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07. 03. 29

お花見と嵐電

東京は、染井吉野の桜の開花も早かったから、そろそろ満開の時期が来た、とか。
と、言っても、同じ地域でもひとしなみに、花が咲いて、っていうこともないんじゃない
かなぁ。
公園の日当たりのいい場所だと、花の咲くのも早いだろうけど、山あいの谷間
みたいなところだと、やや遅れるだろうし。

とまれ、週末はお花見、という人も多いのかな。

お花見、京都に住んでいたときは、右京区の常盤に住んでいたので、
お花見の名所にはホントに事欠かなかった。
常盤なので、とりもなおさず嵐電の北野線沿線ということになる。
京都人にとっては京福電車、っていうより、やっぱり「らんでん」の名前のほうが

しっくりくるよね。 嵐山線は、四条大宮から帷子の辻(かたびらのつじ)を経由して、嵐山まで。
北野線は途中の帷子の辻から北野白梅町(きたのはくばいちょう)まで。


路線の長さとしては、もう、あっという間の短い路線だけど、
さすがに京都の西を走るだけのことはあって、太秦とか嵐山
龍安寺 妙心寺、仁和寺、北野、と沿線の観光名所には事欠かない。
そんなあたりをゴトゴトとのんびり走るのが嵐電。

京都の西で中でも有名な桜の名所、ということになれば、
やっぱり嵐山とか、御室の仁和寺、ということになるのだろうか。
その嵐電、京都のおばからメールで、「先日、7つほど駅の名前変わってん。」
とのこと。

中でも友達の家に行くときによく降りてなじみ深かった「高雄口」の駅名が
「宇多野」に変わった。
まぁね。実際は場所的にいえば「宇多野」にあるのに、今まで「高雄口」と言っていたので、
これで「名実ともに」っていうことになったのかな。(笑)
それから上り白梅町方面は、次の「御室」(おむろ)が「御室・仁和寺前」とのこと。
御室で降りる観光客は、ほとんど「仁和寺」に行く人だから
そのほうが分かりやすいのかな。
そうそう「オムロン」っていう会社、元々ここ「御室」にあったから「オムロン」
なんだよ。冗談みたいだけど事実。

仁和寺の桜は元はその南の妙心寺の山内にあったのだけど、
禅の道場が花だ桜だ、と浮かれるようでは、修行の妨げになる、
とかいうことになって、近くの仁和寺に全部移植されたんだ、って
聞いたことがあった。
だから移植された桜の木、臨済宗から真言宗へ宗旨替え
しっちゃってたんだね。


仁和寺の桜は別名「おたふく桜」という。
花が桜の枝の低いところで咲くから「はながひくい」で、おたふく。
でもね、仁和寺の桜は、山の中腹もしくはふもと、っていう場所的なこともあって
この辺では遅いほうの花。
比較的早くて、地元の人が、っていうと、さっき言った「宇多野(高雄口)」から
下りの電車、帷子の辻行きに乗ると、次は「鳴滝」なんだけど、この鳴滝の駅
までの間に電車道の両側に桜の木が植わっている場所があってね、まぁゆるい
坂道だから、電車はあっという間に通過してしまうんだけど、その桜の花の
トンネル、を電車で通るのもこの時期の嵐電沿線に住む人にとってのささやかな
お花見だった。

北野線は上りでそのまま白梅町まで行ったら、左折してちょっと行けば
平野神社が花の名所。
下りだと、鳴滝 常盤、ときて次が乗り換えの帷子の辻。
ここで乗り換えて、終点嵐山まで行けば、山桜がきれい。
とはいえ、嵐山の桜も御室の桜も、全部全国的に名前を知られた
名所ばかりだから、もうこの時期は人の波ですごいことになるのは
必定だけど。


あ、ひとつ嵐山で、桜が咲いていて、なおかつ人が少ない場所があった。
ここだけの話、ということで、このブログを見てくださっているあなただけに
こっそりとお教えしましょうか。

嵐電の嵐山を降りて左に行く、と渡月橋。
その渡月橋を渡り終えたところで川に沿って、右折する。後は川沿いを
ひたすら上流方向に。つまりは奥へ奥へとさかのぼっていく。
そうして、もういい加減歩くのいやになったころに標識がある。
「大悲閣 千光寺」って書いてある。
それを今度は上って行く。
え? 人が来ない理由が分かったって? (笑)
これだけ歩かされたら、いい加減いやになるもの。みんなしんどいの嫌だし、、
だから来ない。
息がゼイゼイと上がって、目の前がくらくらしたころ、お寺に到着。
ここからの眺めは、ホントすばらしい。
嵐山の桜が一望、いや、嵯峨野も全部見られるよ。
途中、山ほど文句を言って、恨み言を山ほど言って、、っていうくらい
行くのはハードなんだけど、着いて景色を見たら、
そりゃあ達成感があるから。(笑)

最後に、その右京区に住んでいた時に、友達だった植木職人さんが言っていたこと。
お花見の時に、やってほしくないことがあるんだって。

ひとつめ。桜の木の下にビニールシートを敷きつめること。
木が息ができなくなるんだって。
ふたつめ。カラオケ装置を使って木の近くで大きな音量で歌うこと。
振動が木に伝わって、やっぱり木が弱るって。

反対にお酒に酔って、桜の木の根元で、おしっ○するとか、ゲロを吐くっていうのは
「まぁ肥料代わりになるから、それはかまへんねん。」とのこと。
「ビニールシートとカラオケは、ホンマに桜の木にはあかんねん。」ということだった。


ということは、これからしばらく桜の木にとって、受難の時期が続く、
ということかな。

みんなの近くのさくらは、どんなふうに咲いていますか?

(今日聴いた音楽 最后の頁  さだまさし歌 
 1978年発表アルバム私花集 -あんそろじい-所収)

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