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07. 03. 05

(棚はないけど)ぼたもち

昨日の日曜日
ぼたもちを作った。
Botamochi


「おはぎ」と「ぼたもち」ってもともと同じものだけど、
季節によって呼び方が変わるんだ。
おはぎは当然「萩」の季節の呼び方だから秋の呼び方。
今は春のお彼岸あたりだから、ぼたもち。
でさぁ、ネットでちょっと見たら、なんでぼたもちか、
って言ったら、春の彼岸の頃に咲く牡丹の花に似せてってあるんだけど、
暇な人がいたら、グーグルでもヤフでもいいけど検索してみてね。
お彼岸って春分点なり秋分点でしょ。だから月遅れのお彼岸
なんてないしさ。
そうすると3月20日前後の春のお彼岸のころに牡丹の花は無理よ。

牡丹の花って、4月の終わりから5月に咲くんだもん。(笑)

実際に牡丹の花の咲くの見たことのない人間がいかに多いか、っていうのと
それだけ自然のことを知らない人が多い、っていうことだろうね。

牡丹の花が春の彼岸頃に咲く、なんて見てきたような嘘を言うのはいけません。(笑)
まぁ秋の萩は、彼岸頃でいいとは思うけど。

語源を見たけど、その点日本国語大辞典は、牡丹の花のような感じがするから、
ってあった。まぁ、この辺が妥当かな。牡丹の花の厚ぼったさ、が
このお餅の形容になってる、っていうような説明だった。
「ぼたっとしてるからぼたもち」でいいじゃないか、って俺は思うけど。


でもほら、和菓子って季節感を大切にするから
そういう季節によって変化する「呼び方」とか
「お菓子の銘」への心遣いっていうところにもあらわれているよね。

そういう実はおなじものなんだけど、名前が全然違う、って
日本って結構そういうものあるよね。
魚なんかだと、同一の品種なのに、大きくなるにつれて名前が変化するとか、
茶道で使う抹茶の銘とかね。
たとえばね、全く同じ製品の抹茶でも、お茶の三千家(さんせんけ=
裏千家、表千家、武者小路千家)では銘が違ってるんだよ。
たとえば、表千家では「千代の松」なんていう銘としたら
(こんなの実際にあるかどうかは知らないけど、同じ抹茶が
裏千家では、「青嵐の白」とかね。同じものなんだけど、流派によって
お茶の銘が違う、っていうのがよくある。
そういうふうに同じものでも、成長するにつれて、とか
季節とか用いる流派によって名前が融通無碍に変化
したりする、なんてことがあるよね。

細かく名前を持っている、名前が変わる、っていうのはさ、
日本人がそれだけそのことに
気を配っていた、というか注意をしてた、っていうことでしょ。

だってさ、そういう注意をしてなかったら、もっとおおざっぱな名前のつけかた
しかしていない、って思うんだ。 今でこそ牛肉だって
やれ肩だの、ももだのっていうふうになったけど、以前は
部位なんか言わないで、ただ単に「牛肉」としか言ってなかったもの。
だってそれは日本の文化の中に、そういう肉を細かく見ていく、というのか
肉食を一つの文化として位置づけることがなかったからだ、
って俺は思う。

後、米粒をお餅のように全部つぶしてしまわないから
「半殺し」とも言うよね。これは、ちょっと物騒な名前。(笑)

で、ぼたもち。
ぼたもちそのものを作るって、そう難かしいことではない。

え? 一体いくつ作ったのかって? 
えーっとね、60個くらい。(写真を見ていただければ、、。笑)
材料はあんこ1キロ。もち米4.5合、白米1.5合。後きな粉とか
青のり粉とか、ゴマ。 それから食塩水。

あんこは土曜日に小豆を炊いてあんこを作っておいて冷蔵庫で冷やしておいた。
冷たい方が、あんこが固くなって、うまく処理しやすいからね。

あんこ玉を作っておいて、蒸して搗いたお米にくるむ。
くるんだものの表面に好みのきな粉とか青のりとかゴマをつける。
ゴマは、炒ってすり鉢で少しつぶしておいたほうが香りもいいし、よくご飯のつぶにつく
と思う。

え? 60個のぼたもちはどうしたの? って?
写真で見ておわかりのように50何個かは、ご近所、知り合いに。
(箱に入れて南天の枝をつけているのがそう)
Botamochi12

