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06. 12. 04

回答

土曜日の晩、NHKのドラマを見ていた。
四国遍路の話のドラマ。
お遍路さんは、四国をまわって、八十八番の札所に到着したら
ひとつの区切りはつくけど、
それは、基本問題を解き終えた、というだけで、
実際の人生の問題への回答は、
何年かで、ハイ出ました、っていうふうには出るはずはない、ように思う。
スポーツとかドラマがいいのは、限られた時間の中で
得点、とか一応の結果、というものが出るから、というように思う。

自分の人生の答えは
ホントにこれがいいのかどうかも分からないまま
ずっと最後まで解き続けなければならない、という気がする。
回答はずっと保留のまま、しかもそれが正解かどうかも
怪しいまま。
最期の時になって、ああこれでよかったんだ、って思ったら
それでいい、っていうことだろうな。

今日は月曜日。
仕事帰りにがんセンターに行く。
行くと俺の前にまだ何人か待ってる人が居た。
今日は、ちょっと診察が遅れているみたいですよ。
と、顔見知りの年配の女の人が親切に言ってくれる。
「ずいぶんかかりそうですかね。」
と話がはじまって、病状のことなど少し話をする。

ややあって、彼女も呼ばれ、診察が終わり、
「じゃあ。」と言って帰っていった。
俺の番が来る。
主治医の顔がいつになく険しい。
どうしたのだろうと思う。
前回の検査結果を見ている。
俺も見る。
数値が大幅に悪化している。
前に比べて3倍くらい。
「ちょっと、、これは、、ねぇ。」と主治医も言葉が出ない。
「入院したほうがいいですかね。」と俺。
「冬休み、ちょっと入ってもらえる?」
ということになった。
この冬もひとりで過ごすことになった。

帰りの車の中で、ちょっと涙が出た。
涙は出たけど、今までにもこんなことは何度もあったし、あまり
泣いても仕方がない、と思って、山下達郎の「蒼氓」を聴きながら
ゆっくり帰ってきた。


泣いた後、土曜のドラマのことを思い出した。
人生の回答なんて
簡単には見つからないけど、回答が出せないまま
永遠の未解決でもいいんじゃないか、と思った。


とにかく
投げ出さないで、あきらめないで
生きていったらそれでいいんじゃないか、
って思った。

回答が見つかったら、それで幸運だし、見つからなかったら
それで仕方がない。
わからないまま、こんがらがったまま、最期まで。
「それだけの自分」で進むしかないなぁ、と思いながら
家に到着。

(今日聴いた音楽 蒼氓 山下達郎 歌 1988年
アルバム僕の中の少年 から )


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Tracked on 06. 12. 05 AM 9:33

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