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06. 11. 08

顔写真をめぐる葛藤について

 前に大学の時に習った書道の教官が個展を開いたことがあってね。
そのときに(まぁ浮世の義理で) 個展を見に行ったんですよ。
で、会場でパンフレットをもらって見たの。

 そうしたら、作者ご近影写真、っていうのがどーん、とパンフの最初に掲げられていて。
実はそのセンセイのプロフィールの写真、もう20年くらいずっーーーーーーーっと使い続けているやつ。
俺、何度その写真繰り返して見たかしれやしない。
にもかかわらず「作者近影」だって。

 いつだったかうちのねいちゃんに
「このセンセイ近影っていいながら、20年以上使い続けた
写真をプロフの写真に使ってはったわ。」と言ったら、
「あんた、このセンセイ、最近撮影した写真を近影と
言うてはるのとちゃうねん。 カメラを近くに寄せてアップで
撮影した写真のことやし。そやから近影。」

そんなアホな。

 まぁでも何もそんなもの、書道やってるおっさんになんか限った
ことではない。 だってさ、クラシックの音楽会なんか行くと
ポスターとかパンフレットの写真と、いざ公演がはじまって
ご本人が登場したときのギャップがあまりに大きい(というかほとんど別人)
人、結構多かったりする。

 よくゲイの人の掲示板で、詐欺画像が問題になってたりするけど
そういうのって、別にどこだって普通にある問題なのかもしれない。

 だけど、そういう問題があっちこっちで発生する、って
いうのは、やっぱり根底に、ある部分で自分の顔にコンプレックス
を抱えた人が多くいるからなんでしょうね。 
だから一等写りのいい、と自分で思ってる写真を使い続ける、
っていうことになるんだろうな、って俺は思う。

ところが年齢って一方で、確実にどんどん経過していく。
「事実」はそうなんだけど、その一方で人によっては、その現実を
認めたくない、っていう人もいるわけで。
だから、自分の写りのいい写真を使って、その現実を見ないように
してる、っていうこともあるかもしれない。 

 だけど、周囲からかっこいいねぇ、って山ほど言われる
奴でも、実際に仲良くなって、本音で話すようになると
結構いろいろと顔とか身体についてのコンプレックスを抱えて
いるんだよ、っていうことを話してくれたことがあってね。
まぁ、そういう奴はそういう奴で、いろいろと悩みはあるわけなんだ。
煩悩は尽きないものよのォ。(笑)


 実は、こないだ、俺が所属してるある団体で会員登録の更新で
必要だから、っていうんで、自分の写真を会員カードとともに送った。
写真なんて面倒だったから、たまたま来てた友達が
デジカメを持っていたもので、さっと撮ってもらって、サイズに加工して
プリントアウトして送ったんだけど。

 その後、机の中を整理してたら、去年これも必要があって
証明写真を撮ったものの残りが出てきた。
それは、ちゃんとしたプロに撮ってもらったものだった。
(たまたま東京に行ったときだったので、新宿○勢丹の写真部で撮って
もらった。 ここで撮った写真を会社の採用試験の応募申請の履歴書に
貼って出したら、採用合格率が上がる、っていうジンクスがあるらしいのだけど、
それって、本当なのか?)

 さすがに、こないだデジカメでぱぱっと撮ってもらった写真より数倍(当人比)は
よさげ。 それでまぁ、そういうふうに写りのいい写真を使う人の気持ちも
なんとなくわかった、っていう気がしたんですけどね。(笑)

 だけどこないだ、何でもはっきり言う友達に言われてしまった。
「謙介は外見をかまわなさすぎる」んだって。
もうちょっと、「かっこいい奴」とか、「イケてる奴」「センスのいい人」を見て学習しろ、
だってさ。

 へいへい。わかりました。研究と向上への努力が足らないわけですね。
(あーあめんどくさ) 一応「努力しまーす!」って、とても元気よく
言っておきましたですよ。(さすがにその友達も、「どうだか」っていう顔してたけど。)

ちゃんちゃん。

(今日聴いた音楽  哀しみの聖母  ピアノ演奏 西村由紀江 
アルバム 大地のうた 1998年発表 から)