残りの10個足らずは、うちの家族で食べて、残ったのは
一個ずつラップして冷凍しておいた。
そうしておくと、食べたいときに解凍したら
いつでもぼたもち食べられるし。(笑)


昨日は、というような、ぼたもちっくな一日でしたぁ。
もう一枚、写真です。Botamochi2


本日(3月5日)は先週の金曜に臨時で病院に行ったので、今日はいいでしょう、
ということでお休み。 久しぶりにさっさと家に戻ることができた。

(今日聴いた音楽 黛敏郎作曲 昭和天平楽 
演奏宮内庁式部職楽部 録音年不明)


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Comments

 うちとこでは,年間通じておはぎはおはぎでした(笑)
 ってか,おはぎは餅の外側に餡子,ぼたもちは餡の外側に餅・・・という区別が。

 うーみゅ,いったいこれは・・・単に祖父母が勘違いしてただけなのか,それとも生れた地域特有のことだったのか・・・謎です。


 ってか,画像,てっきりどこかの和菓子屋さんの店頭だとばっかり・・・(吃驚)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 03. 05 PM 10:25

-----Ikuno Hiroshiさま
 家ごとに、呼び方が微妙に違うのがある、って
いいじゃないですか。ねぇ。俺、そういうのすごく好きです。(笑)
まぁ確かにスタンダードは、日本国語大辞典の説明かも
しれないけど、それは、それで、いいんですよね。
 でも、どうしてそういう呼び方になったのか、
っていう原因というか元はなんでしょうね。
呼び方が微妙に違うのって、地域的な差もあるでしょうし、
Ikuno家の言い方、っていうのかもしれないし、、、
でも、そういうのお互い話をしたら、どんどん出てきそうですよね。(笑)

うちで作った、という写真を追加で、もう一枚アップしてみました。
(最後のほう) 食卓のテーブルや、その向うに見えるサインペン
のふたとか、塗り薬のキャップが、その証拠ですね。(笑)

製作途中は写真が撮れないですよー。
だって、手はあんこを丸めたり、
きな粉だの青のりが付いてるし。(笑)
出来上がって、お皿にとりあえず載せたところの写真です。

Posted by: 謙介 | 07. 03. 05 PM 11:11

我が家では、こしあん=おはぎ、粒あん=ぼた餅という呼びわけをしています。地域性というよりは、我が家特有の風習ですが。

Posted by: yasu | 07. 03. 06 AM 12:57

-----yasuくん
 そうでしたか。今回ぼたもち、おはぎの話を書いたら
いろいろな方から、「うちではねー。」っていう呼び方の
違いを教えてもらいました。 みんな微妙に違っていて
それでいて結構法則性があって、すごくおもしろいなぁ、
って思いました。 だけど、ぼたもち、だと最初の音が
bの音なので言いにくいですよね。おはぎ、だとoの
音なので、言いやすいし、暖かみがありますね。
だからおはぎのほうが、広まりやすいかなぁ、っていう
気がしています。

Posted by: 謙介 | 07. 03. 06 PM 1:05

 ・・・いや,やっぱりこれだけ並んでると,少しぐらい生活用具が近くにあっても、お店にしか見えませんって(笑)

 ああ,そういえば,祖母はおはぎはこし餡だと言って譲りませんでした(僕も同意)。もしかしたら,(うちでは作らなかったけど)外側の餡が粒餡だったら「ぼたもち」に分類してたのかも。

Posted by: Ikuno Hiroshi | 07. 03. 07 AM 12:51

-----Ikuno Hiroshiさま
あんこですが、こしあんが好きで絶対譲らない、っていう人と
わしゃ つぶあんじゃ、って言って、つぶあんを強硬に主張
される人と、いますよね。前に職場でそのことが話題になって
で、軽く話題にするだけだったら、良かったのですが、双方とも
自分の主張に熱が入って、あやうく険悪ムードのスパイラル
に入り込みかけたことがあります。どうしてもお好みの線は
譲れない、っていうことでしょうか。
俺は、あんこだったら、両方とも好き
といういい加減な奴なんですけど。
こしあん、って上品な感じでいいですよね。

Posted by: 謙介 | 07. 03. 07 AM 6:11

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Tracked on 07. 03. 08 PM 10:51

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