« 「グロ」だか「グラ」だか知らんけど | Main | ボクは素人ですから »

07. 02. 09

卒業証書

実はこの週末、友達の家に行こう、と計画を立てていたのだけど
ここのところの検査結果が芳しくないので、やむなく中止。

中止というか、極力外出は避けるように、という指示なので
この週末は、食べものを買い込んで、後はずっと家で本でも読む
かなぁ、と思っていた。

そうしたら昨日の夕方、5時前になって電話。
「あ、○○ちゃん?」
「先生。」 電話の主は大学の時の恩師。
「あんなぁ、用事頼まれてくれへん?」
2月の今頃かかってくる「用事」というのは大体想像がつく。
「はい。いいですよ。、、、、で、先生、それって卒業証書ですか?」
「そやねん。 さすが、よう分かってるなぁ。」
分かってる、って言ったって、もうここ毎年
先生のいる学校の卒業証書を俺が書いているから、
そんなもの、この時期に、、用事頼まれて、って言われたら
誰だって察しはつくように思うけど。(笑)

「で、先生、今年は何枚ほどありますか? 」
「95枚、え、あ、ちょっと待ってな。」
と先生は電話の向こうの事務の人となにやら話をしている。
多分学部の事務室にでもいるのだろう。
「98枚やわ。すまんな。かんにん。」
「はいはい。わかりました。」
「明日送るし。」
「あさってには着きますよね。」
「頼むわな。」

あーあ。お籠もり生活、ちゃんとしなきゃいけない用事が
出来てしまった。(笑)

最近では名前のところも印刷、っていう卒業証書も
増えてきたけど、でもまだやっぱり名前と生年月日、
卒業の累積番号くらいは筆で書いている、っていう
ところも多いように思う。

書道をやってるおかげで、この時期こういう依頼も
結構来る。
大学の時の卒業証書は、全学科のものを
国文の書道専攻の学生が分担で書いた。
卒業予定者名簿が教務から来て
それを分担で書いていった。
俺の横に座っていたTが俺に向かって「良かったな。
謙介、卒業できるみたいやで。」と卒業予定者名簿に
入っていた名前を指して言った。
「なぁ、俺の卒業証書書いてくれへん? 」と俺はそいつに
頼んだ。「何でやねん。自分で書けや。」とTは言った。
「ええやん。あ、そしたら、俺がオマエの卒業証書書いたるから
俺の書いて。」
「何でやねん。」
そう二人で言い合っていたときに、横からやっぱり同級生のYさんが
入ってきた。「ええやんか。Tくん。人に書いてもろたほうが何か
立派で重みがあるように思えんねん。自分で書いたら、ちょこちょこっと
書きました、っていう感じしかせえへんもん。」
俺はそうやそうやと即座に相づちをうった。
ホントはね、ちょっと違ってはいたんだけどね。(笑)
その時の俺は、Tのこと、かなり好きだったから。
「しゃあないな。」とTは言い、俺の証書を書いてくれることになった。
「そしたら俺の書いてな。」
とTのを俺が書く。


かくして俺の大学の卒業証書はTの字で書かれることになった。
卒業式で学長から証書をいただいた時は
(俺の学校って、その当時は、卒業証書は一人一人が講堂のステージに上がって
学長から手渡しをしてもらう、ということになっていた。)
もう一生大切にするぞ、と感激したものだったのだけ。(「ど」で終わるところが、笑)

そうしてあれから歳月が流れた。
そんなそんな大切な思い出のつまったはずの
大学の卒業証書、どこへしまったのか。思い出せない。
きっと実家の俺の部屋のラビリンスのどこかには
あると思うんだけど。

今度実家に戻ったときにちゃんと探してみよう。
発掘作業だよな。
しかし、果たして出てくるのか。(笑)

(今日聴いた音楽 端唄 梅は咲いたか 唄きみ栄
三味線 静子 豊藤 録音年不明)

|

« 「グロ」だか「グラ」だか知らんけど | Main | ボクは素人ですから »

くらしのこと」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 卒業証書:

« 「グロ」だか「グラ」だか知らんけど | Main | ボクは素人ですから »