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Comments

近影、近くで撮った写真。笑えました。
僕もプロフの写真、その手でいこうかな、あはは。
若いときの、写りのいいup写真さがすとか。笑。
なかなか、自分で写真選ぶのって難しいですね。
プロのカメラマンは、やっぱり撮影上手ですね、僕も今度、誕生日に記念にとってもらおうかな…。
桃井かおりさん、1年に一度、何時死んでも近影になるようにモノクロ写真とるようですよ。そう言う認識で写真を撮る人もいれば、延々、永遠と近影って言って同じ写真を世に出す人もいますね。
僕も、コンプレックスいっぱいあって、HPに写真だせないでいます。汗。
今度、パスワードつきでページ作ろうかな…。似顔絵は、だしてあるんだけど…。
でも、謙介さんには、近影、夏にメールしたしょ僕。あれは、今年のまちがいない写真ですよ。笑。
そうそう、努力は必要ですよ。僕も学びだと思ってコンプレックスいっぱいだけど、いろいろ洋服選んだり、ジム行って体のデザインしてみたり、出来ることからだけだけど、どっこらしょって努力してます。自分で選んで来た容姿だから、コンプレックスあってもしょうがないって…スピリチュアルな気持ちになって、頑張ってます。努力しないと、ますます、ひどくなるんです。僕。汗。


Posted by: holly | 06. 11. 08 PM 10:00

こんばんは

 写真ですけど、やっぱり、つい自分のことになると
客観的に見られない、というのか、「現実」と「欲目」の
間で葛藤があるんですよね。たぶん。
現実は、この程度だ、と。(うすうすは感じている)
けど、それは見たくなくて、いや、もうちょっと俺は
いけているはずだ、と。その自分のかくありたい、
いや、ホントはもっとかっこいいはずだ、という
その距離の間で、悩んじゃうんでしょう。

 ○勢丹の写真室撮影の写真、さすがでした。
ライトの当たり具合とか、表情を何度もチェックして
プロが撮っただけの写真でありました。
 やっぱりちゃんと撮ってもらったほうがいいかな、
とも改めて思いました。
 
 みんな結構そういう自分の身体とか、容貌に
コンプレックスを持ちながら生きているんだ、
ということ。親しくなって内面の話をするように
なると出てきます。
 みんな何かを抱えながら生きているんですよね。
コンプレックスとか障害とか家庭の問題
仕事の問題とか。だけど、それらと何とか
折り合いをつけながら、うまく自分のことを
表現していけたらいいですよね。
 そういう意味で、自己表現の方向として
自分の身体のデザインとか、個性的な
ファッション、とかに方向を持っていく人の気持ちも
よくわかります。
 自分らしさ。俺自身でなければ表現できないこと。
俺もそんなことをこれからも考えながらいきたいなぁ、
って思っています。
 
 
 

Posted by: 謙介 | 06. 11. 08 PM 10:35

歌舞伎の番付の写真も、いつの写真?って思うものがありますね。
今だと雀右衛門、芝翫、玉三郎あたり。しかもソフトフォーカス(笑)
同じスターでも、「宝塚おとめ」は必ず毎年更新ですね。スター年鑑なので当たり前ですが。毎年買ってるファンは「この年に整形した」とかわかるみたいです。

Posted by: yasu | 06. 11. 08 PM 10:53

こんばんは
 歌舞伎の写真、って、ホントそうですよね。
「松竹」が持ってる、一体いつの?
っていうような写真をパンフレットの
出演者のところに平気で使ってて。
 あんた、どうみてもこれ、20代のときと
ちゃうのんか、っていうの結構ありますよね。

 ○崎あゆみも整形前に出てた映画と
今やってるデジカメのCMを比べたら、
ああ、って思います。

 宝塚。 そうそう。ちょっと前の毎○新聞で、
お久しぶりに神代錦さんの
あでやかな舞姿を拝見いたしました。

 もうあそこまでいくと全てを超越した、
ということになるのでしょうね。きっと。
 でも白塗り、すごかった。

 それから前に、今やってるNHK朝のドラマ
「芋たこなんきん」の原作者のお聖さんのポートレートを
立木義浩さんが撮ってる写真を見ましたけど、
ソフトフォーカス、でした。

Posted by: 謙介 | 06. 11. 08 PM 11:21

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