。
(この人も去年の紅白に、こちらは審査員で出てたみたい
だけど。)全国的にはこの方はすごい人気があって、彼女の法話会は
毎回すごい人が集まる、ということは聞いている。


あまり人のうわさ、ということは言ったらいけないのだけど、
実は、この方は地元の徳島ではすこぶる人気がない、
というか、はっきり言ったら、あまり良く言う人がいない。


まぁ俺も徳島県民全員にご意見を聞いたわけではないんだけど、
俺の周囲にいる徳島県出身の人に聞いてみると、みんなあまり
良く言わない。
「自分の子や旦那さんがありながら、その家族を捨ててまで、
よその男にもとに走った人でしょう? そういう人が今更、
法話じゃ言うたって、説得力ないのよ。」とか、もっときつい人に
なると「尻軽女」と吐き捨てるように今もはっきり言う人がいる。


彼女がそういう家族を捨てた、っていうのは、もう何十年と前の
ことだけど、いまだに人の口からそういう言葉が出る。


「それが証拠に、去年、文化勲章もろてから、やっと徳島県が
そうしたら、ていうんで、県民栄誉賞だかを出したんやから。
普通やったら、順番が逆やろ。」と言った人もいる。


いや、俺ね、別にこの方のやったことがどう、とかこうとか
言ってるんじゃないのよ。
ただね、地元だとさ、それまでの人間関係でお互い利害があった
とか、中には親戚でつながっているっていう人だっているし、
それが都会とか、別の土地であれば、そういう直接的な利害
とか、直接の関係性があんまりなくて、その分すんなり受け入れられる
っていうことがあるんじゃないか、って。
近いだけに、見たくない、見なくていいものが見えてきて
それだから嫌、っていうの。


たとえば、
同じことでも他人だったら「自分の思うさま生きてかっこいい」で
済むかもしれないけど、自分の母親にある日突然家を出て
いかれた、として、それを「かっこいい!」って取れるかどうか。
他人なら、その人が基本的に自分の人生の中の細部に影響を
与えないのであれば、人は割とのんびりと客観的でいられるんだけど
それが、たちまち自分の人生に跳ね返ってくるようなときは
やはり対応が全く違ってくるように思う。


距離というのは、その遠近によってこちらにも
あれこれとかかってくる力が違うんだなぁ、
っていうことを改めて思ったのだった。


(今日聴いた音楽 卒業写真 ハイファイセット 1980年盤
今日はユーミンの、じゃなくて、山本潤子さんの声で聴いて
みましたぁ。)

